報告とこれから
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次の日、イオは、セルお父様、グレースお母様、家令のサムエルさんにモーガン、アンナの5人をダイニングに集め昨晩の出来事と、アルトのことをみんなに説見してくれた。
セルお父様が立ち上がり、グレース母様と並んで私達の前に立つ。
「ひとまずはリノア。私達の本当の娘になる決心をしてくれてありがとう。
そしてイオ。お前が素敵な女性に出会うことが出来て嬉しいよ」
セルお父様はイオの肩をバシンと大きな音をたてて叩いた。
「しかし夜遅くまで、令嬢を連れまわしたことは感心しないな」
「すみませんでした」
イオが深々と頭を下げる。
「昨日お灸をきつく据えたからこれ以上言わないけど、いろいろ言われて傷つくのは女性なんだからね」
「セルお父様、お母様すみませんでした」
私もイオと並び頭を下げる。
セルお父様が手を鳴らした。
「さてこの話はここまで。リノアできればアルトを私達にも紹介してくれないかい?
バーンズ公爵家ではアルトのことはひとまずこの5人で情報を共有し守る。
みんなでこれからのことを考えていこう」
「はい。セルお父様。 アルト」
私が声をかけると頭上でくるんと周り、アルトの姿がみんなに見えるようになった。
「あらかわいい。こんなに小さいの?」
「いえ。本当はもっと大きくて、私より一回り大きかったです。
私に憑くようになってこのサイズでいてくれます」
「まあ。アルトくん元の大きさになれる?」
グレースお母様がアルトに話しかけると、アルトはくるんと周りグングン大きくなって私の2倍くらいの大きさになった。天井の高い公爵家のダイニングでも頭がつきそうだ。
「あれ!アルト、大きくなってる。それに羽の先がオレンジから赤紫になってるね~」
「クワ-」
アルトが羽を動かすと用意されていたティーセットがふき飛んで壁にぶつかり粉々になった。
「わー。アルト小さくなって」
私がアルトに手を伸ばすと、グングン小さくなってすっぽり腕の中に納まった。
「すみません」
「クワー」
「いいのよ。誰も怪我がなくてよかったわ」
お母様がアンナに片付けるように促すとモーガンが口を開く。
「ところで、リノア様はアルトがずっと見えるのですか?」
「はい。みなさんに姿を隠してる時は、私には透けて見えています」
セルお父様が、アルトをしげしげと見つめ話し出す。
「リノアはドラゴンの巣に招かれたんだよね、それ自体もすごいことだよ我がバーンズ公爵家は代々フェニックスに守られていると言われることから、私もフェニックス以外の神獣であるドラゴンやユニコーン、グリフィンについても調べたがドラゴンはもともと単体で行動する生物のため群れでいることは少ない。さらに4神獣のなかでも人との関わりを一番避けていると言われているんだよ、他の神獣に比べて目撃数も少なく、ほとんどの者が見ることもないまま一生を終える」
「そうだよな。サムエル」
「はい。そのように認識しております。ドラゴンが人に接触するのは非常に稀なこと」
「あの日は、私が魔道具の新作を試している時に招かれたといいますか……。肩を掴まれ連れて行かれて、最初は食べられるのかと思いました。行ってみると数匹のドラゴンの中に怪我をしている子がいて、手当させてもらいました」
そう言えば足の傷は良くなったかしら?
「いやしかし知れば知るほど、リノアは凄い子だね」
「本当にね。家の人嫌いがリノアに好きになってもらえるなんて奇跡ね」
お母様の言葉に思わずイオを見上げる。
イオを早く私の家族にも紹介したいな。
「セルお父様。その怪我をした子も気になるし、エバンス伯爵家にもいろいろちゃんと説明しないといけないので、一度コアナ王国に戻ろうと思うのですが……。」
イオが私の肩を抱く。
「俺も一度リノアのご両親に挨拶をしに伺います」
「そうだな。釣書は既に昨晩早馬で送ってある、もうそろそろつく頃だと思うがね。二人で行ってくるといい」
お父様もノア兄さまもきっと驚いているわね……。
「まあまあ。それなら何をお見上げにしたらいかしら、あちらのお母様はどんなものが好きかしら?
アンナ、忙しくなるわよ♪」
お母様はアンナを引き連れ意気揚々と部屋を後にした。
「明日の朝に出発で良いでしょうか公爵閣下」
「ああ。そのように今すぐ先ぶれを早馬で」
「畏まりました」
サムエルさんとモーガンも準備のために部屋を出ていく。
三人になると、お父様は私とイオの手を取った。
「直ぐには難しいかもしれないが、リノアがこの国でドラゴン憑きを隠すことなく、のびのびと生活できる未来を手にできる様に力を尽くそう」
そういつとお父様は、イオと私とアルトをまとめてぎゅっと抱きしめた。
(*^-^*)




