■ 08 綿花畑と塩田と
昨夜はお楽しみでしたよ?
塩田の下調べと準備のついでに昆布拾ってますが何か?
乾いてるのがそこらにあったら拾うだろ!若干まだ湿ってるけど!
後でちゃんと干して乾かしたい。わかめじゃないから昆布だろ?でっかいし♪
そんなこんなで1週間目を飛び越えて、ドラゴニアン達からは強烈な視線を浴びつつ、カルラと逃げて来たのがついさっき。
声丸聞こえだもんな!洞窟だもんな!扉に防音対策とかしてねぇわ!はっははーん♪
帰ってこないで羞恥心!
「アアっ!モウ!ハズカシいっ!」
カルラが両手で顔を覆ってもう大変って感じだ。朝方ヘロヘロだったけど……悪い。俺も調子乗ってたわ。
あの後も盛り上がってしまい、もちろん本番はしていないが俺の知識と経験すべてを費やし全力で!
いや、俺、誰に何を口走ろうとしてるのだろう?おちつけ。俺。
「部屋で休め……ないよなぁ……」
扉を開けたらハイテンションの女性連中が待ち構えていた。あの好奇の視線に囲まれる光景はもう見たくない。切実に!
作らねば……愛の巣を!……ん?
食料事情もさることながら、やはりプライベートな環境も整備が必要だ。
俺とカルラもそうだが、他夫婦のあれやこれやも……割と聞こえてしまう環境だった。
今までは当たり前の光景で、慣れに慣れ過ぎた狭すぎる群れ社会で生きて来たカルラ達。
隠れて行われたりは、もちろんしてきたんだろうが、俺とプリマの介入で、彼らの文化を崩壊させてしまったと言っていい。
平均寿命40歳以下が当たり前の世界か……10、15歳で成人扱いとか尋常ではないのは、俺が生きてた世界の基準だ。
いや、正確に言うならば成人という概念がない。男は更に若くても、女性も初潮があろうがなかろうが、一人で狩りが出来たら大人として扱われる感じだ。
肉体が老化し始めた時点で群れから離れるのか不明だが、今までどうやって種族が存続してきたのかイマイチわかっていない。
プリマの側で生活してればかなり安全だと思うんだが……
いや、あいつ動かないだけで何もしてないんだよな……放置主義というか放任主義というか……いや、生存競争に肩入れしてなかっただけか?
色々考えながら、プライベート事情をどうにか改善したいと只今迷走中。
何時もならべったりくっついてくるカルラは、自作の草座布団を引いてヘタっていた。
軽い日差しの屋根付き建屋を作った。田舎のバス停チックなものを建築。所要時間は、10分かかっていないが倒壊しそうにないなと自己満足。
いや、カルラに休んで欲しかっただけなんだが作り出すとどうにもなぁ……出来る事も多すぎるのが迷走を加速させているかもしれない。
一応完成した日差し小屋というか、休憩所的なものは後々なんにでも応用できるので、作り損ではない。
まぁ塩田候補地前に建てたので、何かしら道具倉庫にでもしてしまえばいい。
測量的な事もしといた方がいいかどうか、よくわからん。
建物がないが、基準を作っとけば、後々拡張なり道路なり、やりやすく……なるかな?
専門外というのは本当に手探りだが、割と楽しい。動画だけ見てたあの頃より、楽しく生きてるって気がする!
時々カルラの方を見ると、熱い視線がフイっと逸らされる。
好かれている、愛されている。でも恥ずかしくなってしまうって感じだろうか?俺もだから安心して欲しい。後でちゃんと伝えとこう。
恥じらいを知ったのか目覚めてしまったのかわからないが、非常に可愛く映るその行動に……嬉しさと居心地の悪さに悶える。
二度目の思春期か?俺の感覚に俺自身が戸惑っている。
大体大雑把に決めてプリマに絵をかいて軽く説明でもしようかな。
随分日も上がってきたが時計がないよな……なんて思いつつ、まだ照れてるが少し落ち着いたカルラの手を引いて、ゆっくりと戻った。
「こんな感じに作るの?私退いた方がいい?」
「いや、プリマが居るところが中心だから何の問題もない。ハズ」
プリマ広場でミニチュア的な地図っぽいジオラマを適当に作ってる最中だ。
絵を描くより一目瞭然だし、わかりやすさを優先した。
下見をしたものの、構想を形にするのは早計過ぎると勝手に判断。
俺だけが暴走して作ったとしても、ドラゴニアン達は喜ぶかもしれないが……
「おっきいのは来ないんだけどねぇ……小さいのは泳げるから渡ってこれるのよね。うっとうしいから前に向こう側に全部投げ飛ばしたんだけど」
「サラっと酷いことしてるな。いいけどさ」
豪快な奴だ。俺もボケすぎたら向こうに投げ飛ばされるな……いや地面に打ち付けられたっけ?気にしてないが。
壁の高さをプリマとあーだこーだ話しながら、まずは砦のように住居洞窟前を柵で囲ってしまう事にした。
プリマ広場も範囲に入れると結構な距離だ。
「ベルゼはなんか拘りでもあるの?模様というか何?コレ」
「8角形でも16角形でもいいんだけど、壁とか柵作りながらなら一気にはできないし、まぁどうせなら12角形で日時計も兼ねた作りにしようかと」
時間がわかりやすいのが一番だ。
時計ないしなぁ……別に困らない世界だが基準はあったほうが便利じゃないか。
「あー、あっちの基準ね……こっちも一緒かな?」
「いや、違うと思う。だから日時計程度のアバウトな基準。俺の世界の基準って、学者とかが膨大な時間をかけて算出したり、証明する事で決めて来たから」
「私向きじゃないー……なにその超人種。流石ベルゼの同類」
シレっと俺と同列にするな。彼らは偉人。俺は凡人かそれ以下なんだから。
凡人たる俺は、彼らの知識の遺産を拝借しているだけで、取り上げられたら何もできない小市民でしかないのだ。
そんな事を考えつつ、プリマのいる場所を中心にしたジオラマ風立体地図を作った。わりと似てる感じのが作れたのでちょっと嬉しい。
いろいろミニチュアサイズの物を作って置いてみたり、まだ予定はないが風車とか水車とか作って置いてみたり。
思いのままに、端材を加工できる魔力加工。素晴らしいがもっと有用な使用方法はきっとあるのだろうが……
残念ながら俺である。きっと間違った使い方をしているんだろうがいいぢゃないか。
とか考えながら、ふと顔を上げたらドラゴニアン達に囲まれてた!
「ココガ、ハタケでコッチがオウチ?」
「そんな感じにしようかなって。んで、ここが塩田で、綿花畑を反対側に」
小さい建屋のミニチュアをあっちこっちに置いてみたり、小さい人形に食いつくカルラとマロン女性陣。
男性陣は数人また狩りに行ったが、あいつら何処の狩猟民族だ?武器持ってから1ヵ月経ってないのにどんだけ戦闘力上げてんだ。
ガチのサバイバー達は既に俺の手を離れている。楽でいいな♪
そして、延々と毛皮の鞣しを頑張ってくれているアスレさんとチックさん。
繋げて呼ぶと、つい吹きそうになるので改名を考えているのだが、本人たちがめっちゃ気に入っているので非常に気まずい。
女性陣レスタとライチの旦那さん達だが、狩りには行っていない。動きが鈍いわけじゃないが昔に負傷してしまったのだろう。歩き方が少し悪い。
狩りの代わりに出来る事がたくさん出来たと嬉しそうなので、俺は何も言わないし、しようとは思わなかった。
プリマは普通に、俺は全力で魔力的な力を使えば治りそうな気もするが、大きなお世話になってしまうかもしれん。
ので、土下座で懇願でもしてこない限りは余計な事はしないことにした。
なにより、毛皮の鞣しの方が俺にとっては重要なのだ!そのまま頑張ってくれ!
各々が出来る事を頑張ってるが、俺の作る何かが目当てなのが薄っすらと感じ取れるが問題ない。むしろ術中に嵌まってくれていて先生とても嬉しいです!
二人が頑張って鞣してくれた毛皮をブラシャツに加工していく。
裏地が凄い滑らかではあるものの、汗ばみやすいのでノーブラになる人もいたりする。
早急に肌着を作ってやりたいが、まだ素材の段階だ。一次産業への道のりは遠い。
しかし、おっぱいを見せたくない。と、いう気持ちが芽生えたらしき女性陣も多いので、ちゃんとしたものが出来たらみんな隠してくれるだろう!
あと、型崩れしないとか、形が良くなるとか、吹き込んであるので大丈夫だろ。
一番胸がデカいライチはブラをとても有難がっていた。重いもんなぁ……
ちなみにカルラも割と大きいのでブラジャーっぽいものは画期的だと喜んでいた。
女性陣は胸が狩りの邪魔だと思ってたらしいが、最近は少し考えに変化が見える。
これをいい方向と見ていいのかどうかは……まだまだ分からない。
女性陣の新しい毛皮服は好評だった。
そりゃガビガビの裏地を俺の反則魔力加工でごまかしてたものとは違うからな。
毛皮の鞣しって、もっと手間暇かければもっといいものが出来る手ごたえはある。
革靴も欲しいので毛皮の毛を抜いた、本格的な革加工を模索してもいいかもしれない。確か何かと煮て毛抜きするはずだ。
ただ、その何かの原料が分からん!灰か砕いた骨も入れて煮込んでみるか?
漫画知識じゃ所詮この程度か……クソが!
しかし、毛抜きに拘らなくてももうすぐ布織が出来そうだしなぁ……そうだな。先に機織機を作ろう。
そう!機織機!布を織る機械だ!当然仕組みは知らないっ!
しかし、何故だかなんとなく糸がぎっこんばったん入れ替わっていたのは覚えてるんだよな。
よくよく思い返せば昔話のアレだ。鶴の恩返しかな?
羽じゃ織れないだろ……常識的に考えて羽じゃなかったら一体何を織っていたのだろう……コワイ。
妄想劇場はこの辺にしておいて、今は干してた繊維を黙々と紡いでいる。
糸車っぽいもので紡いだものを回収するのが楽しいのか、女性陣が割と手伝ってくれる。
一番細く柔らかそうな繊維を選んで紡いでみたが、なかなかいい感じの強度も持っている。
とはいえ、もっと丁寧にやればもっと細く紡げそうだった。これは俺の魔力ハンドでちょっとズルをしておこうと思う。
糸を紡ぐって、要は捩じって1本の糸に馴染ませるわけなんだが、気の遠くなる作業だなとしみじみと体感できる。
服一枚どころかタオル1枚作るのに膨大な作業時間が発生している。
しかもふんわりタオルじゃないんだぜ?日本手ぬぐいという薄い布切れと言っても過言ではない。
機織機が無くても作れそうだが、なければ草編みの数十倍の時間がかかるだろう。正直やってられん。
糸を紡ぎながら簡単な機織機を考えていた。
あとは俺の知識で出来る範囲の機織機を考えよう。どうせ単純な物しか作れないしな。
俺の頭の中では足踏み式のクソデカい機械のようなイメージと、昔のテレビ番組のCMでやっていた、おもちゃの手回しハンドル付き機織機が格闘していた。
縦糸を数百本縦に引っ張らせて上下に均等に張る構造。
足踏みペダルでこの上下が入れ替わるようにして、横糸を数回通したら櫛のような奴で手前に引いて隙間を埋める。
うーん……単純なようで複雑なようで悩ましい。俺の知ってる機械と違う!
製造業出身の俺からすれば、何でもかんでも大なり小なり回転物ばっかりだ。モーター使ってる作業機械なら何とかわかるんだけどなぁ……わかるだけで作れないが。
作れたところで必須の潤滑油どころか、食用油すらなかったわ。あ、油も搾りたい!
ので、粗目の布も欲しい。油搾り用にきめ細かいのじゃなくていいから麻袋みたいな感じでいいか。搾り機は無くても魔力ハンドで一滴残らず搾れるからな!
むしろ、そんな魔力ハンドがあれば、搾り機も粗目の布もいらないと気が付くのは随分後の話である。
試作機は明日作ろう。機織機の構造を脳内で何回破壊したか忘れるくらい考えていた。
糸紡ぎは女性陣に任せて、俺は機織機の構造を考えながら一人で塩田を造成中である。
昼過ぎから始めた作業がもう終わりそうで草生える。
便利パワーで水平までばっちり出して塩田基礎を完成させる。超空気ハンマーで地面叩いてただけだけど。
正方形は中心から10メートルくらいにしておいた。
普通のドラゴニアンが桶でやろうとすれば、これぐらいで十分だろうと思ったからだ。
もっと広くできなくもないんだけど、別に売り物の塩を作るわけじゃないからそこまで広くなくていい。
平らにしたのは砂浜近くの岩石地帯。岩と砂と土が微妙な割合の土地で、激しい波が来ない穏やかな感じだ。
砂浜はちょっともったいないから、出来ればそのままにしておきたい。
いつかは船着き場も作りたいなと思いながら、試しにトンボもどきで砂を敷き広げる。
念のため海水で大量の砂を洗っといたが、意味があったかは謎である。
ほら、使う前に洗わないと!なんか糞とか死骸とか混ざってたら嫌じゃない?そんな理由である。
なんとなくイメージ通りに砂を敷き終わったので、大量の海水をぶちまけてみる。
綺麗に浸み込んでいく気がするが、流れてく砂も多く、縁を作るの忘れてたなとやり直し。
なるほど。これ大変だな!天然塩を真面目に作ってた人を思い出しながら感心しつつ、俺は魔力ハンドで楽して海水を撒きながら考えていた。
どれぐらい撒けば良かったんだっけ?本当に謎である。
「こうやって海水を全方面に撒いていくんだ」
「ナルホド。ソウスルとドウナルの?」
「海水が砂に付着する。砂の下は硬い地面だから流れていかないワケだ」
「ソレデ?ソレデ?」
マロンが食いつきいいな!他のドラゴニアンと一緒に様子を見に来たようだったので、実演しながら説明している。
あと、珍しくキャロ嬢も真剣に塩田を観察していた。
どうやらやり方を真剣に覚えようとしてくれているみたいだった。これ重労働だぞ?
女性陣にやらせるとしたら後で鍋で煮るくらいかな……一応デカい石鍋作ったけど。
「んで、しばらく太陽に晒して水分を蒸発させる。乾いてきたら、また海水を撒く。3、4回コレを繰り返して、砂に塩分をたくさんくっつけるんだ」
「す、すナをタベルの?」
「いや、食べない食べない。泉の水だってちゃんとろ過機通して沸かして飲んでるだろ?あれと似たような感じの事をここでするんだ」
「ロカキもってクル?」
「いやいや、あれは泉用。こっちはここでやるからまぁ見てなって♪」
本当は朝からやる海水撒きだが、晴れてるとはいえ蒸発するには時間がかかる。
ので、乾燥するように熱い空気を塩田に浴びせる魔力イメージを生成してゆっくり下ろす。
気を付けないと砂ごと蒸発するかもしれん!使い慣れてきたとはいえ、プリマの底が知れない力は全力を出してはいけない!
砂の様子を見ながら熱い空気が発生しているのがわかる。水蒸気が揺らめいて上がって行くのがちょっと楽しい。
ああ……海がこんなに近いのに、魚をまだ食べていない。
塩田の砂を中央に集めて板で囲う。崩壊しないようにくるっと木枠をはめ込んで、下の排出口から砂が出て来ないよう、内側に草編みで作った受け網を内側に。
固定した木枠の中に、集めた砂をどんどん入れていく。四角型石シャベルで楽しそうに作業してくれるドラゴニアン達。君ら遊んでるよね?
よし、一応鍋の上にもザルを置く。それでも細かい砂は入るかもしれないないので、やっぱり布が欲しい。
「コレでウエカラカイスイをナガす」
「そうそう。重いだろ?しかしやってみたいというのは物凄くわかる」
女性陣も男性陣も関係なくやらせてあげた。
この人数の消費量考えると、毎日やる必要ない代わりに、塩田用の砂は使う前に毎回洗わないといけなくなるかもしれない。
排出口からちょろちょろ出てくるこの水は、砂箱の上から入れた海水が、砂についた塩分やらミネラルやらなんやらを剥がしながら一緒に流れ落ちてくる。
これをデカい鍋で煮るわけだが、沸騰させて冷ますってのを3回くらいだったかするんだよな。
あーっと、そう!最初の方で塩の結晶がたっぷり出来たら水を抜かないとだ。今頃思い出したわ。
にがりを出さないと不味い塩になる。にがりかー……豆腐も作れるな。面倒だから作らないが。
当然のように魔力でズルをしながら今回は3つの石鍋に分けて煮る事にした。
なべ底に排出口とか付けてないし、試しに割れないか確認もしてない物を使う気にはなれない。
俺が加工した石鍋って当たりはずれがあるんだよ。なるべく均等な石を選ばないと、変な層から割れる。
ヒビが入るとか割れるくらいならいいが、爆散もする。ので、いつも使ってるのを持ってきている。
結果から言えばなかなか上等の荒塩が完成した!
が、これ、選別作業しないとなんだよな……塩の結晶と、どうしても砂とかなんか変色した物が混ざっている。
選別作業とかは明日に回して、今日使う分だけ持って行こうという事で、みんなでちまちま分別した。
ただ、みんな楽しそうだったのが印象に残っている。おまえらコッソリ舐めたな?
なかなかの物量の塩が出来るころにはすっかり日も落ち始め、プリマ広場に戻ってくると、いつもの食事の準備が始まる。
「え?いつもより美味しくない?すごくない?」
「まぁ割と成功したと思ってる。だがな、プリマ……残念だがこれは普通以下の味なんだ……」
驚愕の事実を知ったプリマとドラゴニアン達は、俺を信じられない目で見ていた。怖いからやめて。
にがりを抜くタイミングとか、海水を撒く回数とかいろいろ改善点がありすぎる。
俺がやれば大体イメージ通りの物が出来上がるかもしれないが、俺は塩に人生賭けたいわけじゃない。
この辺は興味あるドラゴニアンが模索して行って欲しい分野だ。
楽しい時間はまだまだこれからだ。なんせプリマから離れれば正真正銘の弱肉強食世界が延々と広がっているのだ。
この辺りが唯一のほのぼのスポットだと知るのは、まだまだ先の話だったりする。
コメもパンもない生活が続くがなんとかなるさ。
「これオイシ!」
「ああ、ジャガイモ蒸しいいだろ?レスタとライチに感謝だな♪」
カルラと一緒にいつの間にか炊事担当になってる二人を褒め称える。
調理道具は一式作ったが、切る、焼く、煮る、蒸すってのが出来るようにしていたが、食材に火を通すってのを理解させるのには実演が必要だった。
表面だけ出来てるようにみえてしまうし、ドラゴニアン達はそれでも気にせず、こういう物だと思って食ってしまうから、俺だけが焦ったり。
色々大変だったがこれからも大変だな。適当に頑張ろう。
「あ、アノネ……キョ、キョウハその……」
「身体ちょっと辛いんだろ?いいからゆっくり休もう」
「あ、ウン♪スキっ!」
「……ダイスキデス」
俺の方が片言になってたがまぁいいじゃないか。
そして静かな時間になる頃に、寝息を立て始めるカルラを眺めながら今日を振り返る。
こっちに来て初めてゆっくり眠れるのでは⁉
驚愕の事実に衝撃を受けつつ眠りについた……
何故か夢の中。プリマの口の中で蹂躙された気がするが気のせいだと信じたい。