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不死議な姉妹の旅物語  作者: 黒い星
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20話 襲撃事件の解決

「な、何とか・・・体を上までもって・・・これたわ・・・。ぐへぇ。」

「死んだ?」

「死んじゃったわ。」

「死んじゃったの?」

「死にましたね。」

「今夜はかば焼きね。」


各々が思ったことを口にしたが、エリアスには反論する体力も残っていないようで、わずかに体を動かすことしかしなかった。


目の前に現れた竜神は、見えている部分だけで6メートルほどはあるだろうか。そして体の半分くらいはまだ海の中にあるらしく、全長は10メートルを超える巨大な海蛇のような姿をしていた。


「と、とりあえず助けませんか?えっと、この封魔の術式は・・・。」


そういってエリアスへと近づき、1つずつ封印を解除していくエレナ。通常、罠などの解除や無効化は、感知系のスキルの一つでありグラの得意分野でもあるのだが、封印の解除に関しては専門の適正が無い分、高度な技術と知識を要する。だがそこは魔法の天才エレナがいとも簡単に解除していく。


むしろ問題は体を貫いている3本の矢のほうだ。何故これで生きていられるのかと問われれば、それは竜神ですら分からないという。辛うじて急所を外れているらしく、それが狙ってやったことなのか偶然外れただけなのかは判断できないが、まあ狙ってやったということにしておこう。


「封印を破壊するには物理的な質量が必要なのよ。だからまあ・・・ゴメンね。」


全く反省していなさそうなルルが軽く謝り、矢じりの部分をリリムが切り落とし矢を引っこ抜く。あたり一面に血が吹き荒れ真っ赤に染まったがすぐさま回復の魔法をルルとエレナで掛け、何とか一命は取り留めたようだ。


「あー・・・ありがとうね・・・それと迷惑をかけたわ・・・この町にも・・・。」

「どうせその体じゃ満足に動けるようになるまでしばらくかかるでしょ?この町に残って防人の真似事でもしながら療養しなさいな。」

「そうね・・・そうするわ・・・。」


こうしてスフラを襲った事件は幕を閉じた。町の中はかなり荒れていたが、瓦礫などは魔法でどかし、建物などは王都や他の町からも職人を呼び復旧に励んでいる。そして、エリアス人の姿を取り、周辺に残った残党処理をしながらスフラで暮らしているらしい。見た目はコロンに近づけており、ぱっと見た感じだと姉妹のように見える。だが普段の生活のだらしなさを見ているとコロンのほうがよっぽど姉のように見えるらしく、町人はそんな二人をほほえましく見ながら過ごしているそうだ。







「以上が事の顛末となります。アガレス王国としては、南の拠点に水の竜神の加護を得ることができ、亡くなった者たちには申し訳ないですがかなりの成果をあげることとなりました。」

「そうか。報告ご苦労。下がってよいぞ。グラ。」

「はっ。失礼いたします。国王陛下。」


ここは王宮、だがエレナのいた離宮ではなく本宮の中、謁見の間にてアガレス国王グラッセオに報告を終えたグラは静かにその場を去った。


組織において、上の判断を待たず独断で行動する者は忌み嫌われやすい。結果が伴ったから良しという訳ではなく、二人に対して難色を示すものも多く・・・いなかった。


多少の説教こそあったものの、基本的に国王は大雑把な性格をしているらしく、仕える者たちも"まあいいか"の精神で今回の顛末を最小限の被害と特大戦力の増強になったと素直に喜んでいた。


だがそれでも、怒る者もいた。謁見の間から出てきたグラの首根っこを捕まえ連れ去る女性が一人。反対の手には同じように捕まるエレナがおりすぐ近くには同じような顔をして怒っている男が歩いていた。


「エレナ!グラセナ!あなたちは一体何をしているんですか!」


個室に入り慣れた手つきで防音の魔法を貼り、二人を正座させてからノエル・コートフール・アガレスは雷を落とした。

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