プロローグ 『不吉の魔王』はその上の『邪神』に転生することにしたようです。
わしの名前は……何じゃったかな?ああ、年を取りすぎて思い出せんわい。
ああ!本名は思い出せんがあだ名なら思い出したぞい。たしか‥‥「不吉の魔王」じゃった!
いやぁ、今思えばひどいあだ名をつけられてたもんじゃ。あながち間違いじゃなかったんじゃがな。
最初のほうは「不吉の王子」じゃったんじゃよ?まあそれは50年ぐらい前の学生時代の話じゃがな。
まあ、何が不吉だったのかぐらいは話そうかの。まずはあれじゃな。「一日一回は絶対に階段5Mから落ちる」じゃな。これはすごいもんじゃったよ。5Mない階段を通って生活しようとするとさせないとばかりに工事になったりいきなり崩れたり…一番ひどかったのは5Mない階段を降りようとした時に後ろからサッカーボールが飛んできたせいで結局5M飛んだことじゃな。いやぁ、おかげで骨が強くなったわい!
っと、画面の前の若者たちは何でわしが他人事のように話してるか気になったのかい?そりゃあもう他人事じゃよ。
‥‥‥だってわし、死んだし。
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「次の転生手続きをお待ちの方~」
「ん、わしじゃわしじゃ」
どうやら呼ばれたようじゃな。それにしても転生手続きの子はかわええのぉ。あの凛とした感じがわしのなくなった欲をそそるわい。
「ではこちらの用紙に転生後の条件をお書きください」
‥‥今の状況が察せない者に説明をしておくかの。わしが今いるのは死後の世界じゃ。普通の人なら要望は聞かれずに記憶をなくして転生するのじゃが、前世で運が悪すぎた者は今のわしのように自分の好きなものに記憶を残したまま転生させてくれるのじゃ!「不吉の魔王」に感謝じゃな!
「そうじゃな‥‥転生後は剣と魔法の世界に行きたいのじゃ」
この用紙にはまずどの世界に転生したいかを選ぶのじゃが、何種類かある世界の中から選ぶのじゃ。わしがいた科学の発展した世界じゃとか、まだ石器時代を抜け出せていない世界じゃとか、あとはわしが選んだ剣と魔法の世界じゃとか。まだまだあるのじゃが、昔に抱いた夢をかなえてみるのもいいわい。
「転生後の職業はどうしようかの‥‥」
職業も選ばしてくれるとは太っ腹じゃな。職業の欄にあるのは、まあファンタジーの世界っぽい職業がたくさんあるのじゃ。普通の魔術師、天才魔導士、凄腕剣士、農民、王様、上位の魔物、スライム、邪神‥‥邪神?確か次のページに詳細が書いてあったのじゃ。なになに‥‥『魔王が勇者に倒された後に真のボスとしてラスボスポジションで登場する職業です。魔王の何倍もの力を持ち、一回勇者を退散さした後強くなった勇者と戦う義務があります。ですが戦うのが義務なだけなので倒しても構いません。その時は新しい勇者が生まれます。』‥‥じゃって。王様や勇者やスライムも捨てがたいのじゃが、この邪神というのは楽しそうじゃな。特に勇者をあざ笑うのが楽しそうじゃわ。
ん、まだ詳細が続いておるの。なんじゃ‥‥『邪神になったときの姿はこちらの事情で選ぶことができません。しかしその代わりに、邪神には超絶イケメンの秘書君がついてきます。察しもよく、『どんな』要望にも応えてくれます。詳しい情報については邪神になると決めたときに冊子をお渡しいたします。』
‥‥『どんな』要望でも、じゃと?か、肩もみでもいいのかのう?ええい!とりあえず面白そうだからわしは邪神になってやるわい!勇者をあざ笑って楽しい人生を送ってやるのじゃ!
「はい、転生後の職業は邪神ですね。では、魔王の城の最上階に転生しますので、転生しましたら近くにある『邪神のお仕事』という本が近くに落ちているはずなので、それをお読みください。では、新しい人生を楽しんでくださいね」
「わかったのじゃ」
「では転生を開始します。迷える魂に新たな道を‥‥『I will give you a new life as a goddess』‥‥では、良い人生を」
おお、体が光になって消えてきたのじゃ。何とも神秘的じゃな。てかこの子女神じゃったんかい。転生前に言い女の子を見れたのじゃ。
さあて!新しい人生を極限まで楽しむかの!
こんにちは!作者のらびです!新しく書き始めましたこちらの作品ですが、投稿は不定期になると思いますので暇になったときにでも覗きに来てください。
この作品は大分のんびりとした感じでやっていくので、気長にお待ちください!
週1で一話3000文字ぐらいを目標にしてます