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不死議な姉妹の旅物語  作者: 黒い星
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22話 遺跡調査の依頼

「北東の山に遺跡・・・ねぇ。」


ノエルが帰ってから幾分も経ってはいないが、もうすぐ日を跨ぐ時刻になりそうな中、ベッドに寝ころびながらノエルからの依頼を頭の中で繰り返す。


最近、アガレスの北東に遺跡の入り口が新たに発見されたが、隣国とにらみ合っている中では満足に調査騎士団も派兵することが出来ず、遺跡の調査が一向に進んでいない状態であった。そのため、私たち二人に遺跡を調査してきて欲しいとのことだった。


「遺跡の調査自体はいいのだけど・・・発掘された武器や道具の買い取りとなるとちょっと渋るものがあるわね。」

「浅い場所で見つかるものならばいいのですが、深い階層であったり、制御室に保管されているような物だとそれだけで世界情勢を揺るがすようなものもありますからね・・・。」


古代遺跡と呼ばれる所は大抵がその遺跡を管理する制御室があり、そこへたどり着くまでに数多くの罠が仕掛けてある。そして制御室には現代技術では再現不可能な、貴重な宝が隠されていたり、その遺跡の設計図のようなものが隠されている。設計図は手に入れるだけでその遺跡の罠はほとんど把握することができるため、罠の解除も容易であるしその遺跡に出て来る魔物も狩り放題になる時があるため、素材の供給量が跳ね上がることもある。


一国に突然そんなことが起これば他国としては面白くない。当然それを狙った争いも起こり得るし、下手をすれば辺り一面丸ごと破壊しようとしてくる奴らもでてくるかもしれない。踏破されたという三つの遺跡に関しても、一つは所有権を求めて争いが続き、一つは国に莫大な利益を与えた結果周辺国から妬みの対象となってしまい、やはり争いが起き、一つはまともな利益を上げられる前に周辺事爆破されてしまったらしい。


さすがにこの依頼に関してはすぐに返事もできなかったため、一度保留にしてもらい夜の会合はお開きとなった。


グラやエレナには少なからず好感を抱いているとはいえ、国情に関わるような案件を易々と引き受ける訳にはいかない。自分たちの力が与える影響を鑑みれば、このままこっそりと国を出るのが賢明かもしれない。


だが・・・


「かといって古代遺跡を放置していれば、何が起こるかも想像つきませんね。恐ろしい魔物が遺跡から飛び出してくることもありますし、調査しないにしても一度訪れて封印の処置くらいはする必要がありそうですね。」


ルルが悩んでいるのはまさにそこで、放置しておく訳にもいかないが、かといって無許可で訪れるというのは下手したら盗掘の犯罪者として手配される可能性すらある。


国情に影響を与えないような落としどころを見つけることも出来ず、二人は眠りについた。









「と、言うわけで、いい知恵ないかしら?」

「なんで私がそんな面倒なこと考えなきゃいけないのよ・・・。」


まだまだあちこちに襲撃の痕が残る町中でエリアスを捕まえ人気のないところへ連行し尋ねる。竜神なら何か驚きの解決策を持っているかもしれないと思い朝一番に尋ねてみたのだが返ってきた返事は期待を遥かに下回るものだった。


「そんなの、"調査したけど何もありませんでした"でいいんじゃないの?」

「そんな嘘が通じる相手なら、こんな悩まないわよ・・・。」


ノエル個人を見るならば、ある程度は何かを察し黙してくれるだろうとは思うが、国を担う者である以上、遺跡に何もありませんでしたで済ます訳がない。良くて再調査、悪ければ国を騙そうとした悪党だ何だと言われ投獄されかねない。というより、数十年前実際にそれで一度投獄されている身としては同じ失敗は繰り返したくない。


「それなら、罠とか魔物とかが多くてある程度のところまでしか調査できなかったって事にしたら?それが一番の落としどころじゃない?」

「そうよね・・・。問題はその"ある程度"の加減が分からないってところよね。私たちの実力は知られてしまったからその辺の調整が難しいというか、分からないのよね。」


そんなの知らんし。と投げやりな返事をして去っていくエリアスを見送りながら、あの鋭い目つきの親子にどこまで嘘が通じるか思案しつつ王都への帰路についた。

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