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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
アフターストーリー『なんとなく家に戻ろうとした俺が世界を間違っちゃって、強くてニューゲームで頑張る話』

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第122話 こっちの理パーティ本格始動

 二匹の猫をテイムした俺は、翌日朝から横田の【D2】ダンジョンへと向かった。


 (なつめ)ちゃん、向井さん、TB、キーちゃん、俺のパーティだ。


 まずは、TBとキーちゃんのレベルアップを優先して、一層での狩りをスタートする。


 最大化したTBのサイズは、大きさ的に大人の虎くらいだ。

 真っ黒だから黒豹を一回り大きくした位と表現したほうがいいのかな?隻眼のTBはボス野良猫らしく中々威圧感のある見た目だ。


 俺も刀を構える。

 俺の二振りの刀は、鞘を腰に装着すると動きを阻害されるので、背中にクロスしたような感じで装着している。

 抜く時は問題なく抜くことが出来るのだが、鞘に納刀する時はまだ不慣れなので、ゆっくり慎重に直さないと自分で背中を斬ってしまいそうになる。


 要練習だな。


 向井さんと棗ちゃんは一層では(すで)にレベルも上がらないので、俺達の戦いを観戦モードになってる。


 TBは、ゴブリンに対しては、相性がいいみたいで爪を使った攻撃で戦えているが、スライムの核を攻撃するには、爪の長さが足らずに攻めあぐねている。


 対照的にキーちゃんは、スライムに対してファイアビームを放ちスライムを一瞬で倒す。


 アイスビームだと、スライムが凍りつくだけで倒せないが、その状態だとTBの一撃で砕くことが出来るので、TB的にはアイスビームで凍らせてくれる方が楽しそうだ。


 俺は刃渡りが百二十センチある刀を使っての攻撃なのでスライムの核を一撃で壊すこともできる。

 ゴブリンも一刀で切り伏せる事が出来る様になってきた。


 その姿を確認しながら、向井さんも頷いている。


 昼を過ぎてTBとキーちゃんが、レベル六を迎えて、それぞれ特技がレベル二にアップしたのを見計らって、二層に降りる事になった。


 ここからは、棗ちゃんと向井さんも戦闘に加わる。

 向井さんは二層のオークに対して、薙刀で無双を始めた。

 棗ちゃんも(つる)の張っていない弓を構え『一角ウサギ』を次々と倒す。

 とても不思議な光景だ。


「弓師のJOBを持っていないからこの弓の本来の能力を活かしきって無いんだけどね」と、若干不満気ではあるが、俺から見ると十分に凄いと思う。


 キーちゃんは更に一回り大きくなったTBの背中に乗って、フロア内を走り回りながら、クワガタのような昆虫型モンスターをビームで次々と撃ち落としている。


 このクワガタの背中の甲殻は、初期の防具として、軽くて丈夫で中々人気があるらしい。

 棗ちゃん情報によると、この階層のドロップ品で、基本的なダンジョン装備が作成できるので、生産JOBのレベル上昇を狙って、積極的にドロップ収集をしてくれと言ってた。


 そしてこの日の俺達は、昼食をはさみ夕方まで狩りを繰り返して行くうちに、向井さんがレベル二十五、棗ちゃんはレベル二十二、俺がレベル十五、TBとキーちゃんがレベル十を迎えて、この日の討伐を終えた。


 転移門で向井さんの家に戻り、棗ちゃんに「おつかれー」と声をかけた後、向井さんを見る。

 

 あれ? 気のせいかな……確かに向井さんなんだけど、どう見ても俺と同世代程度の、(いろ)っぽいという表現がぴったり当てはまる女性の姿がそこにあった。


 やべぇ……俺、婆ちゃん見て綺麗だとか思っちまった。


「婆ちゃん。その見た目は反則だろ。うっかり惚れそうになっちまったじゃねぇかよ」


「おやそうなのかい? 私に相手してほしかったら、私よりは強くなりなよ。まぁでも岩崎さんも鏡見てみなよ、随分男前になってるさね」


 その会話を聞いていた棗ちゃんも「岩﨑さんもお腹もスッキリしたし本当に中々素敵ですよ」


「マジで? 棗ちゃん好みの俺になれてきたかな?」


「そうですねー、もう一息です! 一緒に頑張りましょうね。今日はこの後は、私と一緒に生産をやりましょうね。生産JOBは戦闘じゃ上がらないから、ひたすら物を作るしか無いですからね」


「そうなんだね解った。棗ちゃんの為になら、俺はがんばれるよ」


「TBとキーちゃんも今日はありがとうな。めちゃ強くてびっくりしたよ。これから宜しく頼むな」


『オサム任せにゃ、餌は奮発してくれにゃ』


『自分の足で走り回れるのが凄い楽しいにゃ。私も頑張るね』


 うーん、まぁなんか俺の考えてたテイムって、もっとこう『ご主人様ー』的なのを想像してたんだが、完全に友達扱いだな……別にいいんだけど……


 実際TB達も頑張ってくれたのは確かだし、餌は美味しいの買ってきてやろう。


 その後で、棗ちゃんと向井さんと一緒に、豊橋防衛都市の【DG】買取所に行き棗ちゃんの収納バッグから、今日拾得した大量のアイテムを取り出して、買取をお願いした。


 総額はなんと三十万円ほどになった。一人頭で十万円だ。日当十万円とか、今までの俺の半月分の給料じゃん。


 探索者めちゃ儲かるんだな。

 これは頑張らなきゃ。


 俺は【DG】ギルドに併設してある冒険者用の装備アイテムショップを覗いてみた。

 武器や防具に付いてる値段を見てびっくりした。


 武器はN(ノーマル HQハイクオリティ レア SRスーパーレア URウルトラレアの五段階があり、それぞれに追加効果の有無などで価値が変わるようだが、現状ではショップに並んでいるのはレアクラスの物が最高で、それでも七桁の値段がついている。


 確か俺達が使っている武器は、全てSR装備だった筈だけど一体いくらするんだ?


「棗ちゃんちょっと聞いてもいいかな? 俺達の武器ってさ、一体どれくらいの価値があるの?」


「あー、もう一人の岩崎さんが作った武器だから、普通に値段を付けても五千万円位はすると思いますよ? 実際にはまだこの世界で同じクオリティの武器を作れる人が居ないから、オークションとかに出すともっとすごい値段だと思います」


「はぁ……ねぇもう一人の俺ってさ……俺は会えないの?」


「それだけは絶対無理です。もしそんな事があれば、岩﨑さんの存在が二人共消滅するかもしれないと言ってました。何だっけタイムパラサイト?」


「あぁきっとタイムパラドックスだと思うよ。そうかぁこれを俺が作れる可能性があるのか……生産も頑張らないといけないね」


 そんな会話をしていると、【DG】の責任者の様な人が現れて、俺達三人に話があると呼ばれて、応接室に通された。

 そこには他にも二人ほどの【DG】職員が居て、ちょっとなんか物々しい感じだ。


「ご足労頂きありがとうございます。少々お伺いしたいことが御座いまして、こちらに来て頂きました。単刀直入に伺います。そちらの女性のお持ちになられているバッグは魔導具でしょうか?」


「あ、はいそうですが、それが何か?」


 その返事を受けて、DG責任者はゴクリとつばを飲み込むような音を立てて言ってきた。


「その魔導具は、あなた方の誰かが作られた物なのですか? それともう一点そのバッグの容量はどれだけあるのでしょうか?」


「これは、私達の作ったものではありませんが、生産された方から直接譲って頂きました。容量はこれはレアアイテムですので、まだ限界まで入れたことがある訳じゃ無いですから、確認はしていませんが、十トン程の容量だと伺っています」


 【DG】の三人が「おぉ」と感嘆の声を上げた。


「そのバッグを譲って頂くわけには行きませんか? 少し考えれば解っていただけると思いますが、そのアイテムをもしテロリスト等が手に入れることがあった場合に、国に重大な危険が及ぶと言う可能性が否定できません。もし同意をいただけない場合は強制執行の形を取らざるを得ない事になります」


 まぁいつの時代もそうだが、中途半端な権力を持つ人が自分勝手な理論を展開し始めちまったな。


 と俺が考えていると、向井さんが毅然と言い放った。


「あなた方に私達の私有物を、渡すつもりもありませんし、誰の判断で今の発言が出たのかを明確にして頂きたいと思います。私達は【DIT】島長官との面識もありますし、島長官は私達の所持品などは理解した上で、横田基地への立ち入り許可まで与えて下さっています。今の発言を報告すれば立場が悪くなるのはあなた方だと思いますが、それでもまだ今の話を続けられますか?」


 その話を聞き、【DG】職員は青褪めた。


「大変失礼致しました。今の話はご内密にお願い致します。私どもは私物の押収をしようというのが本題では無く、あくまでも防衛上の問題の排除を考えただけでありまして、【DIT】本部のお墨付きがあるならば、問題はございません。今そこにある物以外に同じものが、自由に出回る可能性はないと考えてよろしいですか?」


「魔導具を作れるスキルやJOBを得た人が、同じものを作れる可能性はあると思いますが、私達が知りうる話ではありませんので、解らないとしかお答えは出来ません」


「それでは、その魔導具を作成した人物を教えて頂けませんか?」


「それは無理な話です。どうしてもと言われるなら【DIT】の島長官を通して連絡を下さい、その場合だけ再び話を伺う機会もあるかと思います」


 婆ちゃんすげぇな! めちゃ毅然として偉そうな人達に一歩もひかないで会話してるじゃん。

 あ、もう婆ちゃんって呼んだら失礼だよな、こんな綺麗な見た目だし。


「解りました、こちらからも【DIT】本部へ確認をとった上で、今後の対応を考えさせて頂きます」


 なんか、めちゃ面倒臭い展開だったな。

 俺が魔導具作れるようになったら、出来た物は【DG】には絶対売らないでおこう。


 三人で家に戻ってから向井さんが「私はちょっと今の話を【DIT】側へ確認を取っておくね、棗ちゃんは、もう一人の岩崎さんに連絡出来るなら、いい対応策があるのか聞いてみてね」


「はい解りました。じゃぁ私は先に岩崎さんの確認を取りますからこっちの岩崎さん、あ、岩崎さんが二人だと話がややこしいですね、今からオサムさんって呼ばせてもらってもいいですか?」


「おう、いいぞ。なんか距離感が縮んだ気がして俺もそっちのほうが嬉しい」


「じゃぁオサムさんは、薬草を使ってポーション作成に挑戦してくて下さいね、最初は成功率メチャクチャ低いですけど、数をこなしてJOBレベルを上げたり、もう少しレベルを上げて錬金術を使えるようになると、一気に成功率も高くなるそうですから」


「解った。頑張ってみるよ」


 そしてそれぞれの役割をわけて、行動を開始した。

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