華麗な少女ユキ
神器使いの反逆者の続編で短いですがみてください。
1
「起きてー!」
甲高い声が小さな部屋を響かせた。朝のいつもの光景である。そんな甲高い声で、グレンは目を覚ます。
「おはようございます。ユキ」
と黒くショートヘアーの髪をグシャグシャにする。グレンにとってそれは朝の髪のくせ毛を取るためなのだが、まったくもって無駄なことだ。
「ちょっと待って、今直すから」
とユキが言う。ユキはグレンよりしっかりしている。しっかりしているだけでない、とても過保護である。だがユキはグレンと同い年である。
「グレンここに座って」
と椅子を差し出す。グレンはその椅子に座る。ユキはジャンボコームを手に持ちグレンの髪を整えていく。
「ありがとうユキ」
と固く言う。
「うん! グレンってなんか放って置けないんだよね。なんか弟みたいな」
グレンもまたユキのことを姉、いや母のようにしたっていた。
ユキの白銀のごとく白く長い髪がグレンにとって初めて見た美しいものだった。それだけではない。顔もとても整っており、世間でいう美人さんである。また胸の膨らみも立派であり、スタイルがいい。
「お爺さんはやく起きてください!」
とユキはグレンの髪を整えてから、すぐさまユキの祖父を読みにいった。
「わしはまだ眠いのじゃー」
「そんなこと言っていないで、はやく起きなさい」
とユキは何故かお爺さんには厳しい。
そんな中グレンは椅子から立ち、服を着替えていた。すると … …
焦げ臭い臭いがすることにグレンは気づいた。しかしユキは気づいていなかった。それも当然のことである。何故ならグレンが非常に敏感なのである。全ての五感が研ぎ澄まされている。
グレンはユキのところに行き、
「ユキ焦げ臭い」
と言った。
「へ! 嘘! そうだった目玉焼き焼いてるんだった!」
と言いすぐさま1階である台所まで駆け降りていった。
グレンもその後を追っていった。
「あー焦げてる!」
とすぐさま火を消し、ユキはフライ返しで目玉焼きを取ろうとする。
「ごめん。ユキ。しっかり起きてればそんなことには」
とグレンはすぐさま謝った。
「グレンのせいじゃないよ。気にしないで、私たまにあれだからさ」
あれだからさとは、おっちょこちょいと言う意味である。よくユキは色々やらかすことがある。少し気が抜けている。それだけでは天然なところもよくある。たまに見せるグレンよりも劣っているところである。それを見るといつもグレンは頼れる母の存在のユキから、おっちょこちょいな姉であると認識してしまう。
しかし、そんな家族の雰囲気であるが、グレンがこの家族に加わったのは、つい最近のことである。元々ユキと祖父の2人家族であった。
グレンとユキの出会い。それは2ヶ月ほど前 の出来ことである……
明日またお会いしましょう!