第2話 『切り札は見せるな、見せるならさらに奥の手を持て。』
フラン戦続き。全スペカ使うのでまだまだ続きます。
「禁忌『クランベリートラップ』」
フランドールとの遊びが始まってすぐ。フランドールは、キョウ達3人に向かってスペルカードを放つ。
しかし、これはただの弾幕ごっこではない。気を抜けばフランドールに破壊されてしまう。
前にレミリアに殺されかけたことがあるキョウは、それを強く実感していた。
(その名の通り、クランベリーみたいな弾幕が襲ってくるスペルカード……。これなら鏡で弾ける…!)
「えーい!!」
パリーン!!
「割るなよ!?」
「あははははは!割れちゃえ割れちゃえ!!」
「まぁ、割れた破片を使えるからいいけど。」
キョウはそう言うと割れた鏡の破片を集め攻撃を防ぐ。
「お兄さんすごい!」
「これで終わると思うなよ!咲夜、いけるか?」
「はい。問題ありません。何時でも。」
「んじゃ、アレ頼むわ。」
「了解しました!!」
「メイド秘技『殺人ドール』」
咲夜が大量のナイフを投げる。そして-----
「鏡符『リフレクトスパーク』」
キョウがレーザーをナイフに向かって放つ。
レーザーはナイフの鏡面に当たり跳ね返る。そして、フランドールに当た---
「禁忌『レーヴァテイン』」
る前に、フランドールがスペルカードを発動。炎の剣のようなものを持ち、ナイフとレーザー諸共、一太刀で切り伏せてしまった。しかも、
「おわっ!?斬ったとこに弾幕が出てくるとか、反則だろ!」
「弾幕跳ね返せる貴方が言います?それを!」
さっきまで空気だった美鈴が炎の剣を素手で相手している。
(熱さは『気』で防いでんのか!!つーか『レーヴァテイン』って北欧神話かよ!)
「私だって紅魔館の門番ですからね!門壊されて無いですけど!」
「華符『彩光蓮華掌』」
美鈴が弾幕と共に発勁を放ち、フランドールの炎の剣を押し返す。
「むぅぅ…これもダメかぁ…。それじゃあ…次はこれ!」
「禁忌『フォーオブアカインド』」
(あ?ポーカーの役?)
キョウがフランドールの出したスペルカードの名前に疑問を抱いた瞬間。
フランドールが4人に分身した。
(そんなのありかよ!?ってかそういう事かよ!)
ポーカーで言うフォーオブアカインドは4枚同じカードを揃える役である。
「ぐっ!?」
先程までフランドールのレーヴァテインを防いでいた美鈴が4人のフランドールの攻撃に直撃してしまい、後ろに吹っ飛ぶ。
「間に合え!!」
「ごぼっ!?」
それに気づいたキョウは水魔法を発動。
水魔法で美鈴が壁に衝突する衝撃を抑えたのだ。
…………溺れてないか心配だが。
「げほっげほっ…。うう…助かりました。」
どうやら無事のようだ。
良かったと思い前を向くと、
4人のフランドールがそれぞれの掌を開き、握ろうとしていた。
まるで何かを壊すように。
「っ!!ヤベぇ!!」
キョウは鏡で身を守るが---。
「「「「キュッとして…ドカーン!!!!」」」」
辺りが爆発に包まれる。
「キョウ!!」
時間停止で範囲外に逃れた咲夜がキョウの名前を呼ぶ。
返事は---返ってこない。
煙が晴れ、辺りの視界が良くなってくる。
先程までキョウのいた位置には、誰も居なかった。
「あれ?1人壊れちゃった?」
フランドールが少し残念そうに言う。
「そんな…キョウさん!!」
近くに居た美鈴が叫ぶ。
美鈴の周りには、破壊された鏡の破片が大量にあった。キョウはありったけの鏡を出し、美鈴を防御したのだ。
「美鈴!気を抜くのは許しませんよ!」
咲夜が美鈴に呼びかけるが、元気が無い。
それもそのはず。キョウは、自身が敬愛するレミリアの為に日焼け止めを作ると約束してくれたのだ。
異変の際はレミリアに致命傷とも言える一撃を打ち込み、怒りでどうにかなりそうだったが、それはレミリア自身によって許されている。
「お嬢様が言うには、日焼け止めは完成してるとの事です!それよりも今は妹様に集中して下さい!!」
咲夜はキョウが死んでも悲しむことは無い。まだ交友もあまり無いし、そもそも敵同士だったので当然のことである。しかし、主の為になる日焼け止めが無くなるのは、流石に堪える。
「キョウさん…いや、私は信じます!」
美鈴はその点、咲夜よりもキョウに信頼を置いていた。
きっかけは異変の時。自分が勝てるわけないと思えるほど強大な存在であるレミリアを倒してしまったからだ。因みに、その後の宴会でも麻雀をしたりして交友を深めていたりする。
紅魔館組でキョウが一番仲がいいのは、契約相手のレミリアか美鈴だろう。
そんな美鈴だからこそ、キョウの生存を信じられた。
そして、その声に応えるように、
『あっぶな!!マジで幻想郷に来てから一番ヤバいと思ったわ…。』
どこからかキョウの声がした。
「キョウさん!!」「キョウ!?」
美鈴は喜び、咲夜は驚いた。
ちなみにフランドールはと言うと、
「お兄さん!!やっぱり壊れてなかった!」
喜んでいた。まだ遊べるという事実に。
『いやもうこんなん懲り懲りなんですけど。』
「どこに居るんですか!キョウさん!!」
『あ゛…ちょいとばかり説明しにくいけどよ…どうやら俺、鏡の中に入れるらしいんよね。それでギリ回避出来たってわけ。切り札だから、あんまし使いたくなかったけど。』
そう言ったのは、割れた鏡の破片。その中に、キョウの姿が映っていた。
『さて…と切り札その2だ。分身は俺も出来んじゃねーかなって今思ったんだけども…」」
鏡から出てきたキョウが2人に分身して言った。
「「この能力思った以上に万能だわ。」」
「鏡符『ツインリフレクトスパーク』」
「「扱える鏡の数は増えねーけど、レーザーと物理攻撃は2倍だ。ついでに声の音量も2倍だ。分身する為に鏡を1枚使うが、残ってた最後の1枚でなんとか。」」
「じゃあストックは…」
「「0。回復まで、後5分と4秒95くらいだな。後、この分身は本体の線対称の動きしかできねぇみたいだ。今はこの分身と割れた鏡の破片で何とかするしかねぇ。」」
と美鈴と話していると、対称性を持つレーザーが、フランドールに命中する。
「「キャッ!!」」
どうやらその2人はハズレのようで、すぐに消えてしまった。
「「クソ!4分の1くらい1発で引けよ!」」
「今のキョウさんに1発は物理的に無理だと思いますが!」
美鈴がキョウにツッコむ。
「「兎に角だ!今はこの分身を何とかしねーと!」」
「承知しております。」
「幻在『クロックコープス』」
咲夜がスペルカードを使い、姿を消す。次の瞬間、2人のフランドールの内一体が消えた。
「申し訳ありません。ニブイチ無理でした。」
「「若干砕けてますけど!?後俺ら運悪すぎねーか!?まぁこんなことしてる時点で分かりきってはいたけど!!」」
「あははははは!お兄さん達面白〜い!!じゃあ次行くよ!まだ壊れないでよね!」
フランドールはニヤリと笑うと、次のスペルカードを使った。
「禁忌『カゴメカゴメ』」
黄色や青等の色とりどりの弾幕が、迷路上になって襲いかかる。
「「悪ぃ。これ線対称の動きで避けれる気がしねぇわ。」」
そう言った瞬間、キョウの分身が弾幕に当たって爆散した。
「…。なぁ…フランドール…後スペルカードどんだけあるんだ…?」
「?後6枚くらい作ったよ!まだまだ遊べるね!」
「ᐟ( ˆᵒˆ )ᐠ オワタ」
悪魔との遊びは、まだまだ続く。
咲ゆき:サラッとキョウの新能力出すのやめてもらっていいですか。
NOVE:しゃーないやん。あんなんしないとフランの攻撃避けれへんし。
咲ゆき:あの、普段使ってない関西弁使うのやめてもらっていいですか。不愉快です。
NOVE:_:( _* ́ཫ`):_(精神ダメージ)
咲ゆき:後、タイトルと話数が某慎重な勇者と被ってるんですけど。これ怒られません?
NOVE:これに関しては全くの偶然。あとこのセリフって某霊界探偵の漫画の引用なんよ…。
咲ゆき:どちらにしろ怒られそうなので死刑です。
NOVE:ᐟ( ˆᵒˆ )ᐠ オワタ
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