告白
読んでいただきありがとうございます。
「私、みんなに隠していることがあるの」
私がそう言うと、イオは私を抱きしめたまま答える。
「俺もリノアに隠していることがある。ごめん」
太陽が沈み切り差す光は灰色の空に混ざって、足元の影が薄くなった。
イオは私の肩に頭を乗せ話を続ける。
「俺……。最初からリノアの背中にドラゴンがいるって知ってた。
ぼんやり見えたんだ。こんな大きな秘密を出会ったばかりの俺たちに話さないのは当然だ。
リノアは悪くない」
私はイオの背中に手を回し、シャツをぎゅっと握った。
「お父様に……。ドラゴン憑きだと言われたの。
ドラゴン憑きは、ドラゴンの力を自由に使える可能性があるから……。
周りに知られたら、王宮に閉じ込められるって……。」
「俺がそんなことさせない」
「私と一緒にいたら、バーンズ公爵家のみんなにきっと迷惑をかける」
「迷惑なんて誰も思わない」
「一緒にいても迷惑にならないの?」
イオと、みんなと一緒に居たい気持ちと、迷惑をかけたくない気持ちとごちゃまぜになって私の眼からハラハラと涙がこぼれイオの胸を濡らした。
「問題はみんなで解決したらいい。バーンズ公爵家はリノアを守る。
それにエバンス伯爵家のみんなも同じ思いだろ」
そう言ってイオは体を離し、私の両頬をつまんだ。
「イヲゥ。顔がのびしゃう」
ふたりでにっこり微笑むと、アルトが私とイオの顔の間に現れた。
「アルト♪ イオにもみんなにもアルトを紹介できるよ」
私はアルトを両手で持ちイオに差し出した。
「ちゃんと挨拶するのは、初めてだね、アルト。
俺はルアナ王国、バーンズ公爵家のイオと申します」
「クワ-」
アルトは返事をするとともにイオの頭をガジガジとかじる。
「アルト。かじっちゃだめよ」
慌ててアルトを引き離す。
「痛くはないけど……。時々かじられるんだよね」
イオが私に抱っこされたアルトの背中を撫でる。
「わあ。すべすべで気持ちいいね、初めて触れられた!
俺がリノアの側にてもいいってこと?」
アルトが羽をバタバタさせて「クワ-」と大きな声で鳴いた。
「いいってことかな?」
「いいってことじゃないかな。ねーアルト」
アルトが私に頬ずりをする。
「じゃあ。アルトの許可も下りたところで」
突然イオが私の前に跪く。
「リノア。俺とずっと一緒にいてください。
リノアとアルトが幸せに暮らせる様に、俺が全力で守ります」
イオが私に手を差し出して頭を上げ、私の瞳を食い入るように見つめる。
「リノアのことが大好きです。
自分より大切に思う人に初めて出会いました。
俺の手を取ってくださいお願いします」
私は迷わずイオの手を取った。
なんだか心配や不安はイオの言葉で全部吹き飛んだ。
「私もイオが幸せになれる様に頑張ります。
私をイオの隣にいさせてください」
「やったーーーー。」
イオは私を抱き締めぐるぐると回る。
「イオ-。目が回っちゃうよ~」
アルトがまたイオの頭に噛みついている。
「あははは。」「クワ-」
勢いあまってふたりと一頭で砂浜に転がった。
寝ころんだまま星空を眺めながら私はイオの手をしっかりと握る。
「よし。アンマラ食べよう」
私達は浜辺の流木に腰かけて、アンマラを食べながら自分達の今までのこと、アルトとの出会いからエバンス伯爵で相談したこと、お互いの家族のこと……。
他にもいっぱいいっぱい話した。
いつの間にか、二人を見下ろす月が高い位置まで上がっている。
慌ててバーンズ公爵家に戻ると、仁王立ちしたグレース母様とアンナが待っていた。
馬車で待機していたモーガンもろとも厳しいお叱りを受けた。
幸せになーれ(*^^*)




