クリスマス事情
なにがクリスマスだ。
クリスマスが何だって言うんだ。
クリスマスなんてクソくらえだ。
赤や白やキラキラツリーのクリスマス一色になっていく街は、俺にとって恐怖でしかない。
特に、赤い服着て赤い帽子かぶってニコニコしながら客と話している奴!
虫唾が走る!
何でみんな、クリスマスってだけであんなにはしゃぐんだ!
クリスマスなんてツリー見てケーキ食うだけだろう。
まぁ、子供はプレゼントとか貰うんだろうけど、そんなもの誕生日に貰うか自分で買え!
人に頼るな!親御さんだって苦労するんだぞ!?
しかも、ホワイトクリスマスだぁ?
雪なんていつ降ってもみんなはしゃいでるじゃねぇか!
しかも、寒くて仕事どころじゃねぇよ!
あぁ!?お前誰だよ、だって?
サンタクロースだよっ!!
「クリスマスっていいよね〜。街中キラキラしててさぁ。サンタの格好してる人とか見たらなんか嬉しくなっちゃうよ。みんな楽しそうなんだもん♪今年はホワイトクリスマスにならないのかな?雪が降ってくれれば仕事も楽しくなるのに・・・・・・ねっ!サンタクロースさん♪」
こいつは、俺の意見をことごとく否定しやがって。ていうか、俺の心の中見えてるのか!?それとも俺声に出してた!?
「あははは。心の中なんて見えるわけないじゃん。もちろん声にも出てなかったから安心して♪」
「やっぱり見えてんじゃねぇかっ!」
「見えてない、見えてない。カンだよ。カ〜ン♪」
どんなカンだよ・・・。というか、
「着替え中に入ってくるな!」
「なによぉ。私とあなたの仲じゃない。なにを今更」
「お前とは仕事仲間だ!それ以上でもそれ以下でもねぇ!」
「まっ!折角、遅いから心配して呼びに来てあげたのに。見返りも求めず、あなたの為にせっせ、せっせと働いている私に対してその言い草っ!傷ついたわ。深く深く胸をえぐられたように傷ついたわ〜。」
遅いから呼びに来たと言うわりに、さらに遅らせてるのは誰だよ。
「ほら、用意ができたから行くぞ。早くしないと夜が明けちまう。」
「はぁ〜い♪それにしても、そんなにサンタの仕事が嫌なら止めればいいのに。他の国担当の人に代わってもらうとか、あげたことにするとか・・・」
「そんな事したら、他の人が大変になるだろうが!それに、折角清い心を持っているのに何も無しじゃ可哀想だろう。」
「・・・・・あなたって悪人になれないタイプよね〜。」
「うるさいっ///早く行くぞ!清い心の持ち主の場所は把握できてるな?」
「もちろん!トナカイをなめないでよ♪」
普通のトナカイは、人間に化けたり、心の綺麗さなんてわからないけどな。
「さぁ、今年も頑張って行きましょう♪」
ちゃんと夜明けまでに間に合うのだろうか・・・。
.*';+゜☆ Merry X'mas ☆.*';+゜