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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
ダンジョンの真実

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第90話 YAMATO

七月十三日 十八時


 今日は無事にダンジョン討伐を終了した内輪でのパーティーをすることにした。

 本当はみんな呼びたかったが、とても人数が多いので、元々の出身がこの世界のメンバーだけで行うことになった。


 参加者は俺と【DIT】の初期メンバー、達也、紗耶香、桃子さん、夢さん、翔達のパーティー、向井さん、村松先生、明石先生、野口さん、水野さん、大泉総理、以上だ。


 女性陣達が張り切って料理を準備してくれる。

 その間に大泉総理が持ってきた、秘蔵のお酒コレクションをどれから飲むかで、男性陣は盛り上がっていた。


 料理ができるまでの間に少し時間が有ったので、総理は今後の復興計画をざっとだが話してくれた。


 関東広域防衛都市に移住してもらう人数が不足してる為に、全国の防衛都市から移住を募集する事にするとの事だった。

 当然まだ住宅などは不足しているので、遠藤さんの銀行グループ傘下の信用金庫から、大量の融資を行い一気に建築ラッシュが起こる予定だ。

 それに伴い商業地域や生産地域も整備し、日本の中枢を担うに相応しい都市計画を行うとの事だった。


 俺の協力次第で開発速度が大きく変化するので、よろしくなと総理に振られたが、自分の土地である熊本地区なんかもまだ途中だから、まぁ余り期待はしないでくださいと言っておいた。


 総理に明日の予定を聞かれたが、今の所空いてますと伝えると、達也と颯太と俺の三人で午前中に話をしたいと言われたので了解をした。


 料理も出来上がって、その日は深夜遅くまでみんなで束の間の平和を楽しんだ。


 パーティーも終わり俺は子供たちの寝顔を見て、その日は久しぶりにゆっくりと眠りについた。

 一人にはして貰えなかったが……


 翌朝、隣で寝ていた東雲さんを起こさないように気を使いながら庭に出ると、勇と竜馬が来ていて何かを話していた。

 俺は「おはよう」と声をかけ何を話していたのかを聞くと、今後の侵略者達が来た場合の防衛体制と、藤吉郎の世界と始まりの世界の廃棄についてなどの、結構ヘビーな問題を話していたみたいだった。


 その話題はこの世界の人間達にとっても凄く重要なことなので、今日の午前中の大泉総理との打ち合わせに同行して貰うことにして、藤吉郎と半兵衛も呼んで具体的な実行計画を建てることにした。


 ◇◆◇◆ 


七月十四日 九時


 俺達は首相官邸に来た。


 颯太、達也、俺、勇、竜馬、藤吉郎、半兵衛の七人で大泉総理と話すこ事にした。


 まずは、大泉総理からの話を聞く。

 エルサレムとロシアと北朝鮮のダンジョンから湧き出たモンスターが、特殊進化を繰り返し現地では全く手が付けられない状況になっていることを聞いた。


 これに関しては、一番詳しいのが竜馬だった。

 特殊進化は人類を成長させる為に組み込んだシステムらしく、これを終結させるには以前【D9】コアの西山が使っていた吸収によって討伐をする事でしか、収まらないとの事だった。


 特殊進化したモンスターたちには知能があり、このまま放っておくと文明すら作り上げる可能性があるらしい。

 人間との共存は不可能だと言うことなので、討伐にはジャンヌに頑張ってもらうしか無い。

 今まではこの状態になった世界はすべて廃棄することで対応してきたらしい。


 既にロシアはロシア連邦としての主権を放棄し、モスクワ近郊の防衛都市にのみ集中してなんとか持ちこたえている状況らしかった。


 しかしだからと言って俺達がその土地を討伐して開放したとしても、譲ってくれる選択肢は無いだろうから、手の付け所に困ってる状況だ。


 北朝鮮は既に国としての体を成して無く、指導者の行方も不明だということだ。

 韓国側もいくつかの防衛都市が存続しているだけだから、これも手の付け所は難しい。


 日本以外だと北アメリカ大陸の三国、後は南半球のオーストラリア、ニュージーランド、インドネシアなどの一部の国を除いて自力での復興は難しいようだ。


 特にアフリカ大陸、ユーラシア大陸、南アメリカ大陸では国境線が複雑で、国ごとに方針が違う状態では手がつけられない。


 全ての問題をクリアしようと思えば、世界政府の樹立しか手段はないと言う状況だ。


 日本国としてはまず国内の問題がすべて解決してからでないと、取り組めないと言う意見だ。

 まぁ当然だろうな。


 藤吉郎は自分が実際に行った世界の統一が、手っ取り早いのではないかと言ったが、それをすると色々面倒臭そうだなと言うのが俺の感想だ。


 そして、もう一つの問題が宗教だ、アメリカ国内でも圧倒的に宗教的な発言が目立ち始めて、神の怒りを買った世界だと言う訳の解らない世論が大勢を占めている。


 これを否定する意見を言おうものなら、政権は倒れ大統領も失職するであろうとの事で、これも日本は手が出せない。


 良い解決法は無いのかと言う質問に対して、俺もそれは手の出しようがないと答えるしか無かった。

 藤吉郎はここでも「理様を信じる宗教一つに纏めてしまえば問題無いでは無いか」と、言う意見を出したがそれは俺的にも無理だし勘弁して欲しい。


 勇が、国の問題も宗教の問題も当然起こることとして認めた上で、共通の敵がいれば表面上は手を結んで対処する筈だから、遅かれ早かれ侵略者の存在がはっきりすればある程度収まると言った。


 なるほど現実的な部分として、そうなのかなと納得した。


 攻められるという事実を、覆すことが出来ないのか? と言う質問に対しては、竜馬が既にプログラムが始動していると言う発言をした。


 ここで俺は疑問を持つ。


「プログラム? って宇宙からの侵略だとしたら、その表現はおかしくないか?」


「俺も最初の世界が滅ぼされた時には、宇宙からの侵略だと信じていて、世界を作り直したときにもずっとその対応だけを考えてきたのだが、誰も宇宙から来たなんて喋ってもないし、俺達が勝手にそう思ってただけだって、最近になってやっと気づいた。

唯一そう思える理由は未知の金属を利用したボディだったり、武器だったりを使われたからだったんだが、理が錬金をすることに因って、その総量も増えている事実が判明した時点で、元々形成される要素があった物質だと判明した。

そうなると、宇宙からの侵略だと言い切る理由は何もなくなるんだ。

むしろ俺が実際作ったような別次元の地球が、独自の進化をしてこの次元の進化を辞めさせる理由があって攻めてきていると考えたほうが現実的だとの結論に至った」


「なぁ竜馬。昨日リソースの話をしてたじゃないか。既に一つの世界を維持するのが精一杯だと」


「あぁそれが理由だと言うなら全てが繋がるな。俺の元々居た始まりの世界でさえ、別次元の一つであったなら、本来の進化を遂げた筈の地球から見たら、無駄にリソースを食いつぶす害悪でしか無い。当然本気で潰しに来るだろうな」


そこまでの話を聞いて颯太が意見を言った。


「そこまで解ったなら攻め込まれて、この地球を危険に晒すより、攻め込んでこの地球にこれ以上の被害を与えること無く終結させる方が良くないか? どっちにしても戦うなら同じだろ?」

「竜馬はさ、俺達が攻め込んだとしてそのもう一つの地球を消滅させることは出来るのか?」


「可能だな、俺が六億年を使った壮絶な復讐をしてやるさ」

「その別次元の地球の所在を知る方法はあるのか?」


「方法は一つだけだ。今まで俺が作り上げた世界を消滅融合させる時に、リソースは始まりの世界へと吸収された。同じ様に始まりの世界を消滅融合させようとするとリソースは、その原初の地球に辿り着くと思う。ダンジョンマスターであればリソースを追いかけての移動は可能だと思う」


「私達の世界の融合はどのタイミングで行うのですか?」

「半兵衛殿。原初の地球を消滅させればリソースはかなり回復するはずだ。藤吉郎の世界をどうするかの判断は後で構わないと思う」と竜馬が言った事で、一通りの方針が決まった。


 現在ダンジョンマスターである人員をすべて集め、始まりの世界の消滅にあわせて、リソースを追いかけ、原初の世界に乗り込む、そこで原初の世界を消滅に追い込みこの世界を守る。


 必要な事は、百名が乗れる次元航行艦を作らないといけないな、ベースに成る艦体が欲しいぞ


「始めに総理が言ったこの世界の問題は、侵略者の問題が片付いてから行おう」と、俺は提案した。


 達也が妙に目を輝かせて俺に詰め寄って来た。

「理。ベースに使う艦体は俺に決めさせてくれ。YAMATO使おうな! 理なら引き上げもレストアもできるだろ? ここは男のロマンだ絶対YAMATOで行こう」

「あーまぁいいか、丈夫そうだから後はコーティングさえしっかりやれば使えそうだしな。内装とかは全面的にやり直すから少し時間かかるぞ。YAMATOの図面とか残ってるのか?」


「竜馬、時間的に攻められるまでどれくらいの時間がある?」

「最終ダンジョンがこの世界に現れスタンピードするまでの期間だな後二月半だ」


そこまでで、今日は一度戻ることにした。

早速達也の希望によりYAMATOを引き上げる事にして、東雲さん、山野さん、紗耶香、卑弥呼を連れて鹿児島県の坊ノ岬沖へ向かった。


マップと嚮導の羅針盤を使い場所を特定する。

北緯30度43分 東経128度04分、長崎県の男女群島女島南方176km、鹿児島県の宇治群島宇治向島西方144km、水深345mの地点に沈んでいる。


 真上に位置取りURのバックを使いYAMATOを含む範囲を海水ごと収納した。

 海水だけを海に戻し佐世保のドッグ跡に向かう。

 YAMATOの姿はボロボロの錆の塊だが、東雲さんが修復師の特技を発動すると一度で六分の一程が輝きを取り戻した。


 内部まで合わせて二十度の修復をかけて完全にYAMATOの姿は復活した。


 残りは俺の仕事だ。

 しかしYAMATOかっこいいなぁ。達也が強烈に推してくるのも納得する。

 

 まずみんなで内部に侵入して行き、達也から預かった図面を基にチェックしてみるが全体的に狭い。

 思い切って外骨格だけを残し内部は全て新しく作り直すことにした。

 砲門が多いがオブジェクトとしてはかっこいいから、そのまま残そう。

 内部のサイズさえ判れば後は何とかなる。


 今日は取り敢えずここまでだな、後は明日にしよう。


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