冊子「社会保険」のお話と「樹木希林」さんの名言
私の職場では、毎月『社会保険』という冊子が供覧されています。
頁をめくりもせず、印鑑だけ押して次に回す人が多い中、私はコラムの記事を楽しみにしていました。
少し前までは、歴史上にあった内乱や差別、偏見、奴隷迫害などの本を要約して3頁ほどに纏めて載っていました。
少し殺伐とした内容に思えるかもしれませんが、要約されているうえ全体が把握できるので意外に面白く、奴隷制度の話しでは、恋に墜ちた2人が、雇い主から逃げる為、 女性が貴族の男に男装して逃げ切り、逃亡先でも難を逃れながら生活をし、 奴隷解放の宣言がされると各地で講演してまわって、 迫害されている奴隷達を解放していったというお話だったりしました。
最近は普通のコラムですが、以前載っていた言葉が、なんだか
『うんうん、そうそう』
と言ってしまいそうな言葉だったので、ちょっとメモ書きして残していました。
それが。。。
『社会的に成功している者は、男の場合でも、女性的な感覚を持つ。
世界各国における実証調査によると、人々の不満と苛立ちは、男性の振る舞いに起因する。
多くの人は、男性がもっと女性のような発想をしたら、世界は好ましい方向に変わるだろうと考えている。』
(Jone Gerzema & Michael d' antonio 有賀裕子訳『女神的リーダーシップ』より)
「この本文の内容は、日本人男性も79%が賛成している」と書かれていました。
昔から、『地震・雷・火事・親父』とか言われ、怖いものとして挙げられてきましたが、親父というもの、なかなか頑固者が多くて、意志を替えないことが多い気がします。
もっと女性的感覚があれば、柔軟な考え方が出来、環境も変わって来るのではないか?と思うこともあります。
が、最近の日本では、女性も社会的地位を確立し、男性にも負けないようになってきたと言われます。
強くなるのは良いと思うんです。
でも、女性が男性に対し、どうあがこうが力では叶わないものです。
それを対等にしよう、或いは引けを取らないようにしなければと思い、強さをアピールする。
パワーで敵わなければ、口で対抗する。
それも必要かもしれませんが、傍から見ていても、気持ちのいいものではありません。
女性が男性化してしまうということは、先の『不満と苛立ちは、男性の振る舞いに起因する』と言われることの対象となってしまいます。
私は、常々思っています。
本当の(女性らしい)強さというものは、『芯の強さ』、『心の強さ』ではないのか?と。。。
『大和撫子』と称された人達は、見た目の強さではなく、心(芯)の強さを持ち、
物事を見据え、凛とした立ち居振る舞いをしたのではなかったのか?と。。。
見た目の強さを表現する人よりも、心の強さを持つ人に、人は惹かれるのではないかと思います。
さて、
何気なく読み始めたコラムですが、ドはまりしてしまいました♪
先の歴史の本を要約したコラムは、2~3ヶ月にわたって書かれていたので、次号がくるのを楽しみに待っていました。堅難しい内容のお話しかと思いきや、さらっと書いていてくれたので、本当に読みやすいものでした。
実は、今回のこのお話を読んだ時、思い出したのがあるテレビ番組で見た内容でした。
番組名は忘れてしまったのですが、習字で一人一筆ずつ書いていき、一つの文字を完成させるというコーナーで、それぞれが一筆ずつ、色々と講釈を垂れながら書いていく中、『樹木希林さん』の順番がやってきました。
司会者の方(誰か忘れたけど)の 「習字はされますか?」 という問いかけに
「たしなむ程度に。。」
と答えた樹木希林さん。
でも、「遊」 という文字の「しんにょう」 を一筆書いた時、それは先生も鳥肌が立つくらいの出来栄えでした。
決して前へ出るではなくでも楚々とした佇まいの中に『凛』とした気品があって、他の出演者のように講釈も垂れず、さらっとやってのけた姿に、『あぁ、大和撫子ってこんな人のことを言うんやなぁ。。』 と思ってしました。
もともと、素敵な人だとは思っていましたが、それ以来、樹木希林さんのことが、もっと好きになりました(ちなみに、若い頃の樹木希林さんよりも、歳を重ねた最近の樹木希林さんの方が好きです)。
その樹木希林さんも、先日天に召されました。
どんどん名優さんが亡くなられて、寂しい限りです。
今の若い俳優さん達みたいに、言葉(台詞)が入ってこない、ノリの軽い言葉遣いよりも名優さんと呼ばれる方々みたい、言葉の一句一句に重みを感じる言葉遣いの方が、私には聞いていて心地良いです。
その樹木希林さんの言葉が、最近記事になっていました。
『おごらず、他人と比べず、面白がって平気に生きればいい』
だけど、それって難しいことですよね。なかなか出来ない事だからこそ、価値がある言葉だと思います。