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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
ダンジョンの真実

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第92話 スキルの真実

七月十六日 二十時


 今日は村松先生と明石先生が来ている。

 リゾート島に作った温泉施設の有用性の検証と、今後、温泉施設を病院へ併設する場合の意見を聞こうと思い声をかけてみた。


「早速明日以降、患者さんの容態別に有効度合いの検証をさせていただきたいのですが、構わないでしょうか?」

「あの島自体は、一般開放の予定は今の所してないので、守秘義務を設定して、守れる方だけの利用にして頂ければ問題ないです」


「解りました。その辺りはこちらで注意して、被験者を選定したいと思います」

「北九州のペット地域で利用できるような、人用の足湯施設や、ペット用の入浴施設も検討して頂ければ助かります」


「それ凄くいい発想ですね。あそこだとすぐ作れますから、足湯とペット用の入浴施設は明日中に設置しますね。午前中はダンジョンに潜るので午後から伺います」


 ◇◆◇◆ 


七月十七日


 午前中は藤吉郎の世界の大阪城に設置した【D154】で、二班のメンバーと共にLV上げを行った。


 午後からは北九州特区に出向き、昨日明石先生が言っていたペット用の温浴施設と、人間用の足湯施設を設置しに行った。

 今日は日曜日で動物病院は一般診療は休みなので、明石先生と野口さん、水野さん、最近野口さんと仲良くなっている佐千原さんも来ていた。


 俺は東雲さんと紗耶香を連れて行っていたのだが、野口さんが随分積極的な発言をするので、東雲さんが「私が赤ちゃん授かるまでは、順番が遅くなったら嫌ですから、余り増やさないで下さいね」と言ってきた。


 俺にそんな予定はまったくないのだが……


 今日は病院は休みだが、その分ペットのフリーエリアには大勢の人が訪れている。

 既に三千匹以上の猫と犬が、エリアを区切って自由に暮らしているその空間は、動物好きにはたまらないよな。


 当然、犬も猫も室内を好む子もいるので、そんな子達は室内施設を使えるようになってる。

 陽だまりでゴロゴロしてる猫を見ると、モフりたくてたまらなくなるけど、先にやることを済ましてしまおう。


 紗耶香に聞いてみた。


「この施設に休日は、どれくらいの人が来ているんだ? 」

「大体平日で一万人、休日で二万人くらいですね。各ペットグッズショップの家賃が売上インセンティブ制になっているのですが、10%のインセンティブで月間一千万円を超える収入がありますので、ペットグッズだけでも、このエリアで一億円以上の売上が上がっていることになりますね」


「ペットグッズショップの家賃で一千万円って高すぎないか?」

「各メーカーが直営で十社以上出店してますし、建物もすべてこちらで用意した上に、この施設でないとこれ程のペット好きの方が集まる場所は存在しないので、決して高いとは思いませんよ?」


「そんなもんなんだねぇ。飲食店の方はどうなの?」

「そちらも、全て家賃は売上インセンティブになってます。こちらの方も二十店舗の出店で、総合計で二千万円ほどの収入がありますので、売上は月間二億円を超えていますね」


「他にも、ワゴンショップやキッチンカーでの出店がありますので、ペットエリアの利益は病院部分を除いても諸経費を引いて月間一千万円程ですね」

「ペット用の温浴施設とかできちゃうと、もっと人が増えちゃいますね」


「まぁここで上がった利益は全部ペットの保護関係に、使ってくれるように頼むな紗耶香」

「了解しました」


 早速設置する場所の選定をして、【土木錬成】スキルで、ペット用の温浴施設と足湯を造成した。素材は、阿蘇のカルデラに大量に保管してある、関東の瓦礫を利用した。


 関門海峡を眺めながら楽しめる足湯は、新たな名物になってくれるだろう。

 この足湯にも当然ポーションを成分に含ませてあり、浸かるだけで肌の傷や、水虫治療にも効果がある。

 別に宣伝はせずとも、噂で広まる様になってくれるだろう。


 ◇◆◇◆ 


 こうして、復興とダンジョンでの訓練を重ねながら八月の盆前になり、最終ダンジョンの設置が出来る状況となった。


 復興に関しては関東の広域防衛都市の整地と、インフラ整備、道路の施設まで手伝った。

 この地域内の十五箇所に及ぶ防衛都市の防壁を全て取り除き、復興計画も大詰めを迎える。


 九州も熊本は既に整備され、大規模な人口誘致がスタートしている。

 鹿児島の開発も始まり、段々と国内は好景気に沸いて来ている。

 今後は、宮崎、大分、佐賀、長崎の順で開発を進めて行く予定だ。


 ◇◆◇◆ 


八月十五日 八時


「今日で最初のダンジョンが現れてから三年が経ったな、色々ありすぎて、大変な三年間だったよな」


「辛い事も沢山ありましたが、嬉しい事も沢山ありました、私はこれからの未来に大きな希望を持っていますよ」


「そうね、過去を悔やんでも、何も良くなる事は無いわね、新しい未来を私達の手で作り上げて行きましょう」


「通常の世界だとあり得ない、様々な体験をさせて頂きましたわ、私はこの人生に感謝しています」


「子供を授かる事も出来て、私は幸せでいっぱいです」


 と、東雲さん、坂内さん、鹿内さん、沙耶香の4人が俺に語り掛けて来た。


「しかし来週には、最終決戦に向かう事になる。どんな結果が待ち受けているかは解らないが、思い残す事が無い様に頑張ろうな」


 この日は、俺、竜馬、勇、颯太、達也の五人で今後の行動予定を決める事になっている。

 昼前にはみんな家に来て、原初の世界へと向かう為の打ち合わせを行った。


 向こうの世界の攻略に何日必要になるかの予測が出来ないので、出来る限り早めの出発が望ましいとの結論に至ったが、ここで驚愕とも言える程の事実を竜馬が語った。


 スキルに関してなのだが、スキルは千百十一の精神生命体を宿したチップが、ダンジョンコアとして、マスターの体内に宿るか、スキルとしてオーブに宿るかの状態で有る事が判明した。

 どちらにも宿って無い状態のチップが、スキルリストに表示されているらしい。


 と言う事はナビちゃんは、ずっと俺と共に居てくれたんだ。


 だが一度スキルになってしまい、それぞれのスキルの持ち主に宿ると、マスターが肉体的な死を迎え無い限り、精神生命体が意志の疎通をする事は、不可能な状態になると言う事だった。


 それ以外の方法で、ナビちゃんが再び俺と意志の疎通を行う為には、ナビちゃん以上の力を持つチップが、俺のルシファーのスキルに宿り、解放するしか手段が無いという事だ。


 それが出来るのは、現状では竜馬とコンちゃんしか出来ないらしい。

 だが、竜馬がスキルの真実を話してくれたお陰で、なんとなく嬉しく感じてる。


 新しいスキルが発現する時は、ダンジョンマスターを通じて人の言葉を聞き取り、その意思の集計を行い希望の多いと判断されたスキルが、現れるようになっていたそうだ。

 日頃から夢を口に出すことが出来る人間が有利だったんだな。


 それで、問題のダンジョンの南極への移転だが、今スキルとしてもダンジョンコアとしても融合されてないコアが、一度だけの転移可能なスキルコアへ変化することで可能になるらしい。

 

 前にナビちゃんから聞いた、使い捨ての次元転移スキルと同じ状態みたいだな。


 その転移に使われた、精神生命体のチップは完全な消滅を迎えるそうだ。155人の精神生命体の犠牲の上に成り立つダンジョンの移設に成る。


 竜馬は、六億年の時を過ごさせ、自らの意思で死ぬ事も出来なかったコアは、今回の転移に因って消滅できることを、逆に喜ぶ者が殆どであった事を教えてくれたが。


 なんだかなぁ……


 それだけの犠牲の上に成り立つ作戦を、絶対成功させて感謝を捧げることしか出来ないな。


 ……こう言う気持ちが、信仰の始まりなんだろうな。


 ◇◆◇◆ 


 そして翌日、【G.O】で始まりの世界に渡り、俺と竜馬と勇の三人ですべてのダンジョンの移動を見届けた。


 何も無くなった始まりの世界の地球は、海も存在しない岩石と土の塊だった。

 俺達の世界がこういう姿に成る事が無いように、俺が絶対守ってやる。


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