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うんち  作者: うんち!w
8/9

あれ?まだ出るんじゃないか?…う~ん、ぶりっ!w

静寂を刻む掛け時計は深夜2時を示していた。

月と小さなロウソクが照らす薄暗い病室の真っ白なベッドの上で、異国の少年が安らかな顔をして眠っている。

隣に座る金髪の美少女は、祈るように彼の手を取りその青眼を瞑った。



俺の名はおっさん。

こいつら二人と旅をしていたが、旅の途中で出場した大会の演技中に仲間の少年が突然倒れた。

急いで医者に連れて行ったのだが、彼は未だに目を覚まさない。


「俺うんこしてくるわ」


静かに歩み寄る便意に従い、安息の地へと赴く。


「う~~ん」

ぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶり


生理的放出のさなか、医者の言っていたことを思い出す。

ブチオが倒れた原因はうんちによる快楽物質の過剰分泌らしい。

この症状が回復した前例は未だにない。だが、ある男なら不可能ではないかもしれないという。


謎の闇医者、『ブリュック・ブジャック』。

神にも等しい治療技術を持ち合わせ、数々の奇跡を起こしてきたという噂だ。彼が放つ脱糞音は天使の福音の如き甘美な響がするので、学生時代に全国脱糞音コンクールで金賞を取ったこともあるのだという。


ぶり~ぶり~ぶり~ぶり~ぶり~ぶり~ぶり~ぶり~ぶり~ぶり~ぶり~ぶり~ぶり~


そんなことを思い出していたら、隣の個室から軽快なリズムの排泄音が聞こえてきた。


「健康的ですなぁ」


その心地よいメロディに思わず声が出ていた。


「いっぱいでたぁ…」


快楽に浸るような弱々しい声が帰ってくる。

待てよ、この甘美な響…まさか!?…


「あんた、もしかして闇医者のブリュック・ブジャックか?」


「ああ、そうだが?」


「やったあああああああああああああああ!!!!!」


ダメ元で聞いて良かったぜ!こいつならブチオを治せるかもしれねぇ。

俺はブリュック・ブジャックにブチオの容態について話した。



「なるほど、そいつを救いたいと」


「出来るのか?」


「出来無いこともないが俺は闇医者だ、値は弾むぜ。まあ500万といったところか」


「分かった、金は払う」


交渉成立後、彼を病室に案内した。



「では、処置を開始する!」


ブリュック・ブジャックはコート脱ぎ捨て、ブチオのベッドの上に乗る。

そして、ズボンを下ろしケツ穴をブチオの顔の直上に据えた。


「あの、あの方は何をしているんですか?」


フィースが俺に問いかける。彼女の疑問は当然の事だ。

彼は伝説の闇医者。彼の医療技術は常人には理解できない領域に到達しているのだろう。


「分からんが、今は奴を信じよう」


ブリュック・ブジャックは両拳を硬く握り締め、歯を食いしばった。


「あれ?あの人うんちしようとしてませんか?」


「分からん、だが唯一分かることがある。奴の顔、本気だ…」


もしうんちをしようとしているのなら、さっき出したばかりなのでそう簡単には出ないだろう。

生物の限界、世の理の限界を超える必要がある。



気づけばブリュック・ブジャックのケツ穴からか細いうんちが出てきていた。


「やっぱりうんちですよ!あれ!!」


「まさか!?本当に限界を超えるつもりか!?」


「ううううううう~~~~ん!!!!!!」


気張り声に夜の静寂が失われた。

その力強い声に反し、うんちは少しはみ出たまま、自由を恐れている。


「ううううううううううううううううううううううううううん!!!!!!」




「うううううううううううううううううううううううううううううううううううう~~~~~~ん!!!!!!!!!」


気張り始めてから約15分がたった。うんちはまだ出ない。


「クソッ!なぜ出ないっ!俺は伝説の闇医者、ブリュック・ブジャックだろおおおおおおお?!」


声を聞きつけた他の患者たちもブリュック・ブジャックを応援していた。


「頑張れ!」

「いけえっ!」

「俺も応援するぜッ!!」


「みんなああああああああ!!!!!ありがとおおおおおおおおお!!!!!」



-=その時、奇跡が起きた。=-



「あれ、なんだか腸があつい」

「俺もだ、なんだこれ?」

「私もです…!」

「なんかお腹が変だ!」


その場にいる全員の腹部が褐色の光を放ち、輝く粒子がブリュック・ブジャックの腹に吸い込まれていく。


「そうか!みんなの思いが奇跡を起こし、物理限界を超えてうんちを俺に託しているんだッ!!!!!」


ブリュック・ブジャックの腹がみるみる膨れていく。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!俺にうんちをわけてくれえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!」


最大限に膨らみきった彼の腹は、強烈な褐色の輝きを放った。


「「「いけえええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」」」


「みんなの気持ちが一つになった!今ならいけるッッッ!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!刻むぞッ!!!腸液のビート!!!!!アンバーライトブラウン・オーバードライブ!!!!!!!!!!」


ぶっるぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい~!!ぶりっ!!!!ブッ!!!ぶりぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!ぶぴぶりッ!!




彼の、いや、俺達のうんちパワーでブチオは目を覚ました。



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