俺、魔王軍に入ります
石造りの街並み、露店、馬車。
「おぉ!ここは異世界だ!!」
俺の転生した異世界は俺が思い描いていた異世界を具現化したような場所だった。
今日から可愛い女の子とパーティーを組んでクエストをこなしながら楽しい異世界生活を楽しむんだ!
俺はそう意気込みながらまずはギルドを探し始めた。
「すいません。この街のギルドってどこにあるんですか?」
俺は近くにいた女の人に聞いた。
「ギルドならすぐそこを左に曲がってまっすぐ行ったらところですよ。見ない顔ですが旅の方ですか?」
「ありがとうございます。そうなんです。実は魔王を倒すために遠くから旅をして来たんです。」
「そうだったんですね。頼りにしています。」
ギルドの場所もわかったことだし早速向かうか。
こうして俺はまたギルドに向かって歩き始めた。
しかしこうして歩きながら周りを見渡していると何か違和感がある。
そう、街のみんな顔がブサイクなのだ。
おいおいなんだよ。異世界の女の子はみんな可愛いってのが定番だろ?なのになんだ。なんでこんなにもブサイクしかいないんだ?でもギルドに行けば可愛い冒険者がいるかもしれない。
そんなことを考えているうちにギルドについたので入っていった。
扉を開けるとそこには眩しいほど輝いている美少女....なんていなく、そこにいたのはこれまたブサイクな女性冒険者や男の冒険者だけだった。
「さよなら。俺の楽しいハーレム生活。そしてよろしく。絶望ライフ。」
俺は涙目になりながらとりあえずクエスト受付に向かった。
「すいません。クエストを受けたいんですが。」
俺は受付嬢に話しかけた。
「クエストはこちらからお選び下さい。」
そう言われてクエスト一覧を見た時に気づいた。
「クエスト受付料?クエストを受けるのに金がいるのか!」
そういえば俺が転生する前にやっていたゲームでもお金がかかっていたな。一旦お金をためてからまた来るか。
「すいません。また改めてから来ます。」
受付嬢にそう言って俺はギルドを後にした。
「はぁ。異世界に来て金がないから仕事を探すとか悲しすぎるだろ!」
愚痴を言いながら街を歩いている時だ。とても綺麗な女性が歩いているのが見えた。
なんだあの綺麗な人は!あの人と一緒にパーティーを組みたい!そんな彼女に目を惹かれ気づいいたら。
「どこだここぉぉぉぉぉ!?」
街を抜けて崖の上に立つ大きな城の前にいた。
「あなた誰?何か用?」
綺麗な女性が話しかけて来た。
「すっ...すいません。俺、街で見かけた時からあなたとパーティーを組みたいと思ってて。それで気づいたら。」
嘘をついても仕方ない。そう思って俺は正直に答えた。
「ごめんなさい。私誰ともパーティーを組む気は無いの。だって私魔王軍だから。」
「え?」
俺は耳を疑った。この綺麗な人が魔王軍?嘘だろ?
しかし俺はそれと同時にこんな綺麗な人がいるなら魔王軍に入りたい!そう思った。だから俺は
「俺を魔王軍に入れてくれ!」
彼女にそう叫んでいた。