魔王軍最初の仕事はパシリです
「あんた本気で言ってんの?」
俺はそう最初に言われた。
この綺麗な女性の名前はクロリエ。黒髮ロングの清楚系女子な見た目で魔王軍だから驚きだ。
「あぁ。俺は本気だ。あんな街救うくらいならクロリエさんみたいな綺麗な人がいる魔王軍で魔王様のために働いてる方が断然マシだ。」
と嘘偽りなく話した。
「面白いやつだ。だが私の独断で決めるわけにはいかない。まずは魔王様のところに連れて行く。話はそれからだ。」
クロリエはそう言うと俺に何か魔法をかけて来た。
「なんですかこれは?」
そう聞くとクロリエは
「何もあんたを信用したわけでは無い。魔王様の前で何かされても困る。だから一時的にあんたの体力をもらった。今あんたにできることは歩くことくらいだ。」
と答えてくれた。悪い人ではなさそうだ。丁寧に説明してくれたクロリエを見て俺はそう思った。
魔王ってどんな姿なんだろうか。おじいさんっぽいのかな?それともイケメン高身長だったりしてな。そんなことを思っているうちに魔王のいる部屋に着いた。
「魔王様失礼します。」
クロリエがそう言って扉を開ける。いよいよ魔王とのご対面だ。
「え?」
俺は目を疑った。目の前にいたのは赤い髪をした可愛い幼女だった。
「貴様は誰だ!」
俺は幼女に言われた。
「俺は鈴木悠人。魔王様に話があってここに来た。で、魔王様はどこだ?」
俺がそう言うとクロリエは顔を真っ青にし
「き、貴様魔王様に向かってなんと無礼な!ここで殺されたいのか!!」
と怒鳴って来た。この幼女が魔王!?想像と違いすぎて俺は言葉が出なかった。
「あはははは!貴様なかなか面白いではないか!我に用事とはなんじゃ?」
魔王は怒りもせずにむしろ笑いながら聞いて来た。よかった。助かった。一安心して俺は
「先ほどは失礼しました。私は鈴木悠人と申します。この私を魔王軍に入れてもらいたくお話をしに参りました。」
と次は丁寧に説明をした。
「悠人か。よろしくな。堅苦しいのはやめろ。そう言うの嫌なんじゃ!」
と言って来たので
「わかった。堅苦しいのはやめる。それで俺を魔王軍に入れてくれるのか?」
と聞いた。
「いいだろう!ただし条件がある」
「条件?」
「まだ悠人、貴様を完全に信用したわけでは無い。だからまずはミクニイの街の偵察に行ってもらう。」
「ミクニイの街?偵察?」
俺はそう聞くと魔王は丁寧に説明をしてくれた。
まずは魔王軍の目的。これは魔王軍らしいこの国を支配することらしい。
しかし国を支配するには6つの街を支配としないといけない。街それぞれには長がいてその長は街の中で一番強い人がなる仕組みらしい。その長の強さがわからないらしくそれを俺に調べて来てほしいそうだ。
ちなみに俺が行くミクニイの街は俺が転生して最初にいた街のようだ。
「わかったか?分かったなら行ってこい!貴様一人で行ってへまをされては困る。クロリエ、ついて行ってやれ。ついでにいちご飴も買って来てくれよ!絶対!絶対だぞ!」
「かしこまりました。魔王様。何をぼさっとしている!行くぞ!」
ははっ。最初の仕事は偵察という名のパシリか。俺はクロリエと一緒に魔王軍最初の仕事ミクニイの街の偵察(いちご飴の調達)へと向かった。