第1話 事故
俺は今、道路で寝ている。
ホームレスではない。
キャンプをしてるわけでもないし
日光浴でもない。
「あぐっ、いてぇ」
足が曲がってはいけない方向に曲がっている。
血も出てる、気持ち悪い。
右腕も痛くて動かせない。
痛みで思考が回らない。
「…………………。」
2017/3/10
俺は2週間前、1ヶ月前に始めた仕事を辞めた。
別に給料が貰えなかったとか、
労働時間がクソ長いとかそーゆーのではなかった。
超ホワイトカラー。
給料はいいし、仕事も楽。
じゃあなぜ辞めたのかって?
それは働きたくなかったからだよ!
俺2年もニートやってたんだよ?
人間2年もぐうたらしてると元の生活には戻れねえの
今20だよ?明日で21だよ?
そんな男に働けって、無理に決まってんだろ!
まともに働いたことなんてねぇんだから。
で、俺が今何してるかって?
ニートだよ、親の脛を噛み砕いて舐め回してる。
保険も年金も食費も家賃も光熱費も全部親持ち。
いやークソだね、自分で言っててそう思うわ。
んで、今日も元気にネットサーフィンしてたんだけど、
今日の俺は一味違った。
オヤジがバイクのキーを置いて行ってたんだ。
昼3時に朝飯食いに降りた時に気づいた。
「オヤジ、キー置きっぱじゃん!これ乗っていいってことじゃん?
ラッキーガソリン切れるまでこれで暇つぶしたろー」
そう思い俺は久々に着替えて意気揚々とガレージに向かった。
免許は持っている。
高校卒業祝いで祖父母に取らせてもらった。
服も作業着がある。最初の職場でもらったやつが。
金もある。なぜかうちのタンスのには100万ほどの現金がいつもあるのだ。
俺は決めた。
「今日はパチンコに行こう!1000円で10万円まで増やしちゃる!
んで昨日始めたソシャゲ課金する!」
そう思い2つ隣の街の大きなパチ屋に行った。
結果からお話しよう。
惨敗。
お昼だったし設定狙いに挑戦しようっと思ったのだが間違いっだった。
諭吉さんが一瞬で5人もお亡くなりになられた…
時刻は午後10時。
たぶん家には親がいる。
携帯持ってないから連絡出来ないけど、きっといる。
なくなった諭吉とこの時間。
帰ってからどう説明しよう…
そう思いながら空っぽの財布を持って家に帰った。