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神魔大戦 Hero&Forces  作者: 岸野 遙
スタートフェイズ
25/40

レベルアップ&デュエル勝利

「レベルアップ、おめでとうございまーす☆」


 両手に持ったぽんぽんを振り上げ、ローラがぴょんぴょん跳ねてはしゃぐ。

 短いスカートの裾が揺れるが、とりあえずややおばんの絶対領域になど気を引かれてたまるものか!


「毎度まいど、色々頑張るな?」

「ええ、デュエル中の説明以外には暇ですから」


 いや、前回のレベルアップからずっとデュエル継続してたんだが。

 ネタのストックはばっちりと言う事だろうか。


「竜太様こそ、私が頑張ってお祝いしても、全然喜んでくれませんよね……傷ついちゃいます」

「そんなことない、喜んでるし、すごく楽しみにしてるさ!」

「私からもらえるカードを、ですよね?」

「うん」


 当たり前だろう、カードを開ける時のわくわくは止まらない!


「……はあ。

 分かってましたよ、分かってましたもん。くすん」


 もちろん……ローラにも、感謝してるつもりだ。

 感謝と言うか、頼りにしていると言うか。

 仲間って、多分こういう感じなんだろうと想っているよ。



 前回は、ここぞというタイミングで迷子の軍勢をもらった。

 おそらく、ローラか女神おばんの意思が反映されていることは確かなんだろう。


 今回はデュエル後だし、何らかの意図はないかもしれないけど。

 でも、そもそも盗賊たちに勝てたのだってローラの協力があればこそだ。


 ありがとう。と、心の中で想ってる。

 こ、声に出すとか恥ずかしいし!


「……声に出すとか、恥ずかしいんですかぁ?」


「―――え?」


「感謝して頼りにして仲間だと想ってて、深く感謝してるとか」


「あー、あーあーあー! 聞こえなーいーしー!」


 ぎゃああ、やめて、やめて!

 心の声を暴露しないで、これは辛い!


「ありがとうって感謝してるとか」


「知らねーし、オレは感謝なんてしてねーし!」


 にやにやしているローラが辛い! 憎たらしい!


「可愛いローラちゃんにくらくらしてて、翻る短いスカートの裾の内側が気になっちゃったりするとか」


「いや、それは普通にないな」




 血で血を洗う闘争が終了しました。

 辛かったです。色んな意味で。


……浮かれてるんだろうかなぁ、オレもローラも。

 馬鹿騒ぎしてるなぁと思う。別にいいんだけどさ。


「今回はレベルアップに加えて、初デュエルの勝利報酬も同時にお渡ししちゃいます」

「ああ、戦闘で勝った場合ももらえるんだっけ?」

「はい。

 と言っても、こちらはレベルアップでお渡しするカードと比べると、弱くてレアリティの低いカードになりますけどね」

「いや、レベルアップだけだといつまで経ってもデッキが組めないし。

 弱いカードでも、今は枚数が欲しいとこだからな。助かるよ」

「さすがデュエリスト、その辺はしっかりご理解いただけていて何よりです。

 では、こちらをどうぞ」


 ローラから渡された2枚のカードを確認する。



【揺らめく大地】 レベル1 スペル

 対象の軍勢ユニットに、2ダメージを与える。


【魔力還元】 レベル1 リザーブ

 自軍の0レベル以下のユニットおよびエンチャントを全て送還する。送還したカードの召喚コストと同じだけのマナを、このターン中に限り上限を越えて回復する。



「今回の盗賊たちは、精鋭カードとして戦うことになったけど。もっとオレが強ければ、軍勢扱いでまとめて蹴散らせたのかな?」

「そうですねぇ……

 相手が集団で行動しており、特に個人の強さなどにばらつきがなければ、軍勢として扱うこともできると思います。

 今回の場合はばらばらで家の中に侵入していたので、軍勢扱いは難しかったですね」


 なるほど。

 足並みがそろってて、まとめて処理できる必要があるようだ。

 確かに、戦場にいない盗賊までまとめて倒れたりしたら変だしな。


「わかった、ありがとう。

 デュエルも終わったし、あとはターンが過ぎて村人が戻ってくれば全て完了だな」

「はい。初勝利、おめでとうございますね」

「半分はローラのおかげだ」


 オレの返事に、嬉しそうにうなずいたローラが、片手を挙げてみせた。


「……」

「……(にこにこ)」


 カードを持ったオレの右手を見て、挙げられたローラの右手を見る。


「……」

「……(こくこく)」


 まあ、そういう意味だよな。


 嫌がる理由もないかと、手にしていたカードをポーチにしまい。

 オレもローラと同じように、右手を挙げて。


「初のタッグマッチ、大勝利です!」

「ふはははは、我が陣営に敵なし!」


 音高く、オレ達二人は手を打ち合わせたのだった―――


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