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タイトル未定  作者: 二藤寺 怜
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社会人になり、一人暮らしを始めて二年と半年。

まだまだ未熟な部分が仕事も私生活もあるが、なんとか落ち着いてきた気がする。


仕事が終わり、いつもの店へ向かう。

今日も休憩中にメッセージを送って確認は取れている。ふふふ。と小さく笑い、少し早足になる。


自宅と職場のちょうど中間にある個人経営の居酒屋がいつもの店だ。

店長も女将さんも暖かくて、お店全体が居心地の良い雰囲気を出している、私のお気に入りの店だ。

ガラガラと大きな音を立てるドアを開けると、

「いらっしゃーい!あ、サキちゃん!ユリコさんならいつもの席で待ってるわよ。」

女将さんがいつもの明るい声で出迎えてくれる。

「ありがとう。あと、生で!」

はいよ!と返事を返し、厨房は入っていく。

私はそのまま、カウンターの一番奥へ向かう。

そこにはいつもと変わらず、百合子さんが日本酒のちびちび飲み、お刺身をつついていた。

「ごめん!遅くなった!」

と百合子さんに声を掛けると

「遅い!何分待たせるの!もう帰ろうと思ったよ。」

と頬を膨らませながら、でも優しく返してくれた。

もう40過ぎてるのに、相変わらず可愛く、そして綺麗だった。

この緩やかな雰囲気が好きで、ごめんごめん。と言いながら私の頰も緩む。

「生おまち!」

女将さんがドンと私の前に生ビールを置く。

「まあ、とりあえず乾杯。」

百合子さんが日本酒の入ったお猪口をあげ、私もジョッキを持ってそれに応える。

「乾杯!」


大切な友達と過ごす細やかで暖かい時間。

この時間が好きだ。

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