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feel

作者: 麻都華



暗闇の中


何も見えない

何も聞こえない

何も感じない


私はどこにいるのだろう

私は本当にここにいる?


何もない

果てしない虚無感


世界は


私を置いて

どこへ逃げていったのだろう


私は光を頼らないと

歩いてはいけないのに


ただ、目的地のない

この場所に座り込んで

私に何を考えろと

いうのだろう?


流れた涙は

頬を伝い


地面へと

落ちる前に

消えてなくなり



助けを求める声は

かすれて


誰かの胸に

届く前に

闇へと吸い込まれた



差し伸べた手は

誰かに触れる

こともなく

空を掴んで

崩れ落ちた




気のせい?

遥か後ろで

何かが壊れる音が

した




突然、不意に、

空気が肌を触れる

私の周りの空気が

音をたてながら

逃げ惑う




そして、さらに、

強い風が、

激しい風が、

私の周りを

私を飲み込もうとした


愛とか、欲望とか、理性とか、知性とか、世界の

人間の

綺麗な物や汚いものを

引き連れて


ただ一人、ただ一つ

飲み込まれずにすんだのは

私という体だけ




目を開く

暗闇は変わらないけれど


懐かしい匂い


足を持ちあげる


久しぶりの感覚が

私を喜びで満たす


肩に何かがぶつかった


何かにつまづいた


転けても

痛くても


ただ前に進んでく


目的地は

私が決める


どんなに

つまらない

ちっぽけな世界でも

何か見つかる

はずだから


ただ前に進んでく


一歩一歩

踏みしめながら



私は

ここにいる

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