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不死議な姉妹の旅物語  作者: 黒い星
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31話 封印されし玩具

「これは・・・魔剣?こっちは・・・首飾りとボタンが付いた魔法具が纏められてるな。」


この遺跡の制御室は、いったい何を封印していたのか分からないほど色々な物が部屋の隅に置かれていた。あるいはこういった物を纏めて封印するために作られたのかもしれない。


「設計図はあくまで遺跡内部のことだけですからね。そこに封印されている道具などに関しては説明がないことが殆どです。あぁでもこれは分かります。」


そういって先ほど見つけた首飾りを渡してきて、ボタン付きの魔法具はリリムが持って行った。何かと思い見ていると、リリムがボタンを押した瞬間首飾りがビービー音を立てはじめ、青かった宝石の部分が赤色に点滅しだした。


「何これ?爆発でもするの?」

「えぇっ!?」


シールの発言に思わず首飾りをシールに投げ渡してしまった。そしてシールもまた慌ててリリムへ投げ渡している。


「ふふっ。爆発なんてしませんよ。これは信号を送る魔法具と受信する魔法具です。こちらのボタンに魔力を込めておくことで距離の設定ができ、首飾りが設定した距離の中にいる間は箱側面の宝石が青に、範囲外にでた場合は赤に光るようです。そしてボタンを押すことで溜まった魔力を消費し首飾りのほうへ信号を送るものです。言うなれば呼び出しボタンと言ったところでしょうか。」


先にその説明をしてから使用して欲しかったと、心の中で恨み言を思いながら他の物を見ていく。


置かれているのは壊れているものもあったが、使える物もあった。インクの切れないペン、魔力を流すことで書き込まれたものを消すことができる紙、洗濯が必要ない男性用らしき衣服、装着した時に1度くしゃみが出る眼鏡を付けてくしゃみをするリリムは可愛かったし、好きな髪色に変化させることのできる髪留めの魔法具を使って、シールの髪が7色になったのは思わず笑ってしまった。


ここに置かれているものは半分くらいは実用性がまぁまぁ高いと感じるが、古代遺跡に封印されている物と考えると、なんというか・・・


「思ったよりしょっぼいのしかないね・・・。この髪留めと眼鏡は面白いから僕が貰っていくね。」


他には金貨や銀貨なども結構残っていた。時代によって描かれている模様などが変わるが、大きさや質量などは変わらないためいつの時代も同じように買い物などに使用できる。古い金貨などは価値以上の値段で買い取りを希望する者もいるそうだが、とりあえずはあるだけ集めた後半分にして、リリムに二人分、グラとシールで残りを分け合った。


「あと目ぼしい物はこの魔剣くらいかな?魔法陣が刻まれているのは分かるんだけど、なんの魔法だろうか?」


最初に手にした魔剣には宝玉が埋め込まれており、そこに何かの魔法陣が記されているのだが、よくわからない物に魔力を流すわけにもいかず、かといって解読できるほどの知識もなく、とりあえず持っていた。


「あ、なんかそっちに落ちてた剣と形が似てるね。ほら、宝玉が赤と青の違いだけっぽいし、これもなんかの信号を送るものなんじゃない?」


さっきの首飾りと同じように位置を知らせるものなのだろうか?例えば戦場で互いの位置を目視せずとも分かるのであれば、何か有効な戦術があるかもしれない。だがリリムの表情から察するに違うのだろうな。同じであるならこんな解読に時間はかからないだろうし。


「これは・・・なるほど・・・ちょっと広間の方に出ましょう。制御室内だと発動できませんので。」


そういってリリムに連れられ、制御室前の広間へと戻ってきた。そして、しばらくここで待っているように言い残しリリムはどこかへ去っていった。


そして、青の宝玉が光ったかと思うと目の前に魔法陣が展開されリリムが突然現れた。


「これは赤の宝玉の魔剣に魔力を流すことで、青の宝玉の魔剣の元まで転移できるようです。しかも魔力消費もわずかで術者以外に3人までなら共に転移できそうです。」

「おー!・・・で、それって何かすごいの?」


魔力消費がわずかだというのなら、例えば青の魔剣を宿などに置いておいて、赤の魔剣のみを持ち歩き遺跡などに挑んで、緊急脱出をすることが出来る。なぜ剣の形にしたのかは分からないが、冒険者が持ち歩いていても不思議ではなく、大抵の場所へ持ち込みが出来るようにするためだろうか。


「普通に転移魔法を使うより早いし魔力消費も少ないなら戦場でも使えるってことかな?まあ僕はいらないや。自分で出来るし。」


確かに自分で転移魔法が使用できるのであれば、場所が限定されてしまうこの魔剣をわざわざ使う必要もないだろう。王族専用書庫に保管された書物の中に術式の記載があったため、王族は全員転移魔法が使用できる。距離は魔力などによって変わったりもするため万能ではないうえに、大量の魔力消費を伴うため戦場で使うことは不可能だが、竜神の魔力量があればそれすら問題にならないのだろう。


「例えば青の魔剣をアガレス王宮内に置いておいて、赤の魔剣をグラさんが持ち歩いていれば、私たちはいつでも王宮内に戻ることが出来るのかもしれませんね。距離などに関しては解読しきれずどこまでが有効範囲かは分かりかねますが・・・。」


そんな会話をしていた時、突然ルルが制御室から飛び出して来て一目散にどこかへ走り去ろうとしていた。リリムが慌てて赤の魔剣を渡し、一瞬で解読したのか"すぐ戻ってくる"とだけ言い残しルルの姿が見えなくなった。

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