信奉者の宝物-1
港町 リヤン
天と地を分ける境界なんて無いかのように続く爽やかな青色、通り抜けていく風、波間に揺れる漁船、群れで飛ぶ鳥たち、外で連なる様々な出店が、まるで自分たちを歓迎してくれているような活気あふれる港町 リヤンにユーリ達は無事に辿り着いた。
「んーーーー!風が気持ちいいね!」
ユーリは両手を空に向け体を伸ばした。ダンは「そうだな」と肯定しつつ教会の場所を町の入り口に立っている道案内を見ていた。リリーは30年ぶりに雪山を出たことにより自分の記憶とは違う建物、服、久しぶりに見る生き物に好奇心を隠すことなく、辺りをきょろきょろと見渡していた。
「よし、場所は把握した。せっかく来たんだ。いつものをいっとくか」
「さすが!ダン、早く行こう!」
ダンの提案にいち早く賛成したユーリに、リリーは制止の声を上げる。ユーリとダンは不思議そうにリリーの顔を見た。その顔には「どうした?早く行こうぜ」とありありと書いてある。
「せっかく屋台が出ているのだから、少量でいろんなものを食べたいわ」
リリーの言葉にユーリとダンは雷に打たれたかのような衝撃に襲われた。固まった二人にリリーは不安げな視線を送る。
「食べ歩き………いいね!!!」
ユーリは目を輝かせリリーの手を握る、リリーは驚いて「ちょっと!」と声を上げるが手を振りほどこうとしない辺り怒っていないようだ。
「じゃあユーリのお腹が鳴く前に行くとしよう」
その言葉に応えるようにユーリのお腹は「ぐうぅぅぅぅううううぅぅ」と鳴いた。ダンとリリーは、ユーリのお腹のタイミグの良さに耐えられず声を出して笑った。ユーリはもう二人の反応は慣れたとばかりに「置いていくからね!」とずんずん屋台へと進んでいった。
町についたら「まず食事」という、いつのまにかできた三人のルールを守るために、ダンとリリーはユーリの後を追った。




