序章
僕の名前は、鈴木奏。
ごくごく普通の高校生。
今日もいつも通り、仲良し四人組で昼食を食べている。
「なぁ、奏の唐揚げ旨そう、一個くれ」
「やだよ、優の弁当にだって、唐揚げあんじゃん!」
「だってさ、それ妹さんの手作りだろ?お前の妹の料理、まじで旨いんだもん」
「だめだよ!妹が、僕の為に作ってくれたやつだよ!それに、なんか優には、特にあげたくない。」
「どうゆうことだよ?!」
「なんか、妹を見る目がやらしいから。」
僕の唐揚げを狙ってくる、図々しい男は、親友一号の髙梨優長身で、バスケ部所属のイケメンだ。
「優やめなよ、カナの妹大好きは、今に始まった事じゃないし、絶対くれないよ。」
「そうです、詩織さんの言うとおり、奏君は、超のつくシスコンですから」
和風美女の桜坂詩織と、眼鏡の委員長キャラ柏木樹が、僕をシスコン扱いしてくる。
・・・僕は、談じてシスコンじゃない!妹とちょっと仲良しなだけだから!
「そんなに言ったら、カナちゃんが可哀想だよ〜優くん私の唐揚げあげるから、カナちゃんをいじめないで」
僕と一番付き合いの長い幼馴染、杉原桃子は、ほわほわした癒し系。
やっぱり、持つべきものは、優しい幼馴染だ!
「ねぇねぇ、今日の帰りさ新しく出来たクレープ屋さん行かない?」
「男が、そんな女々しいもの行くかよ!」
「僕は、気になってましたから、行きたいですね。」
「私も行く!イチゴのやつ美味しそうだった!カナちゃん行くでしょ?」
「行く。妹にも、お土産で買ってかえろうかな〜、優は行かないんでしょ?残念だな〜」
「なっ!全員行くのかよ!・・・俺も行く。」
昼休みが終わり、退屈な残りの授業をなんとか、耐えきった僕たち4人は、さっさと荷物を纏めると、町の繁華街に繰り出した。
「どんな、種類のクレープあるのかな?」
桃子が、相変わらずおっとりとした口調で話し出した。
「ちょっと待ってください、スマホで調べて見ますから。・・・イチゴやバナナのような基本的なものから、納豆チーズ味などの変わり種もあるみたいですね!一番人気は、イチゴチーズケーキ味だそうですよ」
「美味しそう!」
「私は、目星つけてるわ!ブルーベリーのやつにする!カナは?」
「僕は、チョコの入ったやつかな〜、優は、納豆だろ?」
「違うわ!俺は・・・ちょっと樹見せて、どれとれ、ん〜イチゴマシュマロかな!」
優が、樹のスマホを横から見ながら答えた。
「行かないっていってたくせに、可愛いの選んだわね!」
「うっせ、俺はイチゴとマシュマロ好きなんだ!」
四人で、喋りながら歩いていると、目の前を子供用のボールが転がってきた。
僕は、反応出来ず、見逃してしまった。
すると後ろから5歳くらいの女の子が、ボールを追って走ってきた。
「っ!危ない!」
咄嗟に叫ぶが、女の子は車道に飛び出した。
ふと、横を見ると、いつものんびりしている桃子が、女の子を追って走り出している。僕も、一瞬遅れて走り出した。
桃子は、女の子を庇うように抱きしめるが、不幸な事にトラックが、クラクションを鳴らしながら迫ってきている。
僕は、間一髪で、二人を弾き飛ばした。
瞬間、浮遊感に襲われ、気づくとドサッという音と共に、地面に叩きつけられた。
駆けよってきた、三人は、何かを叫んでいる。
桃子も、いつも元気な優も、詩織も、冷静な樹でさえ、青ざめた顔をしている。
なんだよ、そんな顔して・・・まるで僕が死ぬみたいじゃないか。
慌てて起き上がろうとするが、力が入らない。
なんだ、どうなってるんだ・・・
痛みもないし、大した事ないはずなんだけどな・・・ただ、凄く眠い・・・
徐々に、暗くなっていく視界。
もう少し、妹や3人と一緒にいたかったな・・・
目が覚めたら、また一緒にいられるだろうか?
眠いから、ちょっと休むよ。
また明日・・・
こうして、僕は自覚のないまま、ある日唐突に人生を終える事となったのだ。
文章書くのって、想像より難しい。
なんとか、最後まで書きたいです。