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独り言

作者: うぐ

友達や知り合いは基本的に少ないほうだ。

それでも特別な人が一人そばにいてくれるなら、それで私は十分だと思っている。


朝、まだ日が昇る前に目が覚めた時、


昼間、新しく素敵なレストランを見つけた時、


夕方、帰り道の野良猫が初めて甘えてすり寄って来た時、


夜、大好きなアーティストがでてるラジオを聴いている時、


一緒にその光景を見て、同じ匂いを嗅いで、同じ音を聞いていたいと頭に浮かぶのはたった一人だ。


今何をしているんだろう、今日はどこにいるのかな、私はそれを尋ねる権利をもっているはずである。

しかし、その権利を使って電話をかけるような真似をしたことはない。

せいぜい勇気を振り絞った「金曜日の夜空いてる?」程度のメールが限界だ。


友達の多い人だから邪魔しちゃいけない。

そんな風に私が思っていることすら気づいていないであろう人と一緒にいるのは幸せではないのかもしれない。

でも、こんなちっぽけな本音を伝える勇気はない。

伝えたところで伝わるかどうかも怪しい。


私が好きなのはそこに気づくあの人ではない。



私はきっとこれからも実質片想いを続けるのだろう。


この関係を断ち切る勇気も実行するような決断力も持ち合わせていない。


それでいい、それしかない。


そばにいてくれるだけで十分なのだから、




「今日は月がきれいに見えます」


これぐらいは許されるだろうか。


さみしさは伝わらなくとも、夜空くらいは共有してほしい。


あわよくば同じ夜空を見上げてもらえますように。



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