第二話 新たな情報
…麗華、ごめんなさいね…お父さん、見つけられなかったわ…
(控室に戻って来ると、コーチと共に母が私の事を出迎えてくれた。そしてコートを羽織りながら母の言葉を聞いた私は、やっぱり父は今回も姿を見せてくれなかったのだなと沈んでいると、コーチから厳しい声が掛けられる。その声が一瞬父に重なり見えて、咄嗟に顔を上げてコーチの顔を見つめていた)
落ち込んでいる暇があるのなら、一歩でも前に進まなくてどうする!?お父様が見に来てくれると信じて、お前は舞台に赴いたのだろ!!だったら次の事を考えなくてどうする…東雲…
(その声に母はすすり泣いていると、控室の外から勢いよく入って来る一人の青年がいた)
駿お兄ちゃん!!どうしたの…そんなに息を切らして…
(私達の前に現れたのは、父と母の親友の息子さん、星川駿さんでした。彼の父親、星川景さんは私の父、南雲澪と古い親友でした。父が私達の前から姿を消す際、最後に父の姿を目撃した唯一の人物です)
はぁはぁ…水…頂戴…
(コーチは近くに置いてあったペットボトルの水を彼に手渡すと、彼は勢いよくペットボトルの水を飲み干してしまいました。そして私達に新たな情報をもたらしてくれました)
…澪さんの居場所を突き止めたって…父さんから連絡が入ったんだ…
(その言葉を聞いた私は母の表情を見つめると、母は泣き続けていました。そして私達の内情の全てを知っているコーチは、私の背中を優しく撫でてくれていました)
第二話書き終えました。