第1話 悲報:これで異変は終わり(と思っていたのか)※終わってなかった!?
ネタ多め注意報出しとこ。
「レミィ、紅魔館の地下の封印が危うくなってるわ。このままじゃ……」
ある日の紅魔館のレミリアの部屋でのこと。突然パチュリーが駆け込んできた。
「分かってるわよ。全く、こんな時に外に出て欲しくないのだけれど。」
そう返すのは紅魔館の主であるレミリア・スカーレット。
「とりあえず、レミィ、貴方は逃げなさい。私は水の流水で紅魔館を囲うから。」
「……。仕方ないわね。……!」
「!」
2人は一斉に、背筋に冷たいものが走るのを感じた。
「来た……!」
「レミィ!早く逃げて!」
「……。あの男なら……!!」
レミリアはつい最近自分を叩きのめした男のことを思い出していた。あの男なら、これを何とか出来るかもしれない。
「博麗神社に行ってくるわ。待ってなさい、パチェ!!」
「分かったわよ……。」
その時だった。
ドォォォォォォン!!という大きい音が聞こえた。見ると、紅魔館の1階で咲夜が何者かと対峙していた。
「あははははは!ねぇ咲夜!こないだ外で何があったの?教えてよ!」
「妹様。お教えすることは出来ません。お嬢様の命令です。」
「……。じゃ、壊れちゃえ!」
「!!」
何者かが手を握ろうとする。虹色の宝石を吊るした羽に、黄色い髪。そして瞳が紅い彼女の姿は、どこかレミリアに似ていた。咲夜は彼女の手が握られる前に時を止めて遠くへ瞬間移動した。
彼女の手が握られた瞬間---
ドォォォォォォン!!
辺りが突然崩落した。
「お嬢様!!申し訳ありませんが、私だけでは……。」
「分かっているわ。私でも、止められるかどうか怪しいもの。助けを求めるしかないわ。最近できた『万事屋』と博麗の巫女に。」
それほどまでに、彼女はヤバい。
「……。分かりました。足止めはお任せ下さい。死力を尽くします。」
「無理しないでよね。咲夜は私の大事なメイドなんだから。」
「勿体なきお言葉。」
「パチェ!!頼んだわよ!!」
「分かったわ!!」
紅魔館は、かつてないピンチに襲われていた。
――――――――――――――――――――――――
その頃。
「あ゛……やっとでぎだ……。」
『万事屋』こと泉 鏡はレミリアから頼まれていた日焼け止めを開発していた。
これが思ったより大変だった。
まず亜鉛がなかった。なかったので、魔理沙の家にあるものから借りようとした。
普通に断られた。
なので、弾幕勝負で手に入れようとした。
3回目でやっと勝てた。
(死ぬかと思った……。)
3回のうち、1回でも勝ったらというルールにして良かったとキョウは思った。
次に、配合する割合を調べた。
数百回失敗した。
(まぁ……これが科学の醍醐味だもんな……。それにしても、こんなに大変だとは思わなかった。)
最後に、レミリア自身に実験して貰った。
数回燃えかけた。
数回灰になりかけた。
(マジで大変だった……。まぁ、これで完成だな。さて、出発するか。)
キョウはレミリアに日焼け止めを届けようと、紅魔館に向けて飛び始めた。
紅魔館が爆散していた。
(……????????????いやいやいやいやいやいや、はぁ?なんで紅魔館が爆散してんだよ!爆散していいのはニ〇ニ〇本社だけだろ!)
と、考えている暇は無い。
(仕方ねぇ!全速前進DA!)
ちなみにキョウの頭は度重なる実験による寝不足で少しおかしくなっている。よって、頭の中にネットミームが流れていたりする。
(ん?何だ?うわっ!前からレミリアが!)
なんかレミリアが飛んできた。
「あ、キョウ!!ごめんなさい!!助けて欲しいの!!」
「ん?日焼け止めならここに……。」
「それは後でいいわ!今はそうじゃないのよ!」
「紅魔館が爆散してる件か?新しいラノベのタイトルかよ。」
「ちょっと何言ってるか分かんないけど……私の妹を止めて欲しいのよ!」
「あ?お前妹居たのか?」
「ええ。地下にね。」
「なんで?」
「危険過ぎるからよ。」
「もしかして、今紅魔館が爆散してるのもソイツが?」
「そうね。私の妹、フランドール・スカーレットは『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』を持っているわ。」
「なんだよそれ……。ザ〇スのトラウマか?」
「だから何よそれ……。」
「すまん。今若干頭おかしくなってんだわ。」
「なんでよ。」
「2日寝てない。誰かさんの日焼け止め作ってたから。」
「……ごめんなさい。」
(うん?待てよ……この流れ……。)
「まさかだけど、その妹を何とかして欲しいとか言わないよな?」
「………………………………………………そうよ。だって貴方の能力、対吸血鬼最強じゃない。あと、悪いけどこれは弾幕ごっことかでは無いわ。気を抜くと死ぬかもしれないし。」
(私はいつ休めるんでしょうかね?)
――――――――――――――――――――――――
数分後。渋々新たな依頼を承諾したキョウはレミリアから説明を受けた後、紅魔館へと向かった。
死のリスクを承知した上で依頼を受けた理由は、キョウの認識では既に紅魔館組は『仲間』だからである。単純に宴会が楽しかったのだ。
現実世界では友達が少なかったキョウにとって、『仲間』は特別な意味を持つ。
(吸血鬼は『流水』も弱点。だから、紅魔館をパチュリーが雨で覆えばフランドールは出られない、か。自分の種族の弱点をわざわざ教える……それだけヤバいってことだな……。)
紅魔館の近くに来ると、咲夜と美鈴が必死でフランドールと思わしき人物を止めていた。
(怪我が酷い……時を止めても避けられないのか?)
咲夜の時止めは、時間を完全に停止させ自分のみ影響を受けないというもの。しかし、それは科学的には有り得ない。空気中の分子や原子が固定されているせいで、自分も動くことが出来なくなるからだ。
そこでキョウは、咲夜の能力について1つの仮説を立てた。
『咲夜だけ時間の流れるスピードが異常に速い世界軸へと一時的に移り、何らかの力で(能力のせいだろうが)現実に干渉できる。』
しかし、フランドールの能力は『破壊』。
レミリアの説明によると、
『この世のありとあらゆるものには弱点のような『目』があり、それを掌に引き寄せ破壊する』
との事らしい。
つまり、咲夜が時間を止めても、その時間軸を破壊・もしくは隙を見て攻撃によって咲夜にダメージは通る。
実際、キョウは隙を見て攻撃することによって、咲夜を倒したことがある。
ちなみに、これは咲夜と戦った後に作った仮説である。戦っている時は、そんなことをする暇はなかった。
「咲夜!美鈴!手助けに来た!」
「「!!」」
キョウの呼び掛けに2人が反応し、キョウの方を向く。
フランドールはその隙を見逃さなかった。
掌を開き、握ろうとする。
「ッ!バカ!隙を見せ---
「それくらい、分かっておりますとも。」
「舐めないで欲しいです!」
フランドールが手を握る直前、2人が飛び退いた。
その瞬間、2人のいた場所が爆散した。
(!!避けれるんかい!『目』の移動はしないのか?それとも---)
「あー惜しい。もっともっと遊んでよ!」
(あの感じ……フランドールにとって、破壊=遊びの関係になっている気がする。だとすると……)
『フランドールは特定の『目』を引き寄せることをせず、辺り一帯の『目』を破壊している』
(これだ!あとは射程距離を知れれば今の俺でもやれる!)
「咲夜!フランドールの能力の射程って分かるか?」
「恐らく5m程だと考えられます。」
「充分!!」
キョウは目視で5mを図り、安置から攻撃を放った。
フランドールはそれを見ると、喜ぶ。
「わぁ!お兄さんも遊んでくれるの!やったぁ!」
それを見て、キョウは考える。
(勝利条件はフランドールを倒すことだけじゃない。彼女の言う『遊び』に彼女が満足すればいい!)
その時、フランドールが手を掲げた。
「禁忌『クランベリートラップ』」
悪魔の遊びは、始まったばかりだ。
読み返して「なぁにこれぇ」ってなりました(深夜テンションで書いてる部分が有りました)。こういうのも悪くないかと。また、この後(いつかは神のみぞ知る)書く予定の日常編はこういうノリです。面白いと思って下さったらお気に入り登録・ブックマーク登録お願いします。作者が狂うように喜びます。また、これからも『東方水鏡華』をよろしくお願いします。
万事屋……パロディ……〇魂じゃね……?
フラン可愛い(この世の真理)




