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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
アフターストーリー『なんとなく家に戻ろうとした俺が世界を間違っちゃって、強くてニューゲームで頑張る話』

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第132話 ご帰宅

 昨日は、サンクトペテルブルグの【D54】を討伐し、今日は活動予定は入れていない。

 朝から【EDC】の本社に顔を出し、織田さん、和也、鹿内さん、東雲さんと朝食を取りながらのミーティングを行った。


 会社としての売上高はまだ立ち上げから二週間しか経っていないにも関わらず、ロシアの二つとパリダンジョンの討伐、更にサンクトペテルブルグの防衛都市の構築が終了すれば、一兆円を楽に超す。


 【EDC】で特筆する所は、その売上に対しての利益率である。

 純利益で、実に九千八百億円を計上する予定だ。


 更に各国からの依頼は、とても捌ききれない程の依頼量を抱えている。

 

 【EDC】が構築した防衛都市に関しては、スタンピードが防衛都市を襲ってきた場合に、最優先で討伐班を緊急出動させるサービスが付随すると発表した為に、安全をお金で買えるのであれば、首都機能を有した防衛都市は自国で構築するより【EDC】に外注したほうが、明らかに安全であると各国は判断したようだ。


 防衛都市の構築の順番に関しては、鹿内さんと東雲さんの判断に任せてある。

 織田さんと和也は、ダンジョンとスタンピードの対応に関しての、権限を持たせてある。


 俺は、自己判断で自由に動けるのがいいので、決定には関わらない方向性だ。

 既に織田さんと和也なら、マイケル班とアンリ班を使えば、現在出現しているダンジョンやスタンピード程度なら、余程のことがない限りは大丈夫だろう。


 国内のダンジョンは、颯太と達也を中心にもう一人の俺も結構頑張ってるらしい。

 そう言えば棗ちゃんはちゃんとTBにエリクサー使ってくれたのかな? まだ写メ届かないな、ちょっと念話入れてみるか。


『棗ちゃん、俺だけど今大丈夫かな?』

『岩崎さんこんにちは、はい大丈夫ですよ』


『TBの具合はどうかなと思ってさ』

『あーそれがですね、TBちゃんに彼女が居てですね、凄いかわいい女の子なんですけど、事故か何かで片足が無かったんです。私がTBちゃんにエリクサーを使おうとした瞬間に、エリクサーを奪って、彼女に飲ましちゃったんです。お陰で彼女は足も元通りに直ったんですけど、TBちゃんはまだそのままです」


『あー流石TBだな、思いっきり褒めてやりたいぜ。どうする? もう一本渡してもいいよ、それか俺がスキルで直してもいいけど』

『こっちのオサムさんがですね、TBちゃんは絶対俺が治すんだって、今凄いやる気になっててですね、この勢いなら本当に自分でエリクサーを作るんじゃないかな? って思うんですよね』


『そっか、やる気を起こすのは良いことだ。じゃあもしどうしても成功しなかった時は連絡頂戴』

『解りました。ありがとうございます』


 やっぱ、こっちのTBも凄いやつだったぜ、こっちの俺も頑張ってるみたいだな。

 まぁ向井さんと棗ちゃんが付いてるし大丈夫だろ。


 今日はちょっと時間があるし、ノーム達の様子でも見に行くか。

 俺は転移でムンバイに向かった。


 ムンバイの防衛都市では、ノーム達が助け出してきたであろう難民達に、炊き出しをしていた。

 ノーム達がムンバイの崩壊した街から救い出してきた人々は、ぱっと見でも三千人程度は居る様に見える。


 炊き出しを注ぎ分ける仕事は、この防衛都市の住民たちが手分けをして手伝ってくれてるようだ。

 中々活気のあるいい街になってるな、決して裕福ではないが、助け合いながら生活をしている姿は心が打たれる。


 俺はノームに声を掛けた。


「ノーム。何か問題とかは無いか?」

「OSAMU! 来てくれたんだね。みんなで頑張ってるから大丈夫だよ。インド軍のルドラさんも時々顔を出してくれるから、悪い奴らは最近全然寄ってこなくなったよー」


「そうか、それなら安心だな。困ったことがあったら、いつでも念話をしてこいよ」


「ありがとうOSAMU。今ね、自分たちで外に防壁を拡げて畑を作り出したんだよ。人は沢山いるからね」


「頑張ってるんだな。安心したよ。また遊びに来るな」


 インドは、世界でも二位の人口を抱えた国だが、十三億人以上居た人口は現段階で六億人まで減少している。


 どうしても生活格差の大きな国では、弱い立場の人達が、こういう事態の中にあっては、生き残っていく事が大変だよな。


 今後も、防衛都市の中で暮らしていない人達は、もっと被害が広がっていく事態も容易に想像出来る。


 各国がモンスターに立ち向かえるだけの力を手に入れる事でしか対応は出来ないが、サービスで育てて行くのも、なんだか違うと思うし、どうしていくのがのが正解なのかな?


 まぁ……客観的に考えて、俺が居なくなったら続けられない事をしても意味がないので、この世界の人達が、自分で気づき成長して行くための手伝いとかになるのかな?


 モンスターはダンジョンの外では上限無しで成長する以上は、それに対応できる戦力としての【EDC】は絶対必要だけど、もう少し規模は大きくしたいな。


 各国が自分たちの都合で好き勝手な事を言うだろうし、あくまでも対国家の場合はビジネスライクな付き合いに、限定したほうが良いだろうな。


  ◇◆◇◆ 


 時は過ぎ、俺がこの世界に来てから二年が経過した。


 今日この世界での最終ダンジョンとなる【D154】が東京駅に現れる。


 この二年間色々な事が在ったな。


 一番ビックリしたのは、この世界の俺と棗ちゃんが結婚した事かな。

 今では二人目の赤ちゃんを身ごもってるって事だし、何だかこの世界の俺、中々頑張ってたよな!


 日本中のお年寄り達を、現役にカムバックさせて、ポーションや魔導具製造に関しては、世界でトップレベルの会社を作っちゃったりしたし、国内だけでもこの世界の俺の会社の従業員が百万人近いとか、もうびっくりだよな。


 俺の所属する【EDC】の方は、織田さんと鹿内さんがしっかりと切り盛りしてくれたお陰で、実質世界一の大企業になってる。


 国際的な活動が多かったので、スイスの銀行組織や、傭兵派遣会社等も買収して幅広く活動したからな。

 実働部隊もマイケルとアンリの二人がそれぞれ率いる部隊は、大隊規模まで大きくなり、本人たちのレベルも千六百に届くまで育った。


 当然織田さんや和也はもっと高いんだけどな。


 東雲さんと鹿内さんも激務の合間を縫って、俺が設置した、【D100】ダンジョンを活用してレベルを上げている。

 【D100】ダンジョンは【EDC】の本社のある関空地区に設置してある、ここでは社員の育成は勿論だが、環境調整も出来るので、食料の生産などにも活用できる。


 【EDC】の研究班に、研究を行わせているが、【DIT】からも人が派遣されて、合同研究の形で開発している物も多い。


 今日の【D154】ダンジョンなんだが、討伐は俺が一人で行う。


 和也と織田さんにだけは伝えているが、俺はこの【D154】を討伐した後は、元の世界に戻る。


 この世界では、和也と信長、斎藤一と芹沢鴨の四人がダンジョンコアとして宿ったが、他のコア達はまだ俺が持っている状態だ。


 俺には彼らに相応しい人物に彼らのコアを宿らせると言う、大切な仕事が残っているんだ。

 他のメンバーには、薄情なようだが伝えずに去る。


 そして、【D154】の出現時刻に併せて、東京駅に雪と二人だけで来た。


「雪、ここで最後だ。さっさと終わらせて、TB達が待ってる世界へ帰るぞ。こっちの世界のTBとキーちゃんの映像を見せてやろう、楽しみだな」


「私も早くTBに会いたいよぉ、ご主人様の赤ちゃんたちもきっと大きくなってるよ」


「だよな、早くみんなの顔を見に行こうぜ」


 そして俺と雪は全速で【D154】の討伐を行った。

 僅か三日の討伐だった。

 ダンジョンは消失し俺がマスターとなり入り口の在った場所に戻される。


 そこには……俺がこの世界で知り合った人達が揃っていた。

 和也が口を開いた。


「岩崎さんゴメンな。俺みんなに内緒とか出来なかったよ。この世界が岩崎さんに助けられたのは事実なんだし、お礼くらいはケジメとして言わせてくれよな」


 俺は、ちょっとウルっと来たが「口の軽い相棒(バディ)だぜ、織田さんと、颯太と、達也と四人で力を合わせてこの世界のことは頼んだぞ」と伝えた。


 颯太、達也、マイケル、メアリー、アンリ、東雲さん、鹿内さん、向井さん、棗ちゃんもTBとキーちゃんを連れて来てた。


 他にも、【EDC】のメンバーはほぼ全員【DIT】の主要メンバーも揃っている。


「みんな、この世界の事は任せたぞ! じゃぁな」


 と、言って【G.O】を取り出し乗り込んだ。


 そのまま異次元空間に突入して原初の世界が在った座標を目指す。

 マップを表示させ嚮導の羅針盤で座標を確認する。

 その場所には、宇宙空間に巨大戦艦の残骸が漂っていた。


 巨大戦艦の内部に侵入して、時空転移を発動する。

 これで時間軸が分離する前の状態に戻って来てる筈だ。

 この場所で巻き戻した三年間を、先送りする事で俺の世界の時間軸に戻れるはずだ。


 スキルは発動させたが、まだ戻った実感は沸かない。

 DGカードを取り出してみた。

 このカードは、俺がもう一つの世界に移動した時に、ランキングの表示などが全て消えていた。


 そして今確認したカードには、ランキングが戻っていた。


「雪、無事に戻れたみたいだぞ」

「早くお家に帰ろうよ」


 再び【G.O】で異次元空間に突入する、俺達の地球が存在する座標から空間を抜ける。

 懐かしい【D特区】の風景が広がっていた。


 計算上は、ダンジョン発生時点からの計算で六年後の地球の筈だ。

 

 【G.O】から降り、転移を唱え【D特区】内の自分の家の前に移動した。

 TBが駆け寄ってきた。


「ただいま!」

「お帰りにゃさい、ご主人様、ユキちゃん」


「やっぱりTBはこの見た目がいいな。向こうの世界のTBは大人だったからなぁ」


 TBが飛び出してきてから三分後くらいに嫁達も続々と玄関に集まって来た。

 鹿内さんと東雲さんと坂内さんも転移門で直ぐに帰宅してきたみたいだ。


 その騒ぎを聞きつけ、翔達も四人で出てきた。


 それから五分後には達也と颯太も仕事を途中で抜け出して来たみたいだ。



「みんな、遅くなった。ただいま」


「「「おかえりなさい」」」


 まぁつもる話は色々あるけど、とりあえず嫁達と一緒に保育室に向かって、俺の子供たちの顔を見に行った。

 とても元気そうに遊んでる。


 十四人もいると壮観だなぁ。


 颯太はジャンヌと一緒に、達也も嫁を横に連れている。

 達也の嫁が、赤ちゃん抱いてるし、これは達也の娘ってことかな?


「颯太。ちょと聞いていいか? 颯太とジャンヌって付き合ってるのか?」


「もっと他に聞くこと無いのかよ? ジャンヌは俺の嫁になった」

「良かったな!」


 今日は色々話すこともあるから、嫁達には今日の晩御飯はみんなで豪勢にしようと伝え、颯太と達也と三人で【DG】のマスター執務室に向かい、この三年間の情報交換を行い、現状の問題点がないかを確認した。

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