最後の戦い:魔術師-7
モールトの言葉からどれだけ時間が経過したのかわからない。3時間経過したのか、本当は30分?もしかしたら10分も経っていないのかもしれない。リリーは叫び続けた。叫ぶことしかできなかった。いっそのこと殺してくれと、生きることを止めてしまいたかった。けれど、自分の身体がモールト以上に楽になることを許さない。永遠にこの痛みは終わらないのかもしれない。
ぼやけた視界は赤色に染まり、痛みで心が砕けてしまいそうだ。
———俺は長生きする予定だけど、君より先に死んじゃうかもしれない。それでも……それでも、君と俺の時間が重なってる今この瞬間を喜んで、怒って、哀しんで、楽しみながら………一緒に生きてよ。
声が聞こえた。
それは大切な人の声だ。
———もし俺が死んだら、そのときはリリー……
終わりを望んで止まった少女に、動き出すきっかけを与えた青年の声だ。
生きていたい理由ができた。
この戦いがどうなるかわからない。わからないけど必ず4人全員で、生きていることに喜んで、怪我を負っていることに怒って、この旅の終わりを哀しんで、その先の人生を楽しむのだ。
ともに過ごした3人のことを、世界のみんなが忘れたとしても……世界に少女一人だけになっても覚えていようと、
———君が俺のこと覚えていてよ。君が俺を覚えてるかぎり俺は君の中で生き続けるからさ。
愛しい人の温かい笑顔に誓ったのだ。




