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第5話


「先日発生した殺人事件に新たな動きです」

「……」


 それを知ったのは偶然つけていたテレビのニュースでだった。


 基本的に世間で話題になるニュースは「スマートフォンのトップニュースを見ていればとりあえず世間から取り残される事はない」という事を彼女は経験上分かっていた。


 その為か彼女が知るニュースはもっぱら全国ニュースばかりで地域のニュースはほとんどない。


 一人暮らしをする前。それこそ学生時代は実家にいたのだが、その時は部活動には入らずに帰宅部だった事もあり、家に帰るといつもテレビではニュースが流れていた。


 だからまぁ、自然と目にしていたと言う方が正しいかも知れない。


 しかし、一人暮らしを始めるとこうしたニュースは見なければ分からない。


 そもそも就職して一人暮らしを始めると、帰宅時間はちょうど世間で言うところの一般家庭が夕食を終えたくらいのタイミングというのもあるとは思う。


 そんなタイミングで放送しているのはそのほとんどがバラエティ番組だ。


 朝にもテレビのニュースは放送されているが、なにせ朝はバタバタしている事もあってかその内容はほとんど入っていない。


 それこそテレビでニュースはやっているというだけで彼女にはほぼほぼBGMと役割は変わらない。


 どちらかと言うと画面の上に表示されている時計しか目に入っていないと言うのが正直な感想だ。


 そんな日々を送っている彼女が「ニュース」を知るのはもっぱらスマートフォンのネットニュースの記事だ。


 こんな事を言ったら毎日真剣にニュースを伝えてくれているアナウンサーの方に申し訳ないのだが、速報の速さやら手軽さで言ったらどうしてもネットニュースには勝てないと彼女は思う。


 で、話は戻すと今回偶然知ったものが地域の小さなニュースだったのかと言うと……実はそうではない。


 しかし、それを知ったのは紛れもなく「テレビのニュース」だった。


「え、小野寺? 小野寺ってあの……?」


 最初は女性キャスターの口頭での説明のみだったので名字しか気付かった。


 最初こそ「ああこんな名字のヤツいたっけ。確か中学の時だっけ」くらいにか思っておらず聞き流していたいのだ。


 しかし、画面が切り替わって画面に書かれている「被疑者」として書かれている名前に彼女はものすごく見に覚えがあり、思わずその名字を口にしていた。


 それくらい彼女にとっては「驚き」しかない。


 だが、同姓同名の可能性はまだ残ってはいるが……。


「うん、きっと同姓同名だよ。うん……」


 そう言い聞かせて納得しようとしているのは自分自身だ。


 しかし、彼とは学生時代の付き合いで卒業式以来会ってはいない。成人式の時は彼女が熱を出してしまって参加すら出来なかった。


 それがまさかこんな事でまたその名前を見る事になるとは……あ、だからこその「驚き」か。


 しかし、気はなる。そんな悶々とした日々を過ごしている時に滅多に鳴らないスマートフォンが鳴った。


 その時、彼女は不意に思い出すのだ。


 こういう時というのは……その大体が自分の想像したものの逆を行くという事を――。


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