第8話 奴隷
俺は今、再び病院の受付にいる役所に行ったりするのが本当はいいんだろうが、調べてもよく分からなかったのでとりあえず病院に来たのだ。
「小鳥遊さーん、小鳥遊翔悟さーん」
「はい」
とりあえず、受付の人に聞いてみよう。案外俺みたいなやつは沢山いてその為の救済措置みたいな物があるかもしれん。
「本日はどうなさいなした?」
「先日手術して入院していたんですが、僕保険に入っていなくて、病院代の請求が1億で払いきれないんです」
「そうなんですか、それは困りましたね、とりあえず、うちではどうにも出来ないんで役所へ行ってください。」
あーやっぱダメかー
まあそりゃそうだよなー
完全に俺が悪いもんなぁ
しゃあない、今日はもう疲れたし役所には明日行こう。
病院を出て歩いて家に帰ろうとしていると後ろから人が駆け寄って来た。
あ、俺もしかしてもう終わりか?
このまま捕まって地下労働200年とかそーゆーのなのか?
などと考えてたらそいつに肩を叩かれた。
俺は知ってる。これは無能な社員を切り捨てる時の合図だ。
終わった。
21年間か、短かった。何もしなかった。なんの努力もせず何の行動も起こさなかった。
まぁ俺みたいな奴にはお似合いの最後かもな
「あんた、あたしの物になりなさい!」
「ふぁ?」
ヤバい構えてたのにイメージと違って変な声出しちまった。
「なに間抜けな顔してんのよ、聞こえてるの?あたしがあんたを買ってあげるって言ってんの!」
文華ちゃんだった。文華ちゃんが俺を買うと言っている。訳分からん、唐突過ぎだろ!
「あんたお金に困ってるんでしょ?だからあたしがあんたを1億で買ってあげるの。
あんたは今ある借金を完済出来るし、あたしはモルモット兼奴隷を手に入れられる。悪くないでしょ」
なるほど、この見た目年齢14歳の文華ちゃんは俺を1億で買ってくれるらしい。いいじゃないか!
そして俺は文華ちゃんとあんな事やこんな事をー
「のった!お願い致します。俺を買ってください」
「いい返事ね、じゃあちょっと支払い済ませてくるわ、この契約書にサインしてそこで待ってて」
そう言うと文華ちゃんは俺に一枚の紙とペンを渡して病院の方へ戻って行った。
紙にはこう書いてある。
私_____は藤原文華の奴隷となり一生仕える事を誓います。
っと、これだけ裏に変なマークがあるが家紋かなんかか?
ま、いいだろ、とりあえずこれにサインして1億円♪
逃げたくなったらこの紙燃やして逃げればいいだろ。
そう思ってサインした。
最後の一画を書いた途端紙が光り目を眩まされた。
「目がぁ、目がぁ」
やめよ、恥ずかしい。
築くとペンと契約書が消えていた。
「あれ?あの紙どこいった?この短時間で失くした?
ヤバい、探さねば、そう思ったがなぜか俺は病院の方に行った。
「ちゃんと書いたのね、えらいえらい、これであなたは私の奴隷よ!喜びなさい」
ヤバい、なんか感情が抑えられん。
「ありがとうございます。ご主人様」
俺は号泣していた。なぜかって?知らん。しかもご主人様ってなんだよ!誰だよ!
「違うでしょー私のことは文華ちゃん、でしょ。敬語も禁止よ、分かった?」
「分かったよ、文華ちゃん」
ちっがーう‼︎なんでこうなった全然言うこときかん!
「じゃあまた後でね、荷物まとめて私のラボに来なさい」
そう言うと文華ちゃんは去って行った。