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東方水鏡華  作者: NOVE
STAGE 1:The Scarlet Devil.
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第6話 紅魔の吸血鬼VS鏡の外来人

吸血鬼って良いですよね……味方としても敵としても。ヒロインとかラスボスにもなるし。


「スペルカードは3枚。せいぜい足掻きなさい。」

「分かった。さっさと終わらせようぜ。」


キョウとレミリアの弾幕ごっこが始まった。


「鏡符『リフレクトスパーク』」

「紅符『不夜城レッド』」


キョウは、レーザーを反射させて当てる『リフレクトスパーク』、レミリアはオーラによって辺りを焼き払う『不夜城レッド』を選択した。

レミリアから放たれるオーラをキョウのレーザーが貫く。そのレーザーはレミリアに当たる---と思われた瞬間、レミリアが()()した。


「っ!?吸血鬼の能力か!!」

「当たりよ。私は霧や蝙蝠になれる。だから、貴方の攻撃は当たらない。」

「じゃ、これならどうだ?」


キョウは鏡の形状を変化させ、凹凸の入った鏡を作り出した。その鏡に当たったレーザーは、様々な方向に乱反射する。


「!!」


その中の1本が、レミリアを掠める。


「なるほど……咲夜が言うだけはあるわね……。」

「お嬢様!!」

「大丈夫よ。私はコイツには()()()()。そういう運命なのよ。」


(運命を見る、か……俺の勝ちは無いと?いや、能力の隙を見つけろ!!そんなチート能力だったら、自身を太陽が効かない無敵の妖怪に出来たはず!それが出来ねぇって事は何か条件か制限があるはずだ!)


「ふうん。やっぱり頭が回るようね。今能力で見たけど、貴方、私の能力に弱点があるって予想してるわね?」

「ああ。それさえ見つければ俺にも勝機があるってこった。」

「残念だけど、それは無いわ。」

「?」

「私の能力は、運命を()()()こと。操るなんて大層なこと言ってるけど、そんなに万能じゃないわ。でもね、貴方の運命は『私に負ける』って見ることは出来るわ。」

「……。」

「どうしたの?自分が勝てないって分かって絶望した?」


レミリアが聞くと、キョウが答えた。


「違うね。俄然やる気が出てきた。」

「っ!無駄な事を!」


レミリアが弾幕を放つ。するとキョウは銃を取り出した。


そして迷わず発砲した。

バァン!!という発砲音と共に、弾丸が発射される。弾丸はレミリアの弾幕に当たりかける。

その瞬間に、弾丸が爆発した。


ドォォォォン!!


「なっ!?」


レミリアの弾幕は全て掻き消されてしまった。

その隙に、


「!!居ない!」


キョウが透明化した。


「攻撃が来る運命が見えても、何処から来るか分かんなかったら避けれねーよなぁ!!」


キョウはレミリアの死角から弾丸を撃つ。

だが、レミリアは蝙蝠に変身し避けてしまう。


「神槍『スピア・ザ・グングニル』」


レミリアが2枚目のスペルカードを使い、辺り全体に槍の雨を降らした。


「クソっ!」


その内の1本がキョウを囲っていた鏡に当たり、鏡は割れてしまう。


(ストックは残り2枚!これ以上壊せねーぞ!……待てよ?割れた後も、能力が適用されるなら……)


キョウは咄嗟に、地面に落ちていた鏡の破片を浮かせようとする。すると、地面にあった鏡の破片が次々に浮き始める。


(これだ!)


キョウは鏡の破片をレミリアに向かって飛ばす。鏡の破片は尖っていて、十分な威力がある。


その内の1個が、蝙蝠を掠った。


「いっ……!!これは……銀!?」

「お嬢様!!」


その反応を見て、キョウは確信した。


(やっぱり吸血鬼は『銀』が弱点か!後はもう1つ……。)


「日符『お天道様の怒り』」


キョウは紅魔館の窓から漏れ出している日光を水玉と鏡で繋ぎ、1本の熱線を作った。


「これはっ!?」


日光の熱線を見て、レミリアが青ざめる。

吸血鬼にとって、日光は天敵。

ちなみに日光を凝縮した熱線なので、普通に殺傷能力も高い。


「……。なかなかやるわね……。でも、それもここまでよ!」


レミリアが手に持っていたグングニルを振り回し熱線を弾くと、キョウに向かって突進した。


「ヤバっ!!」

「死になさい!!」


キョウは咄嗟に鏡でガードするが、鋭い血の槍は鏡を貫通し---


「グッ!?」

「キョウ!!」


キョウの左肩を貫いた。


「ク…ソっ!!」


キョウは反射的に銃に込められた()()()を、レミリアではなく()()()()()()()()に向かって発砲した。

魔力弾は鏡に当たると反射し、他の鏡に当たって跳ね返る。


「チッ!!」


魔力弾のお陰でレミリアは追撃をやめ、キョウと距離を取った。


「はぁ……はぁ……。」

「キョウ!?大丈夫なのぜ!?」

「ギリ大丈夫だ……。クソ、マジで殺りに来てんな……。」


(残り1枚……マジでそろそろ限界だぞ…。奥の手を使いたいが、外れたら俺の負けだ!!能力がアンチ吸血鬼なもんで、いけると思ったが…ぶっちゃけ当たんなきゃ何にもならねぇ!)


「人間は脆いわ。槍で一突きするだけで大怪我になってしまう。さて、と貴方の血はどんな味かしら?」


レミリアは槍に付いた血を舐めとる。


「……。何これ……今まで飲んだことないくらいに美味しい……!!」


その姿は少女にしては妖艶で、レミリアが吸血鬼だということをキョウに感じさせる。


「敵じゃなかったら、きっと眷属にしていたところね……惜しい人を亡くすわ。」

「それ、亡くした時に使うんよ……って、『私が殺します』発言してんじゃねーか!!」

「あら。ダメだったかしら?」

「ダメに決まってんだろ!」


キョウはレミリアに向けて発砲する。次の弾丸は---


「!!」


閃光弾だった。

レミリアは咄嗟に目を塞ぐ。


「隙だらけだ!!」


キョウは()()()を使う。




「’銀の弾丸(吸血鬼絶対殺すマン)’だ!くたばりやがれ!!」

「!!」


弾丸はレミリアに当たる---と思われた瞬間、レミリアが逃げようと体を変身させる。


「させるかよ!」


キョウはダメ押しにレーザーを放つ。


「ぐううっ!!」

「!?」


レミリアはレーザーに当たりながらも、銀の弾丸を躱した。


(それほど当たりたくねーのか……。ちょっと良心が痛むが、仕方ねぇ!!)


その瞬間、銀の弾丸がレミリアに向かって()()()()()()


「!?!?」


レミリアの顔が絶望に染まる。


「銀の弾丸だ……俺の能力の範疇だと...()()()らしいな……。」


つまり---銀の弾丸は範囲内であれば自由に動かせる。

キョウはレミリアが範囲内まで近づくのを待っていたのだ。


そして-----


「ぎゃああああああああああああああぁぁぁっ!!」


銀の弾丸がレミリアの左腕に命中し、レミリアが絶叫する。


「お嬢様!?」


咲夜がすぐにレミリアに瞬間移動で駆け寄り、銀の弾丸を摘出した。


「はぁ……はぁ……。助か……ったわ……咲夜……。」

「あの男……よくもお嬢様を!!」

「止めなさい咲夜。私が油断したせいよ。」


レミリアの口調が戻っている。どうやら、咲夜がすぐに弾丸を摘出したので銀の影響を少し受けただけで済んだようだ。


「にしてもおかしいわね…。私は彼の『負ける運命』を見たって言うのに……。」

「ああ……それなんだが……。」

「?」

































「降参しまーす。」




























「は?」


両手を上げながらそう言うキョウに、レミリアは疑問を隠せない。


「いや、何でよ。まだスペルカードも1枚ずつ残ってるじゃない。」

「いや、約束の時間が来ちまってな?悪いが、()()()()()貰おうと思って。」


そう言いながらキョウが指差した方向には、霊夢の姿があった。

奥の手は銀の弾丸でした。キョウが1週間の間、要らなくなった鏡の塗装を剥がしまくって作った渾身の1発です。

よく考えると、キョウってかなり吸血鬼アンチの能力ですよね……。

「日符『お天道様の怒り』」の元ネタはご察しの通り「神〇怒」です。発動方法は違いますが。

面白いと思って下さったらお気に入り登録・ブックマーク登録お願いします。作者が狂うように喜びます。また、これからも『東方水鏡華』をよろしくお願いします。

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