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神魔大戦 Hero&Forces  作者: 岸野 遙
スタートフェイズ
16/40

お友達&デッキ

 今も、こう。心の中から、ふつふつと湧き上がる。

 そんな幸せの余韻を噛みしめつつ、貸してもらっている部屋でひといき。

 お友達のミーネちゃんは、無理は出来ないということで午後のお昼寝中だ。


 オレ?

 添い寝……こほん。一緒に寝たかったけど、断られちゃったので一人でお部屋です。

 カードの確認もしたいしね。




 所持する10枚のカードを見る。

 いつの間にか持っていたマスターカードと、決勝前に女神おばんからもらった宣誓カードはデッキに入れられない。

 それらを除いた8枚が、デッキに入れることができるカードになる。デッキは80枚だから、1割だな。


 今日中に戦闘があるか分からないが、デッキ構築についても試しておきたい。

 というか、早く幼女を召喚したいし!

 レベルアップはしないから、レベル1カードしか使えないけど。それでも、玖瑠栖や華惧夜たちがいる。

 おやっさんの形見である『極光翼の不死鳥オーロラフェザーフェニックス』だけは例外だが、それ以外は幼女ユニットしか使わないのがオレのポリシーで正義。

 こっちに来てエンチャントとか試しに使ってしまったが、それはそれ。

 まずはデッキ構築をして、幼女☆召喚を試そう。


 とりあえず、冒険道具セットはデュエルとしては使っても意味がないよな。

 あとレベル1ではないカード、不死鳥とリオリちゃんとふわふわの毛玉も入れる意味はあまりないだろう。

 ゴブリンと犬とマグロについては、レベル1なんだが幼女ではない。なので入れる意味もない。


 あれ、となるとぎりぎりで初心者の盾ぐらいしか、入れる意味ないんじゃね?

 どうしようか。でもせっかく初めて手に入れたカードだしなぁ。


 ちょっと悩んだけど、結局今回はお試しのデッキ構築だし8枚全部入れることにした。

 そんなわけで、8枚のカードをホルダーに重ねて呟く。


「デッキ構築」


 黒鶴がわずかな光を発し、気づけばホルダーに80枚のカードの山がセットされていた。


 これが、異世界での初デッキか。まだカードを引いてさえいないが、テンションが上がりまくるな!


 今後は、デッキ構築のためにかっこいい口上やポーズを考えようなんて思いつつ。

 マスターカードと宣誓カードを黒鶴にセットする。


 この宣誓カードって、あれだよな。

 いや、今はとりあえず考えなくていいか。




 さて、黒鶴を構え、右手でそっと触れ。

 いざ―――


「……あれ。

 これって、敵がいないでデュエル開始したら、どうなるんだ?」


 とりあえず、ポーズを解いて座り込む。

 困った時は、黒鶴さんで説明を再確認だ。



……確認しました。特に書いてません!


 関係があるとすれば、これくらいかな?

『④ ターンは一定の時間や戦闘の状況により遷移する』


 ようするに、敵が居なくても時間が経てばターンは経過するらしい。


 だったらとりあえずデュエル開始しちゃってもいいか?

 うん、いいよね。良しとしよう、早くやりたいし!


「よしっ」


 敵はいないけど、デュエル開始だ!


 もう一度立ち、黒鶴を翳して宣誓をする。


「オレはルールを順守し、持てるカードと知略の全てを込めて、正々堂々戦うことを誓います」


 黒鶴が、デッキが、淡い光に包まれる。

 どうやら準備が整ったようだ。



「……えっと、引いていいのかな?」


 敵が居ないからか、なんだかしまらない気分だ。

 とりあえず山札に触れると、7枚のカードが手の中におさまる。

 ちなみに、先攻の場合は初期手札7枚、後攻なら8枚だ。


 しまらない気分を抑えつつ、わくわくと手札を開き―――


「いや、これはねーし」


 オレは思わず真顔で突っ込んでいた。




 手札。


【ポーン】 レベル1 無属性 攻撃:★ 防御:- 体力:★ 種族『妄想生物』


【ポーン】 レベル1 無属性 攻撃:★ 防御:- 体力:★ 種族『妄想生物』


【ポーン】 レベル1 無属性 攻撃:★ 防御:- 体力:★ 種族『妄想生物』


【ポーン】 レベル1 無属性 攻撃:★ 防御:- 体力:★ 種族『妄想生物』


【ポーン】 レベル1 無属性 攻撃:★ 防御:- 体力:★ 種族『妄想生物』


【ポーン】 レベル1 無属性 攻撃:★ 防御:- 体力:★ 種族『妄想生物』


【初心者の盾】 レベル1 エンチャント



―――以上! ふざけんな!


 ポーンは、逆円錐の身体に球体の頭がついた、ゲームでよく見る居場所マーカーみたいなイラストをしていた。

 目鼻や手足は一切なく、ただただ立体図形を2つ組み合わせただけ。

 そのくせ、無駄にカラフルなのがまたむかつく。


「なんなんだよ、このポーンの山は。

 手札事故ってレベルじゃねーし!」


 ぎりりと力の入ってしまった手を抑えつつ、手札を埋めるポーン達に文句を言う。

 そんなオレに対し―――


「ポーンはデッキ不足を補う、レベル1のユニットカードです。

 こう見えて、意外と可愛いところもあるんですよ?」


 背後から、どこかで聞いた声が掛けられた。





○ ○ ○ ○ ○ ○ < ボクタチ、ポーン!

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ 

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