エピローグ-2
雪山
懐かしいその姿にリリーは安心感を覚えた。山に安心感を覚えるのは不思議な話であるが、自身にとって落ち着ける場所であることには変わりない。
「それじゃあ、アタシはここで」
さっさと雪山に戻ろうとするリリーに「ちょ、ちょ、ちょっとぉ!」と言いながらユーリは腕を掴む。ダンは静かに二人を見守っている。
「リリーさん?ちょっと、素っ気なさすぎでは?」
「離して」
顔をこちらに向けないリリーに、ユーリは首を傾げた。
「なにか怒ってる?」
「怒ってないわよ!」
リリーの怒鳴り声に「そ、そっか」と返す。
「……離して」
「あ、はい」
気まずい空気が二人の間に流れる。ユーリは言葉を探すが、どれも間違いな気がして声を出せないでいる。
「アタシには……」
「へ?」
くるりとユーリに向き合い、顔を真っ赤にしたリリーが口を開く。
「アタシには、遊びに来てもいい?って聞かないの?」
その言葉にユーリの思考は吹き飛んだ。
衝動のままユーリはリリーを抱きしめた。
「絶対に!会いに来るよ!!」
その大きな声に、その力強い腕の力に、リリーは目を見開いた。それから穏やかに笑って「待っててあげるわ」と囁いた。
ダンはそんな若い二人に心の中で拍手を送った。




