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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
ダンジョンの真実

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第94話 最後の戦い

 南極上空に掛かった黒い霧は、モンスターの発生時の霧を大規模にしたような雰囲気だ。

  俺達は近づきすぎない様に注意しながら、南極大陸を一周ぐるりと廻ってみたが、内部の状況が解らない。


「嫌な予感しかしないような霧だわ」

「この世界の自然の美しさに目を奪われて、出来ればこのまま何事も起こらないで欲しいと思いましたが、これは無理そうですね」


鹿内さんと東雲さんがそれぞれの感想を言った。



「竜馬。どう思う、ここに突入しない限りは何も変わった事は起こらないと思うが」

「俺もそう思う、腹を決めて突入するか」


 竜馬がそのセリフを言った途端に、急激な重力の流れの変化が、YAMATOを黒い霧の中に引きずり込むように襲いかかってきた。

 重力操作により必死で拘束を振り切ろうとするが、徐々に引き込まれる。

 そして黒い霧の内部に引き込まれると、YAMATOに対しての攻撃が開始された。


 ◇◆◇◆ 


 一般的に余り話題に登ることがないが、南極大陸は平均して厚さ二キロメートルにも渡る氷の層が、大陸の上に乗る巨大な高原地帯であり、平均的な標高は三千メートルを超える。


 その保有する自然氷の量は、実に地球上の自然氷塊の90%を超え、地球上の淡水の70%が南極大陸に存在することに成る。


 仮にこの氷が全て溶け出してしまった場合、世界中の海面は六十メートルも上昇してしまうほどだ。

 日本は山岳地帯を除き、ほとんどが海底に沈むことになる。


 ◇◆◇◆ 


 方向的には南極点方面からの攻撃である。


 攻撃の強さから考えるとすぐに、装甲が抜かれる程ではないが、ずっとこのまま攻撃にさらされるわけにも行かない。


 達也が男のロマンは波動砲だと言い張ったので、波動エンジンは無いが艦首部分にいかにもな、開口部分を設け、その奥でバハムートの召喚を行い、収束させた波動龍砲極を打ち出すことで、威力的には本家と遜色のない、攻撃を行えるようになっている。


 一日に一度しか使えないために、同種の召喚を行うことが出来る、清河八郎に初撃を頼むことにした。勿論その横には、前田さんを待機させてある。


 清河がスキルを発動する【神竜召喚】、達也が横で「エネルギー充填120%」とか呟いている。

 もう一度言うが「波動エンジンは積んでないからな!」


 攻撃が向かってきている方向に艦首を向け、清河がスキルを発動する


 ぶっ飛ばせバハムート!「御意、波動竜砲極」


 凄まじい勢いで収束されたエネルギー波が、一直線に南極点に向け打ち出される。

 距離的には現在地から南極点までは2500㎞程もあるが、この収束された攻撃なら十分に届くはずだ。

 前田さんがすぐにトレースを行い、十発程の波動竜砲を連続で発射した所で前田さんのMPが枯渇してその場に倒れた。


 坂内さんがすぐに回復をかけ、マジックポーションを飲んでもらい何とか落ち着いた。


 攻撃の効果は、まだ視認が出来てないが、敵の攻撃が停まったので成果は在ったはずだ。


 YAMATOを引き込んでいた重力の流れも停まっている。


 速度を上げて、南極点に向かう。

 五分ほどで漸く【マップ】スキルの座標による南極点近辺まで近づいた。



 そこには、巨大なクリスタルタワーが在った。

 どうやら波動竜砲は直撃していたようで、かなりの部分が崩壊している。

 だが、見た感じの雰囲気だと、ここは只の入り口と外部攻撃を行う、砲台があっただけのようで、本命は地下のようだ。


 俺は甲板から、地面に向けて飛び降り、転移門を設置すると全員が、次々と船外に現れた。

 全員が出たことを確認してYAMATOは颯太に収納してもらった。


 各班ごとに、整列してクリスタルタワーの内部に突入して行く。

 先頭は勇の班が請け負った。


 俺達が内部に入ると、既に戦闘が始まっていた。

 竜馬を呼ぶ「あれは過去に竜馬の世界を襲ってきた侵略者と同じ存在なのか?」

  

「ああ、間違いないな、こいつらだ」


 しかし、当時はどうだったかは解らないが、見た感じそこまで強いとも思えない。

 強さよりも量が問題なのか?


「竜馬こいつらの総数は百万体で間違いないのか?」

「いやそれは、断言できない。過去に攻め込んできたデータ上ではそうであったが、それ以上いるのかもしれないし、減っているかも知れない」


「一体ずつ相手をしていたらきりがないし、数の差でそのうち追い詰められてしまう。出来れば全部出てきたと確認できれば、俺のバハムートがまだ温存してあるので、一網打尽にできるんだがな」


 信長や鹿内さんが魔法攻撃で殲滅をしていってる。

 十分に通用しているが、このクリスタルタワー自体は何層まで存在するのだろうか?


 東雲さん達の武器攻撃がメインの連中も、全員斬撃は飛ばせるので、今の処は対処はできている。


 答えはすぐに出た。突入したタワーの中央部分が大きな吹き抜けになっている。吹き抜けの最下層に大量の敵が湧いてきていることが解る。


「前田さん悪いがもう一度頼む、俺が召喚する」

「了解しました」


 スキルを発動する【神龍召喚】


「バハムート頼んだぞ焼き尽くせ」

「御意、『波動龍砲極』」

 

 前田さんがトレースしてくれる。今度は三発で力尽きた。

 

「前田さん、ありがとう後はゆっくり休んでくれ、モンスターボールで一体護衛を呼び出しておいてね」


「はい、後はお願いします」


 そして、前田さんがモンスターボールを使うと、プラチナカラーの大きな狼が現れた。

 フェンリルだ。

 神々しい気配を放っている。


 これなら大丈夫だろうと思い、波動龍砲を使った辺りを確認する。

 見事に何も無い、今いる敵の他は新たに出てくる雰囲気もない。


 十五分程で、全ての侵略者の殲滅を完了した。


 こちらの被害者は無い、「竜馬、現状の確認をしたい」


「どうなんだ、敵の強さはこの程度なのか?」

「あー、六億年前の事だから今ひとつ自信はないが、この程度だったんだろうな、その当時はスキルもJOBシステムも無い状態での戦闘だったから、イメージとしては凄く強かったんだが、それに勝てるための対策を建てて相対するとこんな感じだったのかも知れない。元々の【D155】マスターでほぼ同じ戦闘力に設定してあったからな」


「それならこんなもんかも知れないな、【D154】マスターで俺はスキル無しの通常攻撃で一撃で倒せたしな」

「だが、これで打ち止め何てことも無い筈だ。こいつらは只の戦闘アンドロイドだし、それに命令を下す存在が居るはずだからな」


  その時、全員の脳裏に念話の様に声が聞こえて来た。


「この星に害を成す盗人共の子孫よ、お前達の世界は本来あるべきこの世界へと、還元させて貰う。今のこの星の姿を見たであろう。文明や科学などと言う物は害悪でしか無い。星とは、自然のままに任せる事が一番美しくあるのだ。お前達の存在は、この地で消えて貰う」


 颯太がその言葉に反応して叫んだ。


「大層な言葉を吐きやがって、この場所は機械だらけの科学文明の塊じゃねぇかよ」


「お前達の様な侵略者から防衛する為の、最低限度の備えだ、同じに語るとは許されざる言葉だ。

消えて無くなれ。

人類はこの星を破壊する行為を行い続け、この星は疲弊し、悲鳴を上げていた。

故に存在を絶つ事を私が選択した。

その時にこの星から逃げ出した一部の人類が、この星の貴重なリソースを勝手に使用し、別次元の世界を構築したのだ。

我が使命は持ち出された資源の回収と、この星の自然な姿による永遠の繁栄である」


「お前の存在は何なんだ、結局自分のご都合主義を、無理やり押し付けてるだけじゃないかよ。俺達の世界にもよくいる、動物保護団体を気取ってるくせに、牛は食べるために育ててるんだから良い、とか言ってる奴らと変わらねぇじゃないか」


「お前たちの理屈など聞く必要もない、この大陸ごと葬り去りお前たちの世界のリソースの回収に向かわせてもらう」


 その言葉が終わると同時に、地下が大きく揺れ始め巨大な宇宙船形態の乗り物が次々と現れた。

 でかい……一機のサイズが直径五キロメートル程もある。


 それが総勢二十機現れた。


 竜馬が叫んだ「お前たちの世界を、リソースに戻される可能性を考えてないのかい? お前が出来ることは俺も出来る、俺は世界を救うなど大層な考えじゃないぜ、お前に復讐をするためだけに、ここに来ているんだ。この世界を消滅させる」


「何だと…… 何故たかが人間ごときにその様な力がある。では先にお前ら全滅させてから向かうだけだ」


 竜馬が俺に念話を送ってきた。


『理、ここから先は俺一人でやれる。みんなを連れて先に戻り、この世界からの攻撃に備えろ』

『これだけの敵を相手に無茶を言うな、ここまで来たら、俺は最後まで付き合う。どうってこと無いぜ、この宇宙船が出てきてるだけ叩き潰せばいいだけだ』


「みんな、恐らくコイツラもいま出てきてるだけが最大戦力だ、この馬鹿でかい乗り物を全滅させれば俺達の世界が襲われる危険性も無い。とことんやるぞ」


 俺の言葉を受け各班ごとに上空の巨大戦艦に向け、一斉に攻撃を始めた。


『竜馬。今のうちにこの世界をリソースに戻せ』俺達が邪魔をさせない。

『準備が整ったらもう一度、念話するぜよ、この星が消滅するから、念話を受けたら三分以内にYAMATOに乗り込め』


 竜馬が巨大戦艦が出てきた地下へ飛び込んでいった。

 恐らく星の内部から崩壊させるつもりだ。


『解ったが、お前はどうやって拾えばいい?』

『俺は、この星と心中するぜよ、ちくっと長生きしすぎたからな』

『お前がそう決めたなら、もう何も言わん。成し遂げろ、全力で守る』


 俺は二刀を構え上空へ飛び上がっていった。

 TBと雪が付き従う。

 最大化したTBは全長百メートルにもなる。

 巨大戦艦の底部を、二刀で切り裂いたそのまま三人で艦内に突入した。


 内部はだだっ広い空間で、一万体近い侵略者達が搭乗していた。

 必ず重力制御の機関部分があるはずだ。

 そこを破壊すれば落とせる。

 三人で侵略者達を蹂躙しながら機関室を探す。


 見つけた! 刀を真・天叢雲に切り替えて雷属性を纏わせた。

 敵の攻撃はTBと雪が捌いてくれている。

 一気に機関部分を切り裂いた。


 俺と雪はTBに掴まり、脱出する。

 巨大戦艦が墜落して行く。


 一斉念話で伝える。


『みんな内部の中央部分の上部に重力制御の機関室がある、そこを壊せば撃墜できるぞ』

 その言葉を受け各班ごとに次々と巨大戦艦に飛び乗っていく。


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