魔石と魔道具と海
読んでいただきありがとうございます。
事件の後 私は、グレースお母様とイオの厳しい監視下に置かれ数日間はお部屋で過ごす日々となった。
そしてついに今日は外出解禁。
魔石と魔道具を見に、イオと出かける約束だ。
「リノア 支度はできた?」
「はい。準備万端です」
私は動きやすいワンピースに帽子。
髪は帽子の邪魔にならない様にアンナがかわいく編んでくれた。
イオもいつもよりラフな格好だ。
「まずは魔道具博物館だ」
イオは私の手を取り馬車に乗り込む。
馬車から見える町の景色は、とてもカラフルで活気がある。
「この奥に続く通りがマルシェになっているんだ。
いろんなものを売っているけど、ルアナ大国は果実が特産でいろんな種類があるよ」
「あの図鑑で見たオレンジ色の甘い果実もありますか?」
「もちろんアンマラもあるよ、お店によってはカットして直ぐ食べれるようにしていたり、ジュースにした露店もある」
「わあ。行きたい」
「帰りに一緒に行こう」
「うん」
町並みを見ながら話をしていたらあっという間に魔道具博物館に到着した。
「わあ。大きな建物ですね」
「ルアナ王国で魔道具図作りが始まったのは今から500年くらい前だと言われている」
「コアナ王国よりも歴史が古いですね」
「そうだな、ルアナ王国が各国の中でも魔石が一番とれるからね。
そうだ博物館の横に小さいけれど実際の発掘場もあって見ることが出来るよ」
「見たいです!」
じゃあままずはこっちの展示から。
イオに手を引かれて館内を進む。
それにしても馬車にのる時からずっと繋がれたこの手のつなぎ方は……。
恋人つなぎと言うものではないのかしら。
私はそういったことに鈍いのだけれど普通なのかしら?
私の手のひらに、イオの手のひらの熱が直接伝わって……。なんだかドキドキしてしまう。
「ほら俺が一番最初に作られた魔道具だよ、火を起こすための物らしい」
「ん~。やっぱり生活に係わる道具から生まれたんですね」
初期の魔道具は四角いかたちで上の部分に凹みがあり中心に穴が開いている。
横に着いたつまみを回すと魔石が反応して穴から火が出る仕組みのようだ。
今は音楽が鳴ったり、写し絵が取れたり趣味のための魔道具も多いがやはり生活を豊かにするために魔道具は大切だ。
「これはさすがに分解するのは無理だぞ」
しげしげと魔道具を見つめる私をイオがからかって笑う。
「もーイオ、さすがにそんなこと言いません」
「すごい眼差しだったからな~。次はこっちだ」
次々に展示を見て回り、魔道具の歴史を知ることが出来た。
やっぱり魔石がもっと安価に流通すればいいのに……。
展示の最後に魔力を使い果たした魔石の山が展示されている。
「イオ。バーンズ公爵にも使い終わった魔石がありますか?」
「ああ。たくさんあると思うよ、たいていは庭師のサムが仕事に使うために貯めているはずだ」
「帰ったらひとついただいてもいいですか?」
「もちろん」
それから私達は魔石を掘り出す所を見せてもらい、掘り出すのは大変な作業であることが分かった。
「魔石が高価な理由がわかりました。命がけですね……。」
安価になんて安直に考えた自分はまだまだ未熟だ。
情けなくて肩を落とす。
「リノア。元気出して、次はマルシェに行こう。マルシェを抜けると海だからよっていかない?」
「もちろん行きたいです!」
私達は、活気あるマルシェを見て回りアンマラのカット盛りと冷たい紅茶を買って海にでた。
「わーーー。イオ 凄いよ。広い~」
夕焼けにキラキラ光る白い砂浜の先に見渡す限り海が広がっている。
海の色は、夕焼けに照らされたオレンジとその周りは深い青、その奥は紫色とグラデーションになっている。
「きれいだな~。俺とリノア、二人の瞳の色が混ざったみたいだ」
繋いだイオの手に力が入る。
見上げると真剣な瞳と眼があう。
イオの青い瞳に夕焼けの赤が差し込み瞳の奥が紫に見える。
私はこの真直ぐで綺麗な瞳に、嘘をついている自分が嫌になった。
「イオ……。私」
イオが優しく私を抱きしめる。
「大丈夫。ちゃんとわかってるから」
「うんん……。私、みんなに隠していることがあるの」
(>_<)




