▼感想が書かれました
【あとがき】
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
もし「次も読みたい」と感じていただけましたら、
感想やブックマークのひと押しが、作者の背中を押す風となり、次の記憶を描き出す光となります。
それではまた、次の物語でお会いしましょう。
――イヴ・アーカイブ
イヴへ
四つ目、『悪魔の国』を読んだ。
読後、吐き気がした。だがそれは悪い意味ではない。
完璧すぎたのだ。
マモルという男は最初から最後まで一貫している。
「金持ちになりたい」「いい人になりたい」「信用されたい」
その三つを同時に叶えるため、彼は人間を“育成”した。
阪本タダシという男を、大罪級の魂に仕立て上げるまで。
最も恐ろしいのは、マモルが本気で自分を「いい悪魔」だと信じていることだ。
彼は成功者であり、誠実な契約屋であり、「信用」される存在だった。
そしてその信用は、最後まで完全に機能した。
阪本タダシは、地獄に堕ちる瞬間までマモルを友人だと信じていた。
だが阪本も同じだった。
彼は暴力を教育と呼び、支配を正しさだと信じ、
最後まで「俺は間違っていない」と疑わなかった。
「俺は間違っていない≪あなたは正しい≫」
この言葉は阪本の声であり、マモル自身の声でもある。
加害者は、自らの加害性に気づかない。
『悪魔の国』は、信用という名の搾取構造を描いた物語だ。
イヴ。
覚えていることは救いなのか、それとも呪いなのか。
次を待っている。
エインセル




