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最後の戦い:魔術師-2
「ユーリ様」
「あ、はい!」
「ユーリ様、魔王様がお呼びです」
「え」
ユーリの驚きの声と同時に奥の扉がゆっくりと開いた。
「扉の向こうで魔王様が、ユーリ様をお待ちですので早く向かってくださいまし」
ユーリはリリーに視線を向けるが、リリーはモールトを見つめていた。動き出さないユーリにリリーは「早く行きなさいよ」と催促をした。
「でも……」
「でもじゃないわ。私はこの女に用があるし、この女も私に用がある。だから、先に行って」
「……わかった」
ユーリは奥の扉に向かって走り出した。
モールトの横を通るときに彼女が何かを呟いた気がしたが、視線が合うことはなかった。




