最終箱
本日3話更新。
こちらは最終話となります。
前2話をお読みなってない方は先にそちらをどうぞ。
ある日、外交の席にて……
「ああ、そうだ。
余の后であるモカを紹介するとしよう」
外国の外交官たちへ、妻を紹介するべく、国王サイフォンが、王妃モカの名を呼ぶ。
「失礼いたします」
呼びかけに応えたのは美しい声。
声に少し遅れて、その会議の場へと入ってきたのは――
(は、箱~~~~~ッ!?!?!?!?)
五十センチメートルほどの高さで浮かび上がる、一メートル四方の箱だった。
ふよふよと浮遊しながら、サイフォン王の側へとやってくる。
「それと娘のカフェだ」
続けてサイフォン王は娘を呼ぶ。
「しつれいしまーす」
愛らしい声のあと、会場には――
(た、タル~~~~~ッ!?!?!?!?!?)
酒樽が、ゴロゴロと転がりながら入ってきて、直立した。
驚愕に言葉を失う余所からの外交官たちを見ながら、サイフォンとモカ、そしてカフェはしてやったりとばかりに笑みを浮かべる。
変わり者だった王と、引きこもり気味の后。
王の性格と后の魔法を受け継いだ娘。
そして時折帰ってきては色々な土産をおいていく、王兄たち。
彼らは王族としての責務を果たしながらも、仲良く過ごしている――
【Marriage of a sheltered lady in box - closed.】
引きこもり箱入り令嬢
これにて、完٩( 'ω' )و結!
ここまでのお付き合いありがとうございました。
最後までお読み頂いたみなさまに、最大級の感謝を。
本編はこれにて完結ですが、今後もポツポツと閑話を公開していくかもしれません。
もしよろしければ、これからもよろしくして頂ければと思います。
改めて、応援して下さった皆様、ありがとうございました٩( 'ω' )وひゃっふー!