第5話 能力を把握しよう
短編系です。次回も同じような感じです。
「能力を把握したい。」
幻想郷に来てから3日目。魔理沙の来訪イベントを終え、キョウは自身に身についた能力のことについて考える。
「そうね。ここで生きていくためにはまずそれをするのが1番いいわ。自分が何を出来るか、どのくらいが限界なのか。それを知るに越したことはないわよ。」
そう話すのは、博麗 霊夢。キョウを人喰い妖怪から助け、神社に匿ってくれたチート巫女である。
「限界ならもう分かってる。一度に出せる鏡の枚数は3枚。時間経過で回復する。クールタイムがどんくらいかは計らねぇと分からんが。」
「じゃあ、それから計りましょう。」
「もうやってる。」
「?」
「さっき魔理沙を助けた時に鏡3枚出しただろ?あん時からずっと頭ん中で秒数数えてんの。」
「はぁ?そんなんやってもどっかでズレるわよ。」
「ズレない。秒読みには自信があるんでね。ストップウォッチで1分頭ん中数えて押した時の記録60.001だったし。」
「『すとっぷうぉっち』ってのは分からないけど、貴方も随分化け物だってことは分かったわ。」
「俺はお前らに比べたらかなり人間してると思うが.....……!」
「どうしたの?」
「能力が復活した。どうやら3枚同時に復活するっぽい。クールタイムは30分か。長ぇな。」
「まぁ妥当じゃないかしら?能力が強くなる可能性だってあるし、話を聞いた限りそのままでもかなり破格の性能をしているしね。」
「...あれ?もう1枚出せた。」
「言ったそばから...。やっぱり外来人って皆そうなのかしら。」
「皆?」
「前にも外来人を保護したことがあるのよ。そいつの能力もかなりぶっ壊れだった覚えがあるわ。その外来人は幻想郷にはもう居ないけど。」
「居ない?死んだのか?」
「いいえ。帰ったのよ。」
「外の世界にか?」
「ええ。証拠隠滅の為に記憶と能力を消して。」
「んな事出来んのかよ...」
「私じゃなくて知り合いの妖怪ができるのよ。」
「なるほど……って何だよそれ!!そんなことできるバケモンが幻想郷に居んのかよ!」
「居るわ。だから言ったでしょう。『気を抜くと死ぬ』って。」
「マジか...」
そんな会話をしていると、
「霊夢〜。そろそろ---」
「ああ分かったわよ!!ほら!」
「お、これこれ。やっぱ持つべきは気のいい友人だよな!」
魔理沙が霊夢に和菓子をねだっていた。
「お金払ってよね。」
「嫌だぜ。」
「弾幕ごっこで負け、神社を荒らしていったのはどこの誰かしら?」
「ちぇっ。仕方ないのぜ。ほら。」
「分かればいいのよ。」
お金を受け取った霊夢は上機嫌そうにそう言った。
その時、キョウは霊夢に前から気になっていたことを質問した。
「っつーか、名前が『鏡』だから能力も鏡ってか?短絡的過ぎねぇ?」
「バカね。古来から『名前』には力が宿るって言われているのよ。」
「ああ、そういう感じね。」
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「能力の詳細が分かった。
・光と魔に関するものを反射できる、物量を伴う鏡を最大4枚(今後増える可能性大。)出せる。
・クールタイムは30分(今後減る可能性あり。)
・鏡は半径10m圏内なら自由に操作可能。(今後範囲が広まる可能性あり。)
・鏡は大きさを上限面積25㎡、下限面積25cm²として自由に変えられる(今後上限、下限共に広まる可能性あり。)
っと、今はこんな感じだな。」
「随分と早かったわね。」
「まぁ試すことは決めてたからな。」
「キョウ〜。八卦炉はいつ直してくれるんだ〜?」
「もうちょっと待ってくれ。今行く。」
「よっしゃ!!」
魔理沙はガッツポーズをすると、
「キョウは魔法使いの才能もある。適正を見てやるぜ。」
と言った。
「ありがたいが、どうやって見るんだ?」
「それ用の魔法を使う。こっちに来てくれ。」
「了解。」
キョウは短く答え、境内に向かった。
能力の説明回です。次回は魔法講座・八卦炉修理。
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