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清らかな風を舞う精霊達の庭園  作者: 浅葱
プロローグ 精霊達の麗しき翼
5/11

第五話 十数年前の真実

……お母さん…


(私はおじさまから写真の写しを借りて座敷で休んでいる、母の元に訪れます。手元にはお婆様が作られた父も食べていたという煮物料理を持って、お座敷に上がりました)


麗華ちゃん、菫ちゃんの事、もう少し寝かせてあげてもらえるかしら…


(凛さんは静かな声で私に語りかけて来てくれると、テーブルの上に煮物が入ったお皿を置いて、母の傍に座りました。母の傍で看病をしていると、凛さんが語り出します)


…あの時…村中の者達が敵に回り、西野家の言いなりになっていた……昔の西野貴さんはあんな人ではなかったのよ、優しくてね。菫ちゃんの事を何よりも大事に守っていたの…でも優しすぎたのかも知れないわね…


(私は幼い頃の夢の様な素敵な時間を覚えていました。多くの村の方達が手と手を取り合って生き生きしていました。そんな時に厳のお祖父ちゃんが病で倒れてから、空気がおかしくなり始めました。お祖父ちゃんの跡目争いが起こり始めたんです)


…あの時……何が起きたんですか?


(凛さんは口を閉ざし続けていました。巌雄お祖父ちゃんと小百合お祖母ちゃんは天河村に残っているけど、東雲家の屋敷ではなく、北条家に居候として住んでいます。そしてお母さんが静かに語り始めます)


……あの時…西野菜美さんと西野柾さんが天河村に帰って来たのよ。憐のお爺様の影響力が弱まった事と、西野礼一様が、お爺様が倒れた時期と同時期に倒れられ…貴さんのご両親は澪、お父さんに深い恨みを持っていたの…


(お母さんの話を聞いていると、背筋が冷える様な寒気を感じ始めました。凛さんはお母さんの話を黙って聞いていました)


そして…あの人達はいくつかの要求を東雲家にして来たの…一つ目は慰謝料の請求の問題。それも高額な額を…西野菜美さんは車椅子で東雲家に訪れて来たのよ…麗華、貴女が産まれる前にお父さんのご両親を侮辱したの。あの人達はそれに怒った…あの人は…


(お母さんの話を聞いて、私は震えが止まりませんでした。私が産まれる前に問題が起きていたんだなんて…。そして何点かの要求を聞いた私は、西野家に対する怒りが込み上がって来ましたが、お母さんが私の手に手を伸ばして来てくれました。それで冷静さを取り戻しました)


東雲の村長選への出馬の取り下げ、東雲家の屋敷の明け渡し…そして最後に、あの人の天河村からの追放という物だったのよ…でもあの時、あの人はそれらの要求をして来た…西野家に対して意味ありげな笑みを浮かべていたわ…


(お父さんの事を語る母の表情は、私と凛さんを見つめずに天井を見つめ続けていました。私は昔、父に霊的な者達の声が聞こえるって、昔言っていた事をお母さんの言葉を聞いた時に思い出していました。そして父が消えた後にあの子達が来たんです。精霊の子が…)

第五話書き終えました。


華やかな神々と人々の庭園の第二部を御参照ください。そこに問題の一件が書かれています。

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