第2章解説&更新終了のお知らせ
第2章解説と、更新終了のお知らせです。*挿絵、探索者とGMの会話付き
このたび、ユーザの方からご指摘をいただき、「僕らのトラウマ学園TRPG」の更新を終了することにいたしました。
確認したところ、「小説家になろう」の、「リプレイ投稿規約」には、クトゥルフ神話TRPGのリプレイ作品の許諾はなく、他作品にもクトゥルフのリプレイを作品にしている方もいらっしゃるのですが、長編を予定していたのと、ランキングにのってしまったということで、あまり人目につくならばと、仲間内で話し合って、これ以上の投稿を停止することにしました。
結論・規約はちゃんと読もう。
せっかくブックマーク、評価していただいた方、申し訳ありません。
もしかしたら、再構成しオリジナルの小説としてまた投稿するかもしれません。
いつになるかわかりませんが(汗)
以降は、プレイヤーの紹介、掲載する予定だった挿絵と、前話の、彼らは合流できるのか?「割と俺らどうでもいい存在だよな・・・」後の展開を紹介したいと思います。今回は探索者達とGMのグダグダ会話も含みます。
占部 真(イラスト手前)
プレイヤー中3人のイラストを描いてくれたプレイヤー。超ありがたいです。GMはデジタル苦手なので、カラフルなイラストは憧れます。というか、今思えばリアルでイラスト得意なんだから、「美術の時間」で補正かけてあげればよかったなぁ・・・まあ過ぎたことはしょうがない。因みにイラストに着いて話し合った際、
占部:制服統一なさそうだし制服のカラーもカラフルにしちゃる
GM:制服は自由(^◇^)卒業写真っぽい絵だけ統一してる。
穂野村:上着とか羽織ってるなら変わることもあるからいいんでない?(・ω・)
黄金医:上着以前に仮面…ゲフンゲフン。今考えれば自由度高い学校だね(・∀・)
穂野村:校則とはいったい何だったのか。
占部:校長が統一された一般教育にトラウマがあってこういう校風になった、と考えた。
黄金医:校長もトラウマ持ちかw
穂野村:そんな学校いややw
赤星:校長(GM)ですね
GM:俺かいw
赤星:校長が集めたわけだし?生徒を。
GM:・・・・(;’∀’)。
みたいな会話がありました(笑)
黄金医 直人(イラスト奥)
優等生で一人称が「僕」の割に、発言は全く優等生に聞こえないプレイヤー。「おはようこの野郎!」は爆笑しました(笑)常に高いテンションで、場を盛り上げてくれてくれました。しかし時に鋭い指摘をすることも。案外怖がりで、今回のシナリオでは、「怖い」を連発。保守的に行動してしまったことを少し後悔中?そんな彼のプレイ後の会話↓
黄金医:ああ楽しかったぁっ!!!
占部:お疲れ様ー。
黄金医:次回が楽しみだゼ!
占部:まぁ色々準備あるからすぐにはは無理みたいだけどね
黄金医:せやなぁ・・・(´・ω・`)俺の能力をみんなに知らせたくなるというこのジレンマ。
占部:単発だとぶっちゃけやすいけどキャンペーンだと言いづらいかなぁ。
黄金医:キャンペーンって回数分ける奴か。
赤星:お疲れ様ー。ですね、キャンペーンだと次の時にどうなるかわからないからね
占部:単発→1シナリオ完結型。キャンペーン→連続シナリオ。
黄金医:次回の○○は!?みたいなのね。
赤星:特にこれって協力プレイというよりは個人戦という感じだし
黄金医:それな。そこが今回は面白過ぎてね。タイトルが「戦争」って時点でお察し。でも協力っぽい事もしてたんだよなぁ。
占部:パラ●イアかな?
赤星:まあ似たような感じよね。どうやって行動するかまた利益や不利益を考えながら行動しないといけないから。
黄金医:僕は不利益にならないようにってことを尊重しまくった結果利益が仇になってる気がする。
以下のプレイヤー3人の挿絵は、占部さんの中の人が担当してくれました!リプレイ中にも使用させてもらっています。
穂野村空馬
他人のサポートに徹するプレイヤー。技能も、体力が回復ができる技能や、SAN値を回復など、他人を助けることができる技能を取っている。穂野村君の中の人曰く、
穂野村:誰かが王になるなら僕はそれに仕える軍師になりたい。
正義:僕は優しい王様にゲフンゲフン作品違う
だそうで。しかし今回のシナリオでは戦闘技能を全くとっていないことが裏目に?でも自分の特技が使えるチャンスは見逃さない!
女性キャラが少ないので、最初は女キャラで行こうと思っていたらしいが、APP(見た目)が平凡だったのであえなく断念したらしい。女子生徒キャラだったら多分、穂野村 久馬希になってたかなあとか考えてた会話がこちら。
GM:せいてんかーん。
赤星:理由は女の子が少ないから。
穂野村:黄金医さん歓喜のコースwww
GM:名前は穂野村 久馬木 かなぁ。久間希か久馬希どっちがいいかな(ワクワク)
赤星:語尾に『にゃー』とつける女の子。
穂野村:くまなのににゃーとな?(・ω・)
GM:眠いクマーとか眠いにゃーとか?
穂野村:久真希
GM:いいね!穂野村 久真希。
穂野村:なるほど不思議系女子ですね(・ω・)いやゆるふわ系女子にしよう(・ω・)
赤星:こたつ猫系女子です。
穂野村:引きこもりやないかーーー!ww
GM:ゆるふわは空鳥 光がいるから、不思議かこたつにしようぜwのんびりこたつ女子とかさ。
穂野村:なんかこたつごと動きそうやな(・ω・)
赤星:引きこもりじゃないよ。こたつ猫→寝てる、のんびり、熊の冬眠。
GM:ひ、引きこもりではないんだぜ!離れがたいだけなんだぜ!
黄金医:無理が通って道理も通す!!!あっ・・・なんか空気読めてない子に・・・。
GM:黄金医さん歓喜中。
穂野村:こたつから抜け出せないトラウマ(・ω・)
GM:かわいいトラウマだなwww名前も炬燵にしようぜw穂野村 炬燵w
黄金医:胡斬だったらなんか厨二臭そう。
赤星:それだったら、小辰のほうがかわいくない?
一同:それだ!
みたいなとこまでいってました。そして出た目がAPP9(笑)穂野村君は今回、女の子だったらヒロイン枠だったなぁ・・・というくらいの活躍っぷりでした。のんびりキャラの本気(笑)
正義英雄
中身は割と常識人な見た目変人プレイヤー。今回のシナリオではいち早く他プレイヤーと協定を組み、戦闘では霧崎優人との死闘で大活躍。一々セリフがカッコいいんで、小説書いてる身としてはすごく楽しかった(笑)多分探索者一の男前キャラ。
実は、前半の日常パートをネット会話でプレイした際、彼の横で家族が寝ていたので、正義さんだけチャット会話でTRPGに参加した。本人曰く、「これはもう無口キャラで通すしかないな」と思ったらしいが、結構な量の文章を打ってくれたので、無口キャラにはならなかった。むしろ変人キャラになった。
正義さんが富影小石の部屋を訪れた後の会話↓
占部:あ、正義さん。富影小石のイラストもあるよ。ほら、前遭遇した影の薄い男子。
黄金医:目が髪で隠れてるね。いかにも影薄そうな感じ。
正義:・・・これ、なんかエローゲーに出てくるモブキャラみたいだな。
一同:www
占部:確かに顔を出さないためか知らんがそういうヤツはいるよなwww
正義:ねwww
占部:宇都宮君は絶対にイケメンだよな・・・。『*イケメンではありません』とか書いてあるけど。
GM:委員長描いたらイケメンになっちゃったんだよwだからそれは注意書き。
穂野村:でも改めて見るとホントイケメンだわーw
正義:漫画で言うフツメンの立ち位置なんだろきっと。
占部:日子守さんも『普通の子』って書いてあるけどイラスト見てみるとカワイイんだよなぁ。
穂野村:漫画でそのレベルがフツメンなんだろうなぁw
黄金医:やめて欲しいよね!
占部:じゃあ俺不細工じゃん・・・。
一同:www
正義:なるほど!占部で不細工なら正義はかなりの顔面破壊なんだろう!仮面を被るのも頷ける。
思わず納得しかけました(笑)。最後は唯一の女性キャラ、赤星さんです。
赤星 楓
紅一点の女子高生キャラ。今回のシナリオで百合の本領発揮!?(笑)思わずタイトルにクレイジーサイコレズを入れてしまった・・・。しかし本人は若干不満気味?
赤星:題名についてひとついってもいいかしら?
赤星:クレイジーサイコレズと言われているけど今のところギリギリしてないですけど…っと反論してみる
穂野村:ま…まだセーフだし…(震え声)ってことかな?
赤星:そういうことよ。まぁ心実のいろんな表情を見て楽しんでいるけど(小声)
黄金医:アウトになるスレスレの駆け引きってスリルがあって( ・∀・)イイ!!よね!
穂野村:揺さぶりをかけていくスタイル。
黄金医:相手の出方を見る!
穂野村:赤星さんは結果より工程を楽しむタイプ…っとφ(._.)メモメモ
赤星:何をいっているのかしら?すぐに堕とすよりじわじわゆっくり堕とす方が楽しいじゃない。
黄金医:なるほどデスよりポイズン派かナルホドナルホド
GM:タイトル変える?ギリギリセーフクレイジーサイコレズとか?
赤星:みんなに聞けばいいんじゃない?ギリギリセーフかギリギリアウトか。
黄金医:セウトでしょう・・・。
GM:せうとwww
占部:ノエスに決まってるだろ・・・。これは違うなw
赤星:みんなからしても微妙なのかしら?
黄金医:例えるならアイスクリームに成りきれてない氷?とでも言いましょうか・・・。
占部:別にセーフなんじゃない?そこまでやばいことはしてないし。でもクレイジーサイコレズ呼称だとキャラが立つで。
赤星:普通に見ればアウトなんだけどよく読むとセーフなのかなと思わせるこれぞ求めていたものですね。
穂野村:クレイジーサイコレズ!?赤星楓。とかにしとけば?(・∀・)
赤星:プレイヤー同士の会話だけなのよ?クレイジーサイコレズに見えるのは。気づいたかしら?
穂野村:百合を望む者とな?(・ω・)
黄金医:一気に厨二臭くなった。
赤星:それはちょっと違うのよ。百合を望むものはレズだけでいいのよ。
穂野村:せんせーくわしいことがわかりませーん(*・ω・)ノいいかたがちがうだけなんですかー?(*・ω・)ノ
赤星:度を越えたレズのことをクレイジーサイコレズ変わりの者の究極レズといった感じかしらね。
穂野村:クレイジーサイコレズ=男の存在を認めない。って印象(・ω・)
赤星:私の中身はクレイジーサイコレズかもしれないけど心実にたいしての行動は別にクレイジーサイコレズではないのよ。
黄金医:済まないが、ノンケは帰ってくれないか?
赤星:男の存在を認めないというのは一部でしかないわよ?
穂野村:なるへそ(・ω・)
GM:おぉう・・・クレイジーサイコレズ講義が凄いことになってるwww
穂野村:講師赤星がお送りしております(・ω・) 深夜テンション(・ω・)キリッだがまだ深夜ではない。
赤星:この状態はまだただの百合なのよ。
GM:じゃあクレイジーサイコレズ?くらいに変えとこうかな
赤星:了解。
GM:せんきゅー(*´ω`)・・・ここの会話を第2章解説編に載せるべきだと私のインスピレーションが告げている・・・!
占部:やめとけwww
赤星:やめときなさいwww
GM:でも赤星さんがクレイジーサイコレズかそうじゃないか談義はいれたいなぁ。メモメモ( ..)φ
穂野村:あかんやつやwww
赤星さんのタイトルがクレイジーサイコレズ?となったのはこういうわけです。考えていることは若干アレだけど、それを喋ってないから、NPCの印象は、見た感じ友人思いのいい人みたいになってます(笑)でも実際、音梨に対しては結構気を使っているみたいです。
次は今回のメインクラスメイトの紹介です。
霧崎 優人
十宇良高校に通う高校2年生の男子生徒。愛川キヨの幼馴染みの草食系男子。小さな頃から元気いっぱいの幼馴染みに引っ張られながら生きていき、明るくて行動力のある幼馴染みに恋愛感情を抱く。しかし、現在の関係を壊してしまうことを恐れ、告白はできないまま。
なあなあの関係で済ませているうちに、幼馴染みが国語教師に恋をしてしまう。気にしていない素振りで表面上は応援をするも、内心は激しい焦りと、憤りを感じている。
高校1年生の冬頃に、幼馴染みが書いた国語教師宛の告白の手紙を発見し、鋏でバラバラにして捨てた過去がある。
最初はバラバラにした手紙を幼馴染みの机に置こうとしたが、そんなことをしたら彼女が悲しむと思い、結局持って帰って自宅のごみ箱に捨てている。
その後、自分のしたことの罪悪感にとらわれ、胸に大きなしこりを残し、そのことが「トラウマ」となってしまう。
国語教師の、夏目国哉を過度に憎んでいるようだが・・・?
とある目的で、幼馴染を「トラウマ戦争」で殺そうと試みる。
成績:上の中 嫌いなもの:国語教師の「な」で始まって「り」で終わる教師
(霧崎優人の下描き)
ヤンデレキャラです。彼のロールプレイはとても楽しかった。ヤンデレプレイおいしいです。ふひひ。
見た目は地味っぽいというか・・・オシャレをすることがなさそうな平凡なキャラを目指しました。しかし絵が安定しない・・・(泣)
今回のシナリオでは、プレイヤー達に殺害の邪魔をされ、最終的に発狂した愛川の能力によって死亡しました。(注:現実では死んでいません)
彼の「トラウマ」は、愛川キヨへの恋愛感情が関係していたので、今後は心から苦しむことなくに幼馴染みの恋を応援することができるでしょう。これも一つのハッピーエンドだと思います。
『トラウマカード』意気地なしの鋏
キーちゃんからメールが来た。
『優君、私の書いた先生宛の手紙知らない?机の上に置いてたと思うんだけど』
僕はそれに、
『知らないよ』
と返信をして、君の手紙を切り刻むのを再開する。
ちょっきんな、ちょっきんな。何回切っても、足りないな。
切ればスッキリして気が済むものだと思っていたのに、この分だときっとコレをミキサーにかけても満足はできないかもしれない。
これだけやっても、胸の靄が取れないのは、きっと君が間違った道に足を突っ込んでいるせい。
教師との恋愛なんて、間違ってる。本当は、机の上にばらまこうかと思ったけど、そんなところを君に見られたら、嫌われちゃうし、何より君が悲しむと思ったからやめた。
僕は意気地なしで、いつも君に手を引いてもらっていた。だから、今度は僕が君の手を引く番だ。
キーちゃんからまたメール。
『そっかー(泣)うわーん、せっかく書いた手紙だったのに~』
ああ、やっぱり。こんなことをしても、君を正しい道に戻してあげられない。
僕は昔から勇気がなくて、言いたいことを半分も言えない。
なら、こうやって行動で示すしかないじゃないか。
正しい道に戻してあげる。間違っているものを正してあげる。
それが幼馴染みの僕の役目だ。
・・・なんてね。そんな大それたこと、できるわけない。意気地なしの僕には、心の中でそう啖呵を切るだけで、もう精いっぱいだ。
でも・・・。
もしも、そんなことができる、チャンスがあったのなら。あと一歩だけ、一押しするだけで君を正しい道に戻せる絶好の機会があったのなら、
僕は迷いなく、喜んで君の背中を押すだろう。
ああ・・・痛い妄想もいい加減にして、キーちゃんに返信をしなきゃ。
「だ、い、じ、に・・・しまって、おかないからだよ」
ベッドの上に仰向けになって、送信ボタンを押した。
僕は、いっつも昔から、本当は君に言いたいことを、大事に、大事にに胸の中にしまっている。
ねぇ、キーちゃん。
僕みたいに、大事にしまっていたら、失くさなかったかもしれないのにね。
『第2回トラウマ戦争』で、幼馴染みの愛川の能力によって死亡し、無念のリタイアです。
霧崎優人の能力は、武器召喚系能力で、カードを鋏に変えて対象物に攻撃します。
中々の切れ味を持っており、力を入れてちょっきんすれば、首くらい余裕で軽く飛びます。
とは言っても、霧崎は運動神経がそこまで良くなく、使い慣れていない武器のため、成功率がかなり低いです。
鋏の大きさを変えると、更に成功率が下がります。
愛川 キヨ
十宇良高校に通う高校2年生の女子生徒。明るい性格で、ツインテールがチャームポイント。
国語担当の新任教師、夏目国哉に恋をしているが、毎回のように振られている。少しでもアピールをしようと、たびたび告白の手紙を書いては送っているが、すべて処分されている(と本人は思っている)
ある日、しつこい告白をやめさせようとした教頭の指示により、目の前で告白の手紙を破られる。それが心の奥に傷をつけ、本人の気付かないうちに「トラウマ」となった。
でも先生に恋する気持ちは全く消えない。めげない超ポジティブシンキング女子。
自分の「トラウマ」は、能力を発動して初めて気が付いた。
成績:下 好きな人:夏目国哉
(愛川キヨの下描き)
第2回トラウマ戦争の被害者キャラです。幼馴染みの霧崎優人に殺害されそうになります。
今回のシナリオでは、プレイヤー達に助けられ、無事トラウマ戦争を生き残りました。
鈍感そうに見えて、実は幼馴染みの霧崎優人が、昔から自分に好意を寄せていることを何となく気づいています。でも別に好きだとも言われないし、自分はこのまま幼馴染みの関係を続けていくほうが楽だ。と考えており、好意に気付かないふりをしてなあなあで済ましています。
高校生になって国語教師の夏目国哉を好きになり、それを幼馴染みに報告すると、応援してくれたので自分のことはもう好きではないのだろうと自己完結して、恋に走る。
結果、霧崎に殺されそうになり、トラウマ戦争終了後、幼馴染みの好意にちゃんと向き合うべきだったと後悔。
幼馴染みの好意と言う名の優しさに甘えがち。
『トラウマカード』愛の処分者
5連敗?まだまだこれから。10連敗?余裕余裕。
15連敗。挫けるもんか。20連敗。まだ慌てるような数字じゃない。
25連敗達成。大丈夫?ちょっとやばい。28連敗。そろそろ限界かも・・・。
29連敗もしたら、もう絶望的?
「むしろ5連敗した時点で、その絶望を感じるべきだったよ」
と目の前の幼馴染みは言う。
「いい加減にあきらめたら?」
「大丈夫!今度こそ上手くいくはず!」
なんたって今回のは自信作だからね!いっつも自信作だけど!
幼馴染みは、自信満々な私を呆れた目で見て、言う事に欠いて「30連敗目になる前に、やめておいた方がいいと思うんだけど」なんて言いおる。
全く失礼な。あ奴はいつからあんなに生意気になったのかね。
結果発表。
振られました。ただいま30連敗で記録更新。しかも手紙破かれました。
私の3時間20分の努力の結晶があんな一瞬で・・・ビリビリバラバラ。いくらポジティブな私でも、さすがにしょげる。
机に突っ伏して意気消沈してたら、幼馴染みに心配されてしまったのか、休み時間に声をかけられた。
この分だと、私が先生に振られちゃったことも既に察せられてるかもしれない。
「キーちゃん、大丈夫・・・?」
ああ、やっぱり優君は、昔から変わらない。
ちょっと生意気になったけど、優しいところはそのまんま。私が落ち込んでたら、慰めてくれて、愚痴を聞いてくれる。そんな私の幼馴染み。
そして私は、その優しさにずっと甘えてる。
でもそろそろ、それも止めなきゃいけないのかな。
「ん~っ!」
ばっ、と勢いよく顔を上げる。
いきなり頭を上げたので、ビックリしている優君に、私はニッと笑って見せた。
「大丈夫ッ!」ブイサインピースのおまけつきだ。
「そう・・・?ならいいけど」少し釈然としないような顔をしながらも、優君は頷いてくれた。
今は・・・優君に甘えるのは止めておこう。
優君に甘えることが、優しさにつけ込むのと同じ事だって、本当はもう分かってるから。
ごめん、優君・・・。今まで酷い事たくさんして。でも、これからも酷いことするかもしれない。
こんな事考えてるって知られたら、嫌われちゃうかな・・・。
って、いかんいかん!なんかこれ、いつもの私らしくない。
暗い考えを振り払うように、頬をペチーン!と叩いて気合を入れる。
「いよっし!優君、私決めたよ!」
「なにを、いや、やっぱ言わないで。嫌な予感しかしないから」
「私は絶対あきらめない!次の目標は、目指せ!60連敗!だよ!」
「あぁもう!言わなくていいって言ったのに・・・うわぁ聞きたくなかった。しかも趣旨が何か変なところに飛んでるし、目的が違くなっちゃってるし」
ぶつぶつと呟いた後諦めたように溜息を吐く。
そして。私の幼馴染みは、困ったような笑い顔をしていつもの結論を出した。
「本当にキーちゃんは、前向きだなぁ」
そう。何があったって、明るくピース。それが私なのだ。
「で、優君。次の授業何だっけ?」
「・・・・国語」
おぅふ。
第2回トラウマ戦争で幼馴染みに命を狙われるも、見事生き残ることができました。
愛川キヨの能力は、人外召喚系の能力で、空中に巨大な手を召喚して、目の前の敵を掴み引きちぎります。
召喚された左手首には夏目先生が着けている時計と同じものが装着されており、そのためか本人は召喚された手の事を、先生本人と考えて勝手に親しみを持っている。
攻撃方法は、夏目先生に手紙を破られてしまった時のイメージから来ています。
しかしイメージが貧困なせいで、掴む、ちぎる以外の行動を起こすことができません。例えば、パンチさせるなどの応用がきかないということ。
純粋な攻撃力としては今のところ一番高いかもしれませんが、仮にもクラスメイト相手に手加減できないのは辛い・・・下手したら新しいトラウマ作りかねない。
しかし本人は、きっと何かの役に立つ、と信じて疑わない超前向き思考。結果的に幼馴染みを掴んだり引きちぎったりするのに役立ちました。
~彼らは合流できるのか?「割と俺らどうでもいい存在だよな・・・」後の展開~
愛川と一緒に電気室を逃げ出した穂野村空馬は、他プレイヤーと合流し、愛川を匿う組と、電気室に向かい濵町に協力して霧崎を倒す組とに別れました。
その時の皆の行動はこのような感じです。
穂野村:愛川を匿うため、女子委員長の古倉と一緒に、赤星たちのいる3階の音楽室に移動。
占部・正義:委員長の宇都宮と一緒に、電気室へと移動し戦闘に参加。
黄金医:即戦力を連れてくるため、体育館にいる留学生ペアを呼びに移動。
赤星:穂野村たちと合流するために、音楽室にいる皆と一緒に1階へ移動。
その後は、プレイヤー達の活躍により、多少の傷は負ったものの、霧崎にあと一歩で倒せるというくらいのダメージを与えることに成功。
一方その頃、階上に移動しようとしていた穂野村達は、階上から下りてきた赤星たちと合流。愛川を無事に匿えると思ったが、その愛川が突然、
「やっぱり、私だけ逃げるなんてできない。優君は私の幼馴染みなんだから、私が殺し合いを止めさせないと」
と言い出し、周りの制止も聞かずに階段を下りて電気室に向かって行ってしまう。
留学生ペアを呼びに行った黄金医は、体育館から戻ってきたときにちょうど愛川が電気室に入っていく場面を目撃。
勢いよく電気室に飛び込む愛川。
しかし中では、ちょうどタイミング悪く、能力を発動した濵町のナイフが、霧崎の胸をえぐり、とどめを刺したところだった。
絶叫する愛川。「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなん」と言う言葉を繰り返し、その場に座り込む。
霧崎はそのまま死亡するかと思えたが、委員長の宇都宮が、かすかだがまだ息をしていることを確認。
黄金医が霧崎に『応急措置』を施して、何とか一命をとりとめる。
「う・・・」
呻き声を出して、目を開ける霧崎。ほっとするプレイヤーとNPC達。
しかし、ここで『聞き耳』に成功した占部が、何かぶつぶつと、誰かが呟く声を聞く。
「何とかしないと何とかしないと何とかしないと私が何とかしないとしないとしないと」
よく見ると、床に座り込んでいる愛川の右手には、何かが握られている。
それは、愛川の『トラウマカード』だった。
異変にいち早く気付いた占部が、慌ててそのカードを取り上げようとするが、既に手遅れだった。
「『ラブ・シュレッダー』『ラブ・シュレッダー』『ラブ・シュレッダー』『ラブ・シュレッダー』『ラブ・シュレッダー』『ラブ・シュレッダー』・・・・・」
虚ろな目で能力名を繰り返す愛川。
次の瞬間、電気室には、愛川が能力で出した、無数の巨大な手が、空中を埋め尽くすように浮いていた。
そこにあるものを、手当たり次第に掴んでは壊していく巨大な手たち。
教室にいた者たちは、全員慌ててその場から逃げ出した。
しかし、愛川と、霧崎の二人が残されたままだ。
教室に残された霧崎は、呻きながら立ち上がると、
「汚い手で・・・キーちゃんにに触るな・・・」
と言って、無数の手たちに能力で出した、巨大な鋏を振り回して、錯乱しながら突進していく。
最初は寄ってくる手を跳ねのけていた霧崎だが、もともとボロボロの体だったので、すぐに捕まってしまい、空中に持ち上げられ、根元から右腕を引きちぎられてボトリと床に落下する。
血だまりの中で、淀んだ眼のまま横たわる霧崎。
「嫌だ・・・やだ・・・忘れたくない・・・」
涙を流しながら残った左手で床を引っ掻いてもがくが、もう既に、それも力が入っていない。
しばらくして、その手も止まった。
「ごめんね、キーちゃん・・・せっかく書いた、大切な、手紙、だったの、に・・・・」
霧崎は最後にそう言うと、ゆっくりと眼を閉じた。
「帰りたい・・・」
ポツリ、と、誰かが呟く声が聞こえた。
次の瞬間、周りが闇に包まれていき、夢の世界が崩壊していく。
プレイヤー達が目覚めると、そこは自宅のベッドの上だった。
第2回トラウマ戦争の終了
~その後~
土日の休みが明けた後、愛川キヨが元気のない姿で登校してくる。
霧崎は、やはりトラウマ戦争のことは忘れているらしく、いつもと変わらない様子で愛川に接している。
愛川は、それに対してぎこちなく会話をしている。
事情を知るクラスメイト達はそれを見て、揃って微妙な表情をしている。
昼休み。
中庭に行くと、一人でお昼を食べている愛川キヨがいる。
正義が話しかけ、話を聞く。
「優君は・・・なんで私を殺そうとしたんだろう・・・私のこと、ほんとは嫌いだったのかな・・・」
その言葉に憤慨する正義。
「何で・・・何で気づかないんだよ・・・!」
「え?」
「霧崎は、お前を嫌いになったんじゃない・・・その逆だ。ずっと、ずっとお前のことを好きだったんだよ!」
「・・・・・」
「わかってやれよ・・・アイツがしようとしていたことは、確かにすごくひでぇことだけど・・・嫌われてるなんて、思い込んで、楽な方向に逃げんじゃねぇよ・・・!」
「・・・・・・知ってたよ」
「・・・は?」
「何となく気づいてた。優君が、私のこと好きなの」
愛川はいつもの明るい笑顔ではなく、困ったような、泣きそうな笑い顔で正義を見上げた。
「だったら、何で・・・!」
「今の関係を壊すことが怖かったから。私は、優君のことを幼馴染み以上に見ることができなかったから。」
言葉をつづける愛川。
「優君に『好きだ』って言われちゃったら、もう仲のいい幼馴染みでいられない。だから、気づいていたけど、気づかない振りしてた。でもそれを続けるのも、もう時間の問題で」
愛川の頬を、涙が一筋流れた。
「高校生になって、新任の夏目先生を見て、「ちょうどいい」って思ったんだ。私が優君の気持ちに気が付かない振りをして、敵わない恋愛に夢中になっていれば、優君は私を諦めてくれると思った。実際、優君は私の恋を応援して、優しいただの幼馴染みに戻った。私の思い通りになった」
「ま、待て・・・。お前、夏目先生の事、本当は好きじゃなかったのか!?」
愛川は苦笑して首を横に振った。
「好きっていうのは本当だよ。少なくとも去年の冬からは。最初は、都合のいい先生だと思ってたのに、毎日接するうちに、いつの間にか好きになっちゃった。何でかな、優君のことは好きになれないのに・・・優君の事を好きになることができたら、全部幸せだったかもしれないのに・・・」
「・・・・・・」
「結局ね、優君に嫌われたくなかっただけなの。優君に軽蔑されちゃったら、優君は私から離れて行っちゃう。私は、ずっと、ずっと・・・これからも、仲のいい幼馴染みのままでいたかった・・・」
黙って愛川の話を聞く正義。
「ありがとう、正義君。話聞いてくれて。これ、お礼に貰ってくれる?」
愛川は懐から、何かを取り出した。レターセットのようだ。
「手紙を書こうと思って、新しく買ってたんだけど・・・・もう、書かないと思うから・・・もらってくれるかな?」
正義はレターセットを受け取った。
「私ね・・・先生に迷惑がかかってるのも、本当は知ってたんだ・・・それを知ってて手紙を出し続けてた・・・。私、ホントにずるいことばっかしてたよ。で、その結果がアレ」
「罰が当たっちゃった」
涙を流して、無理矢理笑顔を作る愛川。
「・・・馬鹿野郎。お前ら二人とも、とんだ大馬鹿野郎だ」
「うん・・・そうだね」
愛川は、泣きながら答えた。
愛川がその場を去り、正義一人が中庭に残される。
「・・・お前らは。きちんと、向き合うべきだったよ。変に意地を張って隠し事なんかしないで、腹の中のモノ全部さらけ出すべきだった。それで気まずくくなったて、またやり直せばよかったじゃねぇか・・・。お前らが大事にしていた幼馴染みの関係って言うのは、そんくらいで壊れるものじゃなかったはずだろ・・・」
もう既に見えない愛川に向かって、正義ポツリ、ポツリと独り言を漏らす。
「だってお前らは、お互いの事を凄く大事に想ってたんだから」
昼休みが終わり、中庭には誰もいなくなった。
このおかしくて気が狂いそうな非日常は、まだ続いていくのだろうか。
~end~
なんかダイジェスト小説みたいになりましたね(笑)。
今回は、愛川キヨ生還、霧崎優人失格endとなりました。
一応いくつか分岐があったので、紹介しておきます。
愛川キヨ死亡endの場合
霧崎「これでキーちゃんはずっと僕のものだ・・・・」
霧崎が愛川キヨに巨大なはさみを突き立てて、夢が覚める
あれから愛川は先生に告白するのをやめた。ラブレターを書く姿も、見なくなった。
愛川に「手紙を書くのやめたの?」と聞くと、「なんのこと?」と返される。
他のクラスの人たちは不思議がっているけれど、うちのクラスのほとんどは事情を知っている。
あれから、愛川の横にはいつも霧崎が横にいる。穏やかに笑っているけれど、目が笑っていないように見えるのは・・・ただの気のせいだろう。
探索者が生存している場合、ゲームは続く
霧崎優人は次回のトラウマ戦争から、隠れてやり過ごすようになる。もし遭遇した場合、問答無用で能力を使用してくるので、協力は不可能となる。
探索者全員が死亡している場合、ゲームオーバー。
様子のおかしなクラスメイト達を不思議に思いながらも、いつもと変わらない日常を過ごす。
今回のシナリオでは、愛川と霧崎のどちらかが死ぬか、どちらも死ぬendしか考えていなかったのですが、もし最後に霧崎が愛川の能力暴走で殺されなかったら、夢から抜け出したいクラスメイトの誰かに、弱っている状態のところを殺される、というendになっていたかもしれません。結局誰かが死んじゃうのね。
愛川の能力暴走の原因は、愛川の発狂の症状にあります。愛川は能力を暴走させたとき、同じ言葉を繰り返す、多弁症に陥ってました。それでSP(精神ポイント)を使い切るまで能力を無意識に発動しまくり、あの惨状になりました。
GM的には、クラスメイト同士で誰を殺すか揉めるという展開をやる手間が省けたので、クラス内がギスギスしなくて済んだ、一番いいendだと思います。
因みに、このシナリオをプレイする際、NPCを覚えやすくするために下描きしていたキャラクターの下描きをネタバレにならない部分だけを切ってプレイヤー達に見せています。
因みに、白石の下描きもあります。
(白石葉の下描き)
以下はプレイヤー達に見せた、NPCの下描きイラストです。
GM:キャラクターの名前は、それぞれそのキャラの性格や、過去などに合わせて考えています。
黄金医:死んだ人で挙げると、「白い歯」とか切り裂きとか。
GM:ああ。それは、白石 葉=白い石=歯 葉も=歯で霧崎=切り裂きで考えた名前。
黄金医:読みも白い歯だしね
GM:それは今はじめて気づいたwww
黄金医:おいGMwww
赤星:それと、大人し い=音梨 い。籠目 → 鳥籠。とかもね。
占部:キャラの能力名前から判別できなくもないのかな。
黄金医:僕は黄金の医者。
GM:黄金医君の名前は黄金医君自身が自分で名前考えたやつだよ。
黄金医:そうだよ(便乗)
占部:正義英雄といい名前でキャラ表してるの多いな
穂野村:名は体を表すとはこのこと(・∀・)
GM:正義さんも自分で考えた名前使ってるよ。それに赤星さんも。
占部:PLも同じ思考ということですね!
赤星:楓も本当は由哩とかにしようかなと思ったんだけどね。しなかった理由は幼女ではなかったから。
GM:やっぱ解かりやすい名前つけたいよね。
占部:覚えやすい気もするしな。
~第2章が終了して~
プレイ時間が軽く6時間超えたセッションでした。
以前に比べると、大分余裕を持ってGMができたなぁ、と思います。
アドリブが苦手なので、NPCの会話は沢山用意しておいたのが今回は吉となりました。
しかし、基本的にプレイヤー達が単独で行動するので、一人が探索している時は、他プレイヤーが暇になってしまうは何とかならないものか・・・。
後は、NPCのステータスも準備しておけばよかったです。意外とステータスって必要ですね。ホント、いくら準備しても足りることはありません。
今回は、ついに初のトラウマ戦争ができました。皆楽しかったようで、また殺し合いパートやりたい、と言ってくれました。
殺し合いが楽しいとか少し不謹慎かもしれませんが(笑)GMもやってて楽しかったです。
後は、グダグダになってしまうのを避けるために、日常パートと、殺し合いパートを分けてプレイするかどうかが悩みどころです。
2章が終わり、今後も殺し合いが続いていきますが、ここでこのリプレイ小説の更新は終了となります。
今まで読んでくださった方、ありがとうございます。趣味で始めた駄文ですが、皆さんのお暇つぶしとなったら幸いです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!