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リノアの魔道具トリップ   作者: とと


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5/14

ルアナ王国へ①

読んでいただきありがとうございます。

「リノア。荷物が邪魔だけどちゃんと座れるから一緒に乗ろう」

馬車の中をイオ様はガサガサしながら片付けている。


「無理なら私は空を飛んでついていきますよ」


「そういえはその羽はどうなってるの?背中から生えてるの?」


「あ。これは私の作った魔道具で」

私は羽を閉じてリックの形に戻す。


「わあ。 凄いね !これはリノアの魔力を使って動かしているの?」


「はい」


「すごいよ。シュって閉まったよ」


「出すのも簡単ですよ」

もう一度羽を広げて見せ、一気に空に舞い上がる。


「わー。すごい、こんな魔道具見たこと無いよ」

そういってイオ様が目をキラキラさせて手を振っている。

なんだか公爵令息なのにかわいらしい人だ。



バサ バサ。

ゆっくりと翼を動かし、地面に降りる。


「自由に羽を操作するの!難しかったんですけど、少し前にようやく成功したんです」

イオ様に背中を向けて羽を動かす。


「あの……。触ってみてもいい?」


「あ。はいどうぞ……。」

改めて聞かれるとなんて恥ずかしいのかしら。


「わあ柔らかいね。なんの素材でできてるの?僕も魔道具作りには興味があるんだけど不器用でね、でも理論や仕組みの図面をひくのは得意だよ」


「魔道具作りに興味があるんですか?うれしい。もしよければ、ルアナ王国の魔道具を見せて下さい」


「もちろん。公爵家に行けばたくさんあるよ。ルアナ王国では魔石を使って動かすんだ」


「ま 魔石!ルアナ王国には魔石が豊富にあるんですよね。コアナ王国では量は様々ですが多くの人が魔力を持っているので、あまり流通していないんです。でも魔石があれば、魔力量の少ない人でも、仕事の幅が広がると思うんです。だからいろいろ魔石の事や違う国の魔道具について知りたくて!」


思わずイオ様の手を握て、熱く語ってしまった。


「まあ魔石の採掘はしているけど、ルアナ王国でもかなり高価な物だし魔道具自体も貴族でしかなかなか手に入らないからな~」

イオ様がにっこり笑う。


「手を握られて嬉しそうですね。イオ様」

声のする方に目を向けるとモーガン様が私達を見下ろしていた。


「す すみません」

私は慌ててイオ様の手を放す。


「日が暮れてしまいますので、急ぎましょう。今日の宿はこの先の宿場町に予約があります。フロアを借りたのでリノア嬢も泊っていただけますよ」


「いいんですか?」


「おい。宿も決めてなかったのか?」


「ん~。野宿でもいいかなと思って。ほら寝袋やツリーハウスも持ってるし」

ポシェットから寝袋を取り出す。


「わ!そんな小さなポシェットに入ってたのか?それにツリーハウスってなんだ?」


「このポシェットは、なんでもポシェットって言って魔道具なの、見たところは小さいけどいっぱい収納できる設計になってて、ツリーハウスは木の上に私が入れるくらいの箱型ハウスができる魔道具。木の上なら安心でしょ」


「や 安心じゃない!令嬢が一人で野宿なんてダメだ!」


怖いイオ様!眼が本気で怒ってる。お父様みたい。


「さあさあ。続きは馬車の中でお願いしますよ」

モーガン様に追い立てられて私達は馬車に乗り込んだ。


乗ったあともイオ様はまだプリプリしてる。


「イオ様……。」

私はポシェットの中からリンゴを取り出しイオ様に差し出した。人は空腹でイライラするものだ。

リンゴを見てイオ様の顔がパット明るくなる。


やっぱりお腹すいてた!


「やっと名前を呼んでくれたね」


ん?名前。


「イオ様、リンゴ食べますか?」


「ポシェットには食べ物も入っているのか?」


「はい。冷す機能も付いてます」

イオ様は私からリンゴを受け取りひと口かじる。


「うん。ひんやりしていておいしいな」

プリプリはおさまり今度はニコニコだ。こんなにお腹がすいていたなら出発前に、モーガン様にもお渡ししたらよかった。


「イオ様、ところでこの大きな荷物は何ですか?」


「ああこれは、黒水晶のフェニックス像だ」


「フェニックス?」


「フェニックスはバーンズ公爵家のシンボルなんだ。代々後を継ぐ者は現公爵より大きな黒水晶のフェニックス像を21歳の誕生日までに見つけてくるのが仕来りなんだ、俺は来月21歳の誕生日でね」


「それでイルーゾ王国に?」


「あぁイルーゾ王国は黒水晶の産地なんだ」


「黒水晶のフェニックス見てみたいです」


「公爵家についたら見せてあげよう。ところでリノアの背中にいるのは何?」


!!!! 

「 やっぱり見えます?」


「俺はぼんやり霧の塊が見えるだけだ、モーガンも気配を感じられるんじゃないかな?」


「ルアナ王国にイオ様以上に魔力が強い方がいますか?」


「俺が一番強いかな~。俺の次は魔道騎士団の団長くらいだな、大体の魔力持ちはモーガンと同じくらい」


「……。」

私が目を伏せると、イオ様は私の頭をガシガシ撫でた。


「無理して話さなくてもいいよ。リノアが話せるタイミングまで待つ」


その後は魔道具のことに話を移してくれて、あっと言う間に宿場町に着いた。



(#^^#)

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