表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(仮題)無自覚総受け誘い受け系TS娘の冒険  作者: 幻想大好きおじさん(仮名)
6/11

5話 信頼と疑い〜諸々のテンプレート、ひと匙の躊躇〜

この小説の更新遅すぎワロタwwwとか思ってたら作者私でした。

や、ほんとごめんなさい。

「おお、ここが冒険者ギルド……」


 あれからテキテさんから教えられた通りに道を歩いて恐らく冒険者ギルドだと思われる場所へ来ていた。今は朝だから人通りは疎らであるが、道行く人達の衣服は布地が大半であり、この世界の一般的な衣服の把握は出来た。

 なお、それは北門への道に曲がるまでだった。こちらの道になると、今までの人通りの比じゃないくらいには増えた。冒険者ギルドには朝と夜に人が集中することは想定通りだ。安定のラノベ系予想だが。


 俺とユアが見ている場所へ入っていく人達は布地の服とは違う装いが大半である。軽装鎧(ライトアーマー)重装鎧(ヘビィアーマー)斥候(スカウト)らしき動きやすさを重視した服等。……ここだけバリエーションが豊かすぎるんですよねぇ。偶に入っていく普通の服の人はクエストの依頼人かな?


「取り敢えず入っちゃおユア。ここにジッとしてると迷惑だし」


 そりゃそうよ。ワンピース白髪青眼幼女と聖騎士鎧とか、何処でだって目立つわ。

 西部劇の酒場にありそうな出入口を通り、受付であろう場所へ向かう。


「ようこそ冒険者ギルドへ!クエストの依頼でしょうか?」


 受付のお姉さんがそう問いかけてくる。


「えっと、ギルドカードの登録をしに来たんです。」


 おずおずと、そう応えると受付のお姉さんは驚愕した表情を浮かべた。


「ええっ!?あ、あのっ、登録してしまうと冒険者ギルドの一員とみなされ、仕事、クエストを受注する義務が発生しちゃうんです。登録して放ったらかしだと罰金が発生することもあるんですよっ。」


 何!?ただ発行してもらうだけだと考えてたんだがな……いや、だがこれは好都合だ!俺個人としては旅だけじゃなく冒険だってしてみたい、旅なんてしてたら冒険者ギルドを放ったらかしにしてしまいそうだけど、義務があるなら定期的に仕事しないとな!

 元来忘れっぽい俺には好都合だぜ!


「俄然入りたいです。お願いします!」


 振り切れたテンションで受付のお姉さん―長いので受付嬢さんと呼ぶ―に食い下がる。ここで引いたら多分押される。男は度胸!


「なんでぇ……普通の人はこの仕様、面倒くさがるのにぃ…。ええっと、とにかく!貴女みたいな幼い子には危険なものが多いので出来れば思い直してくれませんか?冒険者は基本誰でもなれる職業ですが、その分リスクもあります。緊急時には冒険者は収集され、強大なモンスターと戦わなければならないこともあるのです。ですので…そのぅ…この話でさらに目をキラキラさせないでください……」


 それは無理なお話だなぁ。危機の中で覚醒とかロマンあるじゃあないですかぁ!それに?そんな戦いがあったら俺は有名になるわけですし、友達も沢山できるわけよ!うぇへ、うぇへへ……

 閑話休題(もうそうはおいといて)


「お願いします!どうしても冒険者になりたいんです!」


 マジでなれなきゃ困る。ここの土地勘なんぞないし、事実上の借金みたいなものもできたのだ。


「うぅ、仕方ない…ですか。本来なら冒険者ギルドは来る者拒まず。そこには年齢も貴賤も関係はない。本人の意思だけでなれてしまうのですから…。すみません。失礼しました。ではこちらに必要事項を記入して―――」


「あァ、なんだこのチビ?」


 あぁ、とサラサラした髪質に変わった頭を抱える。流石にそこまで予想はしてないぞ。どこまでテンプレに沿ってんだよ。一周まわって古臭い展開だぞ。

 ちらり、と突然現れたおっさんはカウンターを見やった。酒気を帯びた息。雑に切られた髪。伸ばしっぱなしの髭。うーんこのテンプレ。朝っぱらからビールとは。


「ぁん?…ガハハ!このガキ冒険者になろうってのか?傑作だァ!お給仕ちゃんでもやってた方がマシだぜ??」


 HAHAHA───


 ───あ お り よ る


「ちょっとゴウトさん。その言い方は───」


「おい、劣等種が何をほざき散らしている。即刻口を閉じなければお前の粒子ごとこの世から抹消してやる。」


 ぶわっ、と後ろから圧が吹き出る。俺の感じてたイラつきが一瞬で吹き飛んでしまう。「お前を殺す」という明確な殺意が背後からかけ続けられる。これを直接受けたゴウトさんと近くにいた受付嬢さんは俺以上にこの重圧に晒されてるだろう。ガチガチとなる歯の音は一体誰のものか。こっちも冷や汗が吹き出そうだ。直接叩きつけられているテンプレ男に同情の意を禁じ得ないので、流石に止めさせていただく。


「ゆゆゆユア!落ち着いて!俺たちは穏便にことを済ませるんだ!おーけー!?」


「OK!」


 スっ、とそれまでの重圧が無くなる。ユアやばい、やばくない?

 受付のお姉さんも突然でてきたおっさんも、それどころかこのギルドの全員が青ざめた顔をしている。ごめんなさいごめんなさい。俺の友達がごめんなさい!でも友達が怒ってくれるシチュエーションは最高!


 一先ず、この気まずい空間に長居する訳にもいかないので受付嬢さんに問う。


「これ、書いても良いですよね?」


「あ……ああ、は、はい……」


 完璧ビビってる受付嬢さんに申し訳ないとは思いつつ出された用紙を埋めていく。文字がすらすら書けるのも転生特典かな?神様大好き。でも要望の曲解は許されない。絶許。でも友達できたから許す。

 なんて言っているウチに書き終わった。受付嬢さんに返して「こ、これで冒険者登録は完了しまひた」とビビりながら答えてもらう。再度申し訳ない気持ちが溢れるが、流石受付嬢さん、もう冷静に…というか冷静を装っている。勿論です、プロですから。なんて声が聞こえそう。未だ泡食ってるテンプレおっさんとは大違いだな!

 そこからは例に漏れずテンプレ。DからSまである冒険者ランク。依頼をこなした数により昇進(ランクアップ)。Bランクに上がる段階から試験と面接。Sランクは伝説というか化け物の類なのでAランクまで行ったら偉業らしい。そうそう、1ヶ月以上の無断活動休止は余程の理由でもない限りランクダウンもしくは冒険者登録剥奪らしいから気をつけようね!とのこと。


「それじゃこの依頼受けます。……それじゃ、ありがとうございましたー!」


 横目で見たクエストボードから良さげなのを引っ付かみ依頼を受ける。いざ鎌倉!!!


 来た道を戻って東門へ。言った通りすぐにテキテさん達に会うことができそうだ。いやまぁ、お金ないんですけど。


「おーい、テキテさーん!ダグさーん!」


 町の外を見て、衛兵をしている二人に声を掛けながら歩く。二人ともちょっと驚いた顔をして、こちらに向き直った。


「おー、ディーの嬢ちゃんと鎧の。ユアだったか。随分と早いご帰還だな。ギルドカードは手に入れたか?」


「はい、この通り!」


 手にした名刺ぐらいの大きさのカードを頭上に掲げる。俺、結構いい感じじゃない?コミュ障には全然見えなさそうじゃなぁい???嬢ちゃんって言葉に少しつんのめりかけたけど。ディーで良いんだよディーで。


「今からクエストなんです。」


「ほぉ、良いじゃあねぇか。俺はお前さんらを追放したくないんでね。さっさと稼いでくれると助からァ。」


「ちょっとテキテさん。ディーちゃん、テキテさんはさっさと稼げなんて言ってるけど、自分のペースで良いからね。怪我した方が危ないんだから。」


 ニヤニヤ笑うテキテさんとそれを諌めるダグさんの構図。この二人地球だったら警察ドラマの主役コンビになりそうなぐらいにはにあってるな。と、いつまでもここで立ち話してたら仕事の邪魔になっちゃうだろうしさっさと行こう。


「行こっか、ユア。」


「ええ、ディー。」


 聖騎士の鎧の内側から、柔らかな笑顔を感じる。…感じるなんて変態っぽいか?あぁ、今日はよく脱線するな。

 1度かぶりを振って、自分の髪がふらふらと揺れて邪魔だったが、再度歩き出す。

 この町、イグジオに来て早速だが、俺の元いた場所に戻るとしよう。


 なお、数分後、ちまっこい体格のため少ししか街から遠ざかってないディーが足を止め肩で息をしているのを心配したテキテとダグだったが、ユアと呼ばれていた騎士鎧がディーをお姫様抱っこで抱えてそれまでと比べ物にならないスピードで森へ向かう様子に、テキテとダグは呆れ、顔を見合わせ、お互い「意味がわからない」という顔で苦笑していた。


 着きましたるはあの街イグジオから見て東側。依頼を軽く流し見したときに書いてあった魔窟の森。要は俺が転生してキャンプして黒歴史立てて絶叫体験をした、あの森である。

 一日も経たず戻ってくることになるとは。


 依頼内容はゴブリン3頭の討伐。転生直後の俺にボディブロー(棍棒)を仕掛けてきたアイツである。俺に友達かな?という期待を持たせて裏切った(自業自得)許されざる魔物だ。まぁ、そいつは消し飛んだから他のゴブリン達は悪くないのだけど。


「結局もどってきちゃったなぁ。」


「私は、こっちの方がいいんだけどね。」


 言った俺に、呟くユア。


「ユア?」


「あ、ごめんなさいディー。聞こえてたの。……けど、あの街は私の感情を大いに乱すの。私のディーに話しかけるに留まらず、その道を塞ぎ、あまつさえディーを不愉快にさせる…逆に凄いわね。存在価値が全く見当たらない。」


 こーれは、マズイ(確信)。とにかく話、というかユアの感情を別の方向に向けなきゃ。


「あ、ユアこっちに来たのはいいんだけどさ、俺ゴブリンのいる場所わかんないんだよね。目印とかってあるのかな。」

 

「ええあります。ゴブリンなど低級のチリに過ぎませんが、そういうモノ程縄張りを主張します。ゴブリンに値するのは粗雑に組まれたトーテムですね。けれど探すのは面倒ですし、探知の魔法を使ってもよろしいですよ?」


「そういう魔法って、俺も使えたりは」


「……残念ながら、ディーの魔力では低位の魔法も難しいかと。あれ程のスキルを持ちながらこの状態は歪が過ぎるけれど…」


 嘘、俺の体、弱すぎ…?なんかもう慣れてきたわこの不憫属性。や、貰ってる力はチートなんですがね。このチートを検証する暇が今んとこ無いんだなこれが。つまり活躍させるのもできない。

 要は俺、役立たずでは?


「それでは失礼して、

 〘敬虔なる光(ドグマ)〙展開

 接続(コネクト)

 第七章〘主は見ておられる(ルックアンドロック)〙」


 ユアが魔法を唱えると地面に魔法陣が現れた。まるでユアの髪を移したみたいな金色の魔法陣は、豪奢でいてここ数日で見慣れ、安心感を覚えるものだ。

 魔法陣が光を放つのを止めてゆらりと消える。そうしたら目には、木々を通過して数百メートル離れているところに、サーモグラフィーのように浮かび上がった見覚えのある体躯。

 木々に囲まれた数百メートル先の体躯が分かるのはなんでかって?視力強化もかけてもらったんだよ言わせんな恥ずかしい。


 このサーモグラフィーアイ…。探知魔法を見るに、ゴブリンは集団行動をする種のようだ。大きくみれば色んなところにゴブリンの姿が確認出来るのだが大抵が少なくとも3匹、多くて5匹で行動している。俺が出会った個体ははぐれたのか知らないが、とにかく運が良かったとしか言えない事態だったな。

 

「よし、行こっかユア」


 意を決して前へ進む。俺が感じているのは不安や恐怖じゃない。ファンタジーの代表ともとれる魔物との対峙、戦闘に対する期待。つまりは武者震いなのだ。



 俺の冒険の第一歩が、今始まる!







 そう、恐怖なんじゃない、はずだ。

ディーはユアの重圧の中で友達が助けてくれるシチュで微笑んでて怖いしユアはディーに止められた後ディーを器用に避けて圧をかけ続けてたし門から出た時の笑顔は街から出られた喜び。


急に街に来てやっていい行動じゃないんだよなぁ()

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ