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二週間  作者: 筑紫司
1/4

きっかけ

初投稿です。至らない点等ございましたら、気軽にコメントお願いします。





こんばんは。僕です。

あ、っていてもまだ名乗ってませんでしたね。黒井 真白(くろいましろ)って言います。

嘘じゃないです。本当に黒井真白なんです。


そんな僕は今、ピンチを、迎えております。








晴れ渡る空、白い雲。

夏真っ盛りで蝉が盛りを見せ、またいい1日がおくれそうな気がする中、僕は朝からせっせこ働いていた。


近所の同級生が高校生と羽ばたいている一方で、僕が働いているのは決して親の給料が少なかったからといわけではない。




需要が多すぎただけ。




僕の家は今時珍しい10人の兄弟姉妹けいていしまいで、その長男だった僕は、僕自身は当然ように中学卒業後働いていた。

中学に在学中猛反発をくらい、なかなかOKサインがもらえなかったが、すぐそばに入園入学者合計5名という新年度が控えてたがために「…お願いします。」という形で双子の妹共々OKをもらえた。

申し訳なく思っていた両親にも耳がタコになるほど言ってきたが、働くのは楽しいし、今後大学受験や新しく生まれてくる末っ子の誕生を前に無一文になっては元も子もないだろうと思い決意したのだ。



ほぼ一日中バイトの日々が変わったのは、17の夏、友人の伝手であるお屋敷のハウスキーパーをやることになったことが切っ掛けだ。


その仕事はもともと友人の祖母がずっとやっていたそうで、高いところの掃除中に足を滑らせて落ちてしまったらしい。幸い、命に関わるような怪我はしなかったものの、全治に一ヶ月かかると医者から言われてしまい代わりの人を探していたそうだ。


友人がその話を聞きつけ僕に教えてくれた。なんでも、大企業が所有しているお屋敷らしくその辺は大丈夫なのかと聞くと


「お前、変なことはしないだろう?下の子が可愛くて。」


と応えた。

流石は僕の友人、分かっていらっしゃる。

入院している友人の祖母、チカ子さんには見舞いついでに色々と教えてもらった。


殆ど使われていないらしく、綺麗に保ってさえいてくれれば敷地にあるものは自由に使って良いと言われて僕は驚いた。

その時、水道も?電気も?ガスも?とせっついてしまって、チカ子さんや友人に笑われてしまったことはとても恥ずかしかった。

気を取り直して話を続けると、


「住み込みになってしまうのだけど…」


と伏し目がちに問うてきたので、少し考えたのち


「大丈夫デス。」


とぎこちなく答える。するとチカ子さんは気を遣って


「断ってくれても良いのよ?」


と言ってくれた。だが僕は慌てて


「寂しいことは寂しいですけど、稼いだお金で家族孝行をしたいと思ったので大丈夫です。」


と、そうしたらチカ子さんはおばあちゃん顏になって、


「偉い子なのね。」


と一言。友人の前でちょっと恥ずかしかったけれど、僕は赤くなりながら、


「恐縮です。」


と応えた。




短いお話ですがお付き合い頂けたらなと、思います。

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