第9話 藤原文華視点
私は今飛行機の搭乗口にいる。
「今日はいい1日だ♪」
そう、今日はいい日だ、100年近く探してた奴隷をみつけたのだ。
この時代、奴隷契約など結んでくれるアホはそういない。
ましてや私のように名の知れたエルフと人間のハーフに仕える人間などまずいない。
しかし、今日はいた。そのアホが
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ー6時間前ー
受付で私は、私の担当した小鳥遊翔悟君をみつけた。
どうやら保険をかけておらずお金がないらしい。
今回私は諦めていたが、彼ならイケるっと思い追いかけて話しかけた。
「あんたあたしの物になりなさい!」
「ふぁ?」
ヤバい、やっぱダメかもぉ。
でも、もういくしかない!
「なに間抜けな顔してんのよ、聞こえてるの?あたしがあんたを買ってあげるって言ってんの!」
ヤバいよ、ヤバいよ、ノーリアクションだよ、もうダメかもしれない…
とりあえず押しきらなきゃ
「あんたお金に困ってるんでしょ?だからあたしがあんたを1億で買ってあげるの。
あんたは今ある借金を完済出来るし、あたしはモルモット兼奴隷を手に入れられる。悪くないでしょ」
言った。言ってやった。
しかし、何度言っても慣れないなぁ、今回は上からいき過ぎた。失敗したなぁ。
次、頑張るかなぁ
「のった!お願い致します。俺を買ってください」
お!え?本当に!?私でいいの?頭大丈夫なの?
あぁヤバい、表情崩れそう、自然に返さなきゃ
「いい返事ね、じゃあちょっと支払い済ませてくるわ、この契約書にサインしてそこで待ってて」
私はペンと契約書を渡しその場を後にした。
「よし、あとは彼がサインをするだけ!これで私の夢が一つ叶う♪」
翔悟のいた所が激しい光に包まれた。
ヤッタ!
これで私にも奴隷が出来た!
ちょっと頭悪そうだけど顔も悪くないし、何より実験に使いやすい!
文句のない奴隷だわ!
…ちょっと不安ね、本当に大丈夫かしら?
大丈夫だとは思うけど一度呼んでみよう。
(翔悟、こっちきて!)
少しして病院の外から翔悟がきた。
凄い、感動だわ、本当にこうなるなんて。
「ちゃんと書いたのね、えらいえらい、これであなたは私の奴隷よ!喜びなさい」
号泣しながら翔悟が答えた。
「ありがとうございます。ご主人様」
あー酷いわね、これは少し調整しておかなくちゃ
まあ、今は面白いし、今回はこのままでいっか
「違うでしょー私の事は文華ちゃん、でしょ、敬語も禁止よ分かった?」
「分かったよ、文華ちゃん」
んーこの子可愛い!ペットみたい!
とりあえず、ほかの予定全部キャンセルしなきゃ
働いてなんていられない!
「じゃあまた後でね、荷物まとめて私のラボに来なさい」
そう言って翔悟を別れたあと彼女は治療費をカードで払い帰路を急いだ。