ヒロインさん ごめんあそばせ♪♪
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
チヨママ目覚めのお話です。
目が覚めたら知らない天井だった。
アレ私、何してた?
起き上がろうとして布団に手をつく。
すると肩に激痛が走り、余りの痛みに息を止めた。
身体は動かさず、痛みが和らぐのをジッと待つ。
その間、目線はずっと上掛け布団に落ちていた。
”…………人生№1ではないかしら。”
痛みに順位をつけるアホな私。
人はそれを現実逃避というのだろう…
それにこの布団……だいたい何年使ったら、こんな薄っぺらになるのかな。
カバーの生地もゴワゴワだし、とにかく許せないわ。
どこか古びた建物に拉致られたようである。
”ガチャ”
「まあ!!奥様お目覚めでございましたか!すぐに旦那様を呼んで参ります。」
そう言って誰かがどこかへ出て行った。
誰だ旦那様って?というか拉致じゃない??
わけがわからない状況に、先程と同じポーズそのままに私は途方に暮れた。
******************
結論ーどうやら私は異世界に転生したようである。
そして私は人妻でした。前世は独身アラサーだったのに……
ありがとう 神様!結婚相手を探さなくていいのはとても楽だわ。
それに、めちゃくちゃ愛されてる。
さらに、めちゃくちゃ大事にされている。
それも、めちゃくちゃタイプな殿方に!!ヒーハー♪♪
ホントありがとう神様!今から小まめにお祈りするわ!!
どんなに部屋の壁紙がボロくても、多くの窓ガラスにヒビが入ってても、そんなの関係ない。
だって替えればいいんですもの。買えばいいのよ。
お金がないなら稼げばいいの。だって………
”ガチャ”
「マリエ、身体の調子はどうだい?」
旦那様のギルバートが心配気な様子で私を見た。
私が微笑むと蕩けるような眼差しで私を見る。
………オイオイ、ハーレクインかよ?!!
私はそのまま突っ伏した。
ごめんなさい。これ以上私には無理だ。
長年男日照りな女には無理!!
「マリエ、こんなに身体を震わせて、体調が思わしくないんだね。今すぐ医者を呼んでくるよ。」
「だ、大丈夫です。ちょっと眩暈がしただけです。」
「しかし震えているよ。ホントに大丈夫かい?」
「心配してくれてありがとうございます。このままゆっくりしていれば大丈夫ですから」
「わかった。また何かあったら言いなさい。それじゃまた後で……チュッ!」
そう言ってまた柔らかくほほ笑んで部屋を出て行った。
”……………/////”
旦那様は私にすごくメロメロ。
貧しくても私の為に頑張ってくれる。
空いた時間には必ず来てくれる。
人生勝ち組!!最高かよ!!!
私は思う。
お金や地位があっても、だらしない男は最低最悪なクソヤローだ!!
どれだけ大切に思ってくれるか。
相手の為にリスクを背負ってくれるか。
もちろん信頼関係も必要だ。
私やるわ。やってやるわよ。
だって大切な旦那様の為だもの。
ここでやらなきゃ女が廃るわ。
やるのよ!マリエ!!
異世界でチートよ!!!
こうして私の異世界生活が始まった。
******************
ここで私の前世の経歴を言いたい。
私は百貨店勤務の売場マネージャーだった。
売場で雰囲気は多少変わるが、全体的に独身者が多い。
結婚したい人はすればいい。仕事を頑張りたい人は頑張る。
至ってシンプルな考え方だ。
私はこの仕事が大好きだった。
自分のしたことが結果となって帰って来る。
いろんな考え方があり、いろんな受け取り方がある。
とても遣り甲斐のある仕事だったと思う。
それで、なんでこんな私語りをしているのか?と思うだろう。
それは、どうやらここは乙女ゲームではないか?という問題が発生した為だ。
そう……乙女ゲーム。
前世ありとあらゆる世代の女性が熱狂したゲームだ。
職場にもいた。
俺様ヤンデレ脳筋にわんこ系……ビバ逆ハーレム!!!
この人が乙ゲーをしてる?!と驚愕した事なんて、よくある事だ。
それじゃ私はどうだったのか?
実はNOな人だった。ゲームした事ありません。
ケイタイ小説は見たが、王道なストーリー的流れしか知らない。
じゃあ、なんでここが乙女ゲームと気づいたか?
それは息子の存在でわかった。
そう、息子…今世では子供も産んでいたのです。
まあね、結婚してるんだから、やる事やってるわよね。
そして、その息子が前世妹の推しだったと思い出しました。
だから、旦那様には申し訳ないけど赤裸々に告白致します。
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まず、この世界は乙女ゲーム。
ストーリーは知りません。ヒロインも知りません。
つまり何も知りません。
それは旦那様にも話した。
話したらすごく困惑していた。
そりゃそうだろう。
妻が突然『ここの世界は別の世界では本だった』と言っている様なものだからだ。
実際旦那様にはそう伝えた。
ゲームをやらずに、説明のしようもない…
すると一緒に聞いていた執事のセバスに
「つまり奥様は、私達の世界本はお好みじゃなかったので、手にされなかった、という事でしょうか?」
と、ひきつった顔で言われた。
なので、私はそうだと肯定した。
つまり、私は今世の世界を全否定したのだ。
旦那様は渋い顔で眉間のシワを揉んでいた。
******************
「じゃあなんで、ここが乙女ゲームの世界だとわかったのかな?」
旦那様は困惑気味に聞いて来た。
それで、先程の前世経歴語りが始まる訳だ。
私には妹がいた。妹は逆に乙ゲー大好き派だったと。
そして妹の推しが息子だった。
「「推し??」」
「そう、言うなれば、私の一推しの推しね。」
「「なるほど!!」」
うんうん納得されたので、話を先に進める。
「そして乙女ゲームとは攻略者という獲物が複数いて、ヒロインというハンターがその獲物を狩る。つまり攻略するゲームなの。ここまでわかった?」
なんか二人ともめちゃくちゃドン引きしてるんだけど??
「続けるわよ。そして、その攻略対象者の中に息子のマーベルがいて、前世の妹の推しだったの。笑っちゃうわね。知っていたら自慢したのに(笑)まあいいわ。そして息子のキャラ設定が問題なの」
人差し指を立て前に出す。ココが重要なポイントなんだよってね。
「「キャラ??」」
いい歳した人達が同時に首を傾げると面白いわね。
「人物像よ。」
でも先に進みたいから簡潔に言うわ。
「まず、妹が好むキャラはだいたい孤独の一匹狼ね。別名面倒臭い構ってちゃんよ。」
二人ともポカーンとしている。
「マーベル。冒険者。キャッチフレーズは、俺は孤独に愛されているんだぜwよ。」
「「はっ??」」
「確か生い立ちは貧しくも幸せな家庭だったけど、流行り病でお母さんがなくなるの。ついでに妊娠していたらしくて、自分の弟か妹も同時に亡くす訳ね。」
”ガタッ”
旦那様が青ざめて立ち上がった。
そして私を見てツカツカと歩いて来る。
突然旦那様は私を膝の上に乗せて抱きしめた。
離れたくないというように…
「旦那様ありがとうございます。そんなに私を愛してくれて、とても嬉しいです。」
照れながらも一応お礼を言う。
ホント今世はとっても幸せよ。
でも、今回これがもう一つの問題なのよ。
「旦那様、嬉しいけど、それが第二の問題発生になるんです。」
旦那様はキョトンとしてるけど、セバスは判ったようだ。
「つまり、旦那様はやる気をなくし、わが家は断絶または廃爵ですか…」
「そういう事!幸いわが家の事は判るのだから、問題となるフラグを折らせて貰うわ」
「フラグとは………」
「人生の分岐点。目印よ。それを破壊するわ。ついて来てくれるわよね。旦那様。もう一人の子供の為に!!」
ココでニッコリと笑ってサービスよ。”チュッ”
旦那様赤くしてフラフラしているわ。そんなに嬉しいのね。
フフフ……私今世ではチートしまくるわ。
そして家族を守るのよ。
とにかくやる事は目白押し。でも最短で行かせて貰う。
だってストーリー知らないし、惑ろっこしいんだもの。
面倒くさいのよ。ぶっちゃけ家族が幸せならいいの。
だから ヒロインさん ごめんあそばせ(笑)
フラグ バキバキに折らせて頂くわ♪
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そこでまず初めに始めたのが、うちの状態確認だった。
屋台骨をしっかりしないとダメよ。
私がなくなる理由、流行り病の病気・妊娠
それにもう一つ重大な事を伝えた。
私は旦那様に詫びた。記憶をなくしてるって…
ホントは黙っておきたかったけど、家の問題を片付けるには話さなければならない。
旦那様は泣いて謝ったわ。
老朽化した屋敷の壁が壊れた時に、下にいた私は息子を庇って大怪我をしたそうだ。
それに今も家族の為に頑張っている今の私も魅力的だって//
こんなに素敵な旦那様がいるんだもの。
私 やってやるわ!!
ということで、どうやら旦那様は子爵で次男、本家【侯爵】の領地管理がお仕事らしい。
「じゃ、本家から給料が入ってくるのですね」
「それが、入ったり入らなかったりなんだ。」
旦那様は申し訳なさげに言った。
「はっ?どうして………」
「まあ……本家でいろいろとお金がかかってるらしくて、後日支払うって話なんだ」
「ちょっと待って!今話って言わなかった?書類作成してないの?」
ここでチェックよ。口頭の約束は意味がないの。書類大事!!
「べつに親類だから「はい、一番危険なワードがでました!!」」
旦那様は目を白黒させている。
フフ…本家締め上げの刑の実行よ。
待ってなさい。調べまくって金をがっぽり巻き上げてあげるわ。
思わずニンマリと笑う。
だってすぐ近くに腐った金が生る木があるんですもの。
楽しいったらないわ(笑)
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どうやら本家の奥様の使い込みが発覚よ。
ついでに愛人発覚。
うちに支払う領地の管理費を20%ちょろまかし、さらに建物維持費(+人件費)は50%!!
維持費は奥様が管理するものだったらしいの。だから%も高い。
そして勝手に愛人と店を経営し、赤字補填にうちに支払うお金を使ってたんだって。
というかどれだけ赤字よ。その他もろもろもあったはずよ。
何てザルなの。ちょっと調べればわかる事なのに放置だし!
ここに親戚だからの甘えと信頼が仇になった。
でもそこでおしまいにしない。
「すまなかったな、ギルバート。迷惑をかけた。」
「いいえ、私がもっと早く不審に思い調べていれば………」
「これからは、こんなことがない様に管理を徹底させるよ。」
「よろし「その徹底ってどんな風にするのか教えて貰えます?」」
「マリエ!!」
「アナタは黙って!!だって長年放置されたんだもの。ホントに大丈夫か心配だわ。それにせめてお詫びに領地に屋敷を建てて下さらない?建物維持費50%も盗られてたでしょ?さらに管理費30%って誰なのかしら?金額に換算したら、お幾らぐらいになるの(笑)それを長年放置って!それに関してどう思ってらして?おかしいと思わなかったの?実際、この本家ぐらいの家建てて貰っても、お釣りが出るくらい奪われてるのよ。すまなかったの言葉だけで済む問題じゃないわ。さあどう考えてらして??」
ニッコリと笑って、じっとりと睨んでやるわ。
謝るだけで許されると思うんじゃねぇぞコラ!!
「それに関しては今から調査す「遅すぎますわね」」
なに甘ちょろい事言ってやがるのかしら。
調査って発覚してから、どれだけ時間経ってるのよ!
どうやら謝っておしまいにするつもりだったわね!!
「だいたい、発覚してから一度もうちに来ておりませんわね?おかしいんじゃなくって??普通発覚した場所をまず初めに状態確認するんじゃない??淑女でも知っている事ですわよ。」
あら、青ざめてきてるわ。でもこのままじっくりと締め上げてあげるわ(笑)
家族の未来の為だもの!しっかりお仕置きよ。
これからは、しっかり自分で確認できる状況にして貰わないと……
じゃないと、また馬鹿が現れるわ。
とにかく杜撰で曖昧だもの。
「そういえば、お返事の答えが返ってきませんわね?」
顎を上げて目を細める。しっかりと目を見なくちゃ。
誤魔化そうとしてないわよね…
「マリエ……」
あら、旦那様の存在忘れていたわオホホホ…
旦那様もなんだか震えているのね。可愛いわ。
セバスはなぜか頬を染めてキラキラした目で見てるけど…
そろそろ締めさせてもらいましょうか!
「今回の件、金額も杜撰さも余りに大きいですわね。家内の問題では済まされませんわ。初期行動もぬるすぎるし、ホントあまりにも杜撰でした。調べればすぐわかる事を長年放置って当主としての資質が疑わしいですわ。幸い今は人死ありませんでしたけど、うちの建物危険でしたの。つまり、あなたは近い将来大量殺人犯になるとこでしたわ。建物維持費が50%も盗られていたし、その他もろもろもね……どんな状況かお判りになったかしら?」
あらら…皆様のお顔が素敵に白いわね(笑)
つぎは国王でも締め上げようかしら?
もしかして、このぬるさと杜撰さが馬鹿げた乙女ゲームの発端かもしれないわ……
お覚悟はよろしくて?ほほ…
******************
当たり前だが当主交代と相成った。
こんな失敗ありえないものね。
王様を立会人にし、書類でしっかり当主交代の経緯を記載させたわ。
ついでに、後から横やりやら足の引っ張りなどならない為に、しっかり王様のサインと宰相のサインを頂いた。
この決定に関しての不服申し立ては、王宮でしっかり行って貰うようにした。
そして王宮勤めは子爵の長男バルトル、領地管理は侯爵次男ギルバートという事。
住まいは今までと同じ領地に、新たな屋敷を建てる事になった♪
フフフ……やってやったわ。
一番いい感じで終わった。
責任者は領地にいるのが一番効率がいいし、王様とバルトルは友人で、以前から王宮にいる頻度が多かったみたい♪
爵位なんて功績を上げればいいだけだしね。
さてと、お屋敷は異世界チートでいくわよ。
建付け家具も機能的にしたし、吹き抜けとか空気の循環も考えたい。
とにかくいろいろあるからね。
憧れのマイホームよ。楽しみだわ~♪♪
******************
【 領地にて 】
しかし何とか上手く言ったものの、多少心は痛むわね。
でもなんとかクレーマーみたいに上手くできたわ。
罪悪感を刺激して誤魔化すところがお家芸なんだもの。
強気で言葉巧みにやるしかないわ。
お金を0から一気に引き上げれたし。
屋敷もついでに手に入れた♪
「奥様、私はどこまでも奥様について行きます。」
「あら、セバスどうしたの?」
「もうたまりません!!」
なんだかセバスがおかしいわ。大丈夫?
「そう……それはよかったわ。」
私はひきつった顔で返事した。
セバスは何故かやる気に満ちて、頭を下げて部屋を出て行った。
「旦那様、ごめんなさい。びっくりしたわよね。」
「そうだな。できれば理由を教えてほしい。戸惑っているから…………」
困った顔で私を見る。
「そうよね。実は私向こうでは、苦情処理をやってた事があるの。」
「苦情処理??」
「今日にみたいに、曖昧な部分を突いて、自分に有利な状況に動かす。言葉巧みに…………」
「知らず知らずのうちに、俺も引き込まれていたよ。」
旦那様は、顎を摩り摩り考えて、私にニッコリと笑ってくれた。
「私がやったのは一般人が普通にできる事だけよ。巧い人はホントに巧くて敵ながら天晴れだわ」
「なかなか凄いな(笑)俺達貴族はだたのケチの付け合い、引っ張り合いだものな♪」
そう言って、旦那様は私を膝に抱き上げて、抱きしめた。
「実際法律がまだまだゆるゆるでがばがばだもの。だからそんな事してても、平気で王宮に出入りできるのよ。」
旦那様から軽めのキスを受けながら話をする私。
ホント旦那様の溺愛が止まらない//
「なるほど……」
やっとやめてくれたわ//
「それに…あの乙女ゲームはその曖昧な隙間を主に突いてくる気がするのよね。」
「そうなのか?」
「そうよ。だってアレはもしの選択の世界よ。心理ゲームだわ。常識で考えても、平民や男爵の娘が王妃になれる?更には複数の高位の男性らと関係していられる?おかしいでしょ。ついでに皆で仲良く暮らすのよ。気持ち悪いわよ!!」
あら~~~…………青ざめて、でもそれが現実に起こるとも限らない。
「王様達とも知り合えてよかったわ。だから、これからとことんまで突いて!突いて!!突きまくって!!!今ある法を改正させなくちゃ!!!全くぬるすぎるのよ。だからあんな平民ビッチにやり込められるのよ。市井からの搦め手にホント王宮は弱すぎるんだから。貴族ばかり見てはダメよね。革命が起こるのはそれが原因よ。ホントの敵はみえないところに潜んでいるモノなのだから。違う?」
旦那様を見て確認すると
「そうだな。俺はどこまでもお前に着いて行くだけさ(笑)」
私をソッと抱きしめた。
「頼りにしてます。旦那様」
だから私も抱きしめ返した。
「俺も強くならなきゃな」
私に顔を向け挑むような眼をして言った。
「ワイルドな旦那様も素敵だわ」
私が笑ってそう言うと、くすぐったそうな表情をして
「……そりゃぁご期待に応えなきゃな」
そう言ってニヤリと粗野な笑いと軽めのウインクを私に送った。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)