登場人物紹介 其の一
序章の人物紹介
東雲麗華 21歳 O型
天河村出身の東雲澪と東雲菫の一人娘。母に似て美人に育つ。幼い頃から踊りの素質があった彼女は、スケートに興味を示し、スケートを始める。その頃には既に精霊と出会っていたが、友人達に話しても信じてもらえずにいた為、一人で溜め込んでいた。そんな彼女は大学生になり、人気も着き始めると、大会に出場も決定した。その演技中に久しぶりに精霊達から声をかけられる。その内容は、天河村を追放されてしまった父が会場に見に来ている、というものだった。
星川駿 23歳 B型
亡き星川優姫と星川景の一人息子。社会人になった彼は妹同然の麗華の父、澪を仕事の合間に父と協力して探し続けていた。彼も恋人が出来て、彼女と共にスケート会場に見に来ていた。麗華の演技が始まり、終盤にさしかかった時に、麗華が珍しく転倒してしまう。それを彼女と共に心配して見ている時に、彼のスマホが鳴り、その内容は東雲澪の居所が分かったというものだった。
星川景 47歳 AB型
旧姓南雲澪の親友で良き理解者。14年前に天河村で起きた騒動に偶然居合わせた。その騒動の夜に、彼は澪が立ち去る時に必死に引き止めた人物だった。彼は北条凛と籍を入れる事を決意して、天河村に訪れていた。彼女のご両親に挨拶をする為だった。それがあの様な騒動に巻き込まれ、二人の祝いの場は先に伸ばされてしまう。その真意は、南雲澪に祝いの場にいて欲しいと言う皆の願いの為だった。
北条凛 45歳 A型
天河村出身の北条家の娘。幼馴染である東雲菫、その彼女の夫である南雲澪を、事実婚状態の景と協力して探し続けている。彼と彼の愛した女性との間に出来た駿を、大事に思い続けていた。彼女も景、同様に、澪が祝いの場にいなくては籍を入れないと、強い意志を貫き通していた。澪が消えた後、彼女は景との間に子供をもうけていた。
西野貴 45歳 A型
天河村出身の名家である、西野家の者。22年前に彼は東雲菫と婚約していた。そんな二人の前に現れたのが南雲澪。彼が現れた事によって、西野貴は東雲菫との婚約解消、分家への養子という処分を下される。力強い影響力を有していた西野憐が亡くなり、その息子である西野礼一が倒れた事で、彼は実の両親に連絡を取って天河村に戻された。
西野菜美 79歳 B型
22年前に、彼女は南雲澪の実の亡き両親に暴言を吐き捨て、澪に殴り倒された。その怪我そのものは大した事ではなかった。だが、当時西野家を天河村を裏で守り続けていた西野憐の逆鱗に触れ、彼女とその夫は西野家本家から勘当処分を下されていた。その13年前に、菜美と柾は改心等しておらずに、天河村と南雲澪に対する恨みを溜め込み続けていた所に、彼女の父、礼一が倒れた事を絶好のチャンスと思い、それを利用して、22年前の南雲澪に殴られた事を利用して脳に障害が出たと医師に嘘の診断書を書かせ、弁護士まで利用して天河村に復讐をした。
西野柾 77歳 A型
菜美にほとんど操られる形で、現在天河村の村長を務めている。天河村から東雲家を追い出す事を次の目標にしている。息子の貴を自らの後継者に、早々と村の者達に宣言して回っていた。菜美の父、礼一が計画していたリゾート事業を菜美に内緒で秘かに進めていた。それがどんな末路になるかも知らずに…。
西岡豪 78歳 AB型
とある町の居酒屋、海貝庭の常連の客。澪の事を気に入っている。酔っ払いながらも厳しい一面も持っている。海貝庭の店主、潺紫とは古い知り合い。彼は麗華とその母の傍に寄り添う精霊達を、見えて見ぬふりをしていた。謎多き人物。
潺紫 79歳 O型
とある町で海貝庭を切り盛りする、年齢のわりに若く見える美人な女将。2年前まで麗華の父、澪が通い続けていた店でもある。彼女は、麗華の周りを元気に飛び回る麗しい精霊達を感じ、声まで聞えるものの、その事を麗華にも精霊達にも告げずにいる。豪同様に謎多き人物。
エメーリヤ
霊界で澪を父と慕う、精霊の娘。彼女は麗華の元に訪れた事によって、様々な出会い、様々な経験を積み重ねて行く。麗華と彼女の思いは同じ、父と再び出会う事。そして麗華と共に精霊達と大舞台で踊りを披露する事である。
東雲菫 46歳 O型
天河村出身の名家、東雲家の娘。彼女は16年前に愛する夫と天河村の皆、そして霊界の家族達に見守られながら結婚披露宴を終えた。だが、その二年後に悪夢のような事が彼女の身を襲う。22年前に彼女と当時婚約していた西野貴とその両親が、天河村の皆まで利用して東雲家に復讐して来たのである。彼女の夫である東雲澪は、西野家から浴びせられる罵声にも微動だにせずにいたが、その日の夜に西野家及び天河村の者達から追放処分を下される。そんな夫を彼女は娘の麗華と共に探し続けていた。
東雲澪 47歳 O型
旧姓南雲。東雲菫と長い道のりを乗り越えて、ようやく添い遂げられた。だが22年前の一件が、天河村から彼を追い出す為に、裏で暗躍した西野家と数名の有権者達の手によって作られた追放処分を持った西野家、及び有権者達から追放処分の紙きれを突き付けられたその夜に、彼は場所も告げずに親友である景を押し退けて、山の神々にただ無言のまま一礼して去って行った。