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近衛兵の後悔-10
アンポス村 早朝
「さて、今日こそ出発しよう!」
すっかり回復したユーリは張り切っていた。
「そうだな、必要なものは全て昨日のうちに買い揃えた」
二人が村を出た時、後ろから声が聞こえた。
「なにも言わずに行くなんて水臭いぞ!」
クリスの声に二人は振り返ったが、目に入ったのはクリスとその後ろに村人全員がいた。驚く二人をよそにクリスは袋を投げた。
慌ててユーリが掴んだその袋から、チャリと音がした。
「!これ」
「俺たち全員からの餞別と、君たちが倒したオークのだ!いくらあっても困らないだろ!」
それなりの重さのあるソレにユーリはこみ上げるもの押し込めて「ありがとう!」と大声で叫んだ。
「気にするな!気をつけて行ってこいよ!」
「行ってきます!」
ユーリとダンは再び歩き始めた。
「ねぇ、ダン」
「どうした?」
「まるで、王都を出発したときのようだね」
「そうだな」
二人は穏やかに笑いながら進んでいく。
振り返ることはなく、足を進める。




