Side X - 非公式記録『市川文書』 Part 1
* 各視点の主体 *
【女子中学生】=視点A
宮城県逢桜町に住む中学三年生。SF小説『トワイライト・クライシス』の作者・澪の友人。
【チャラ男(佐々木 シャルル良平)】=視点B
フランス生まれ、静岡県育ち。体育大学四年生にして〝りょーちん〟の愛称で知られる、J3「東海ステラ」のプロサッカー選手。たい焼きが好き。
【サムライ】=視点C
鹿児島県出身。着物姿に刀を佩いた内閣府の官僚。良平に対し、監視とも護衛ともつかぬ不可解な態度を見せる。
* 新規キャラクター *
【マネージャー】
良平のパートナーAGI(汎用AI)兼専属マネージャー。優れた機転と対応能力を備え、電子戦に強い。ホラーゲーム好き。
【じゃじゃ馬】
サムライの部下? らしき、防衛省所属の自衛官。射撃の腕は良いようだが、直情的で融通が利かず、マネージャーと致命的に仲が悪い。
【ディレクター】
取材で町を訪れた撮影クルーのひとり。〈エンプレス〉に身体感覚を狂わされ、精神が極限状態に陥った結果、肉体が変容し〈モートレス〉と呼ばれる怪物になった。
【エンプレス】
自称・完全自律型AI。澪の小説を模倣し、サイバーテロを起こした張本人。町内にいた人々の身体を乗っ取り、〈五葉紋〉という刻印を施す。
【澪】
中学三年生。SF小説『トワイライト・クライシス』の作者。当該作がAIに盗用され、町全体を巻き込むサイバーテロの「原作」となる。
【正一】
良平の幼なじみ。彼からは〝ショウ〟と呼ばれている。神奈川県横須賀市に家があったようだが、現在は逢桜町にいる模様。
【市川 晴海】
地元テレビ局「青葉放送」のリポーター。〈エンプレス〉に身体を奪われ、意識のみの存在となってサイバー空間を漂う「データ人間」になってしまう。
肉体を失った私では、皆さんのためにこの程度のことしかできませんが……
これからも時々、この町で見聞きした情報をテキストファイルにまとめ、その都度町外のインターネットへ放流しようと思います。
――願わくは、これが少しでも事件解決の一助になりますように。
二〇××年三月二十七日 宮城県逢桜町にて
市川 晴海 ここに記す




