どんちゃんと再びの猫の国
どんちゃんはある日、お城の裏庭にある不思議な森の中を歩いていました。いつもより少し遠くまで来てしまったどんちゃんは、見たことのない小道を見つけました。なんだか面白そうだと思い、小道に入ると、突然ふわっと風が吹いて、どんちゃんの目の前には見たこともない不思議な光景が広がりました。そこはまたしても、魔法の猫の国でした。
どんちゃんが猫の国に来て最初に気づいたのは、空の色がいつもと違うことでした。淡いピンク色の空が広がり、雲はふわふわとゆっくり流れています。「なんてきれいな空だろう!」とどんちゃんは感動しました。すると、猫の国のガイド役になったメルちゃんが現れて、「これは私たちの国の特別な空なのよ。夕方になると星が輝き始めて、もっと素敵になるんだから。」と説明してくれました。どんちゃんは、夜になったらまた違う景色が見られるんだ、とワクワクしながら先に進みました。
次にどんちゃんが歩いていると、足元の感触がいつもと違うことに気がつきました。道は柔らかい白い砂で覆われていて、歩くとふわふわして気持ちがいいのです。どんちゃんは思わずジャンプしたり、足をバタバタとさせたりして、その感触を楽しみました。すると、青い目をした猫のペッチが近づいてきて、「この道は優しい砂が敷かれた道なんだ。ここを歩くと落ち込んでいても元気が出てくるし、ふわふわしてるから足も疲れないんだよ。」と教えてくれました。どんちゃんは、優しい道は白くて牛乳みたいだから、きっと食べたら美味しいに違いない、と思いました。
どんちゃんが道を進んでいくと、周りに見たこともない色とりどりの植物が生えているのに気づきました。紫やブルーの葉を持つ木々や、虹色に光る花々が咲いています。どんちゃんはその美しさに夢中になりながら、木の近くでくつろいでいる猫たちに挨拶しました。怖がりのライトが少し緊張しながらも近づいてきて、「この国の植物は、猫たちのために特別に育っているんだって。ほら、あの猫の耳の形をした葉っぱ、あれは日差しを防いでくれるの。」と教えてくれました。どんちゃんはその葉っぱを見て、「本当に猫の耳みたい!面白いね!」と声を上げました。
どんちゃんがどんどん歩いていくと、いつの間にかいつものお城の裏庭に戻ってきていました。その夜、チルチルの部屋の窓から空を見上げたどんちゃんは、明日もあの猫の国に行きたいなと思いを馳せるのでした。
おしまい。